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Feel the Music vol.7
本質的音楽論未来編 - 砂原良徳×加藤賢崇 砂原良徳
■インタビュー/文:加藤賢崇 ■デザイン:SQIP Inc  掲載日:2007.4.6
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砂原良徳が自身の選曲・解説付による2枚組ベストをリリース!彼のアマチュア時代から活動をフォローしてきた筆者も、そのルックス同様に端正な佇まいを漂わせるサウンド、感じると考えるを同じレベルで聴く者と共有できるスタイル、が一貫して揺るぎないことをあらためて確認しました。これを機会に久々に砂原と音楽の今と未来について語り合ってみましたよ。
 砂原:mp3やaacといった圧縮オーディオファイルですが、僕は音質によって使い分けています。Hiの伸びが重要な場合はaacを使い、リズム系の音圧が重要な場合はmp3を選択します。取り込む際には音を修正して取り込む事も良くあります。
 加藤:さすが!セルフ・リマスター感覚ですな。ではお客の側はどんなメディアによって自分の作品を聴いてるかも想定してますか?
 砂原:もちろん。90年代までは主にCDラジカセで聞かれていると想定してましたから、レコーディングスタジオには必ずと言って良い程CDラジカセがありました。2001年の『LOVEBEAT』からはiTunesやiPodで聞かれると想定していました。曲を繋がっていない形で収録したのはシャッフル機能が多様される事を想定していたからです。2001年の段階では今程一般的ではなかったのですが、ファイル化された音楽の聞き方は、それまでの聞き方とは明らかに違い、それが主流になると予測していました。
 加藤:ネット配信が主流になっていく中で、CDをリリースするということへの可能性とは?
 砂原:コンピューターのソフトウェアが未だにディスクの形で供給されているのと同じでバックアップの役目もあります。CDは非圧縮で取り込む事も出来ますし、取り込む際に圧縮率も選択出来ます。やはりパッケージというのは特別なものです。以前知人と、パッケージが無くなり、ジャケットが無くなるのでは?という話をした事がありますが、音楽のアートワークは、その音楽を視覚的にアイコン化したものであり、音楽情報管理でも非常に重要です。ポップミュージックの本質的な部分は音そのものだけではなく、アートワークや歌詞やタイトルなどの文字情報、音楽ツール、などの中にもあると言えます。
 加藤:CDを元ネタとして情報を再構築するダブルの楽しみだよね。
 砂原:圧縮ファイルをiPodやiTunesで管理する場合は、大量のライブラリの中から、即座に曲を探し出せたり、アートワークやその他の情報を表示出来ます。これらの進化により、音楽とのつき合い方の本質にさらに近づいていると思いますよ。昔は音に絵を貼るという感覚でアートワークを管理していましたが、最近は絵に音を貼るという感覚に変わりつつあります。
 加藤:さらに聞くと自分の音の映像化、iTunesのPVの動画配信とかの将来性はどう見る?
 砂原:音楽と映像は時間軸上にあるものなので、切っても切れないものですよね。我々もライブ用にいくつかビデオを制作しました。本当はどの曲にもビデオクリップを制作したいと考えています。配信の画質もDVD(Mpeg2)レベルまでは向上すると思います。将来的には多くのユーザーはソフトを持たなくなり、ウェブ上の巨大なアーカイブを利用していく事になるでしょうね。
 
砂原良徳 Private Music
 加藤:普段どんなシチュエーションで音楽を聴いていますか?
 砂原:主には自分のスタジオのパソコン、これはスタジオのスピーカーに接続しています。車の中ではiPodをカーステのインプットに接続して聞いています。
最近は車の中ではAMラジオを聞く事も多いです。夏は野球中継などを聞いています。
 加藤:野球かよ!(笑)自分の作品でお気に入りを選ぶと?
 砂原:ベスト盤のDISC1の選曲は自分自身でやったので、この選曲がそれと言えます。どれか1曲を選ぶってむずかしいですね。決めてくださいよ(笑)。
--お気に入りの1曲
 加藤:じゃソロではDISC1の最初か最後ってことで。
 砂原:では最初の曲にしますか。今聴いても新鮮でありながら、すでにダンスクラシック的な味わいもあるし。
 加藤:ソロ以外では~
 砂原:そうなるとベスト盤のDISC2みたいな感じなのです。
 加藤:テイ・トウワとのコラボがよかったなあ。似たもの同士な感じで。
 砂原:似てないですよ!ぼくは庶民派であちらはセレブじゃないですか(笑)。
 加藤:いや、壊そうとして気がつくとスッキリまとまってるみたいな仕事のやり方がなんか2人は合ってると思う。
WORKS '95-'05 / 砂原良徳ソロ:「MFRFM (MUSIC FOR ROBOT FOR MUSIC)」
from 『WORKS '95-'05 DISC1』
コラボ:「Lotus Snack and Thinking Machine」
from 『WORKS '95-'05 DISC2』

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加藤賢崇 プロフィール
加藤賢崇 KENSO KATO
加藤賢崇
KENSO KATO

筆者は80年代末から90年代初頭、たびたびテクノ系イベントを主催していたが、当時札幌在住の高校生であった砂原から「ぜひ行きたい」という手紙をもらって以来の関係。砂原が上京した後は、彼が参加していたバンドとも競演し、楽曲のアレンジや仲間のバンドのプロデュースも依頼した。筆者はまたインディーズ時代の電気グルーヴとも交流が深く、砂原が電気に参加するきっかけを作ったとも自負しております。

オフィシャルサイト
http://www.manuera.com/kenso/
CD情報
WORKS '95-'05 / 砂原良徳
WORKS '95-'05
KSCL-11221~1122
Ki/oon Records
¥3,635 (tax in.)
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DISC1は、1stアルバム『Crossover』(1995年)から4thアルバム『Lovebeat』(2001年)までの収録曲を自らセレクトしたベストテイク集。
DISC2は、これまでに手掛けた緻密なアレンジ・リミックスワーク、そして美麗なプロデュースワークを砂原・スタッフがセレクトしたベストワーキング集。
DISC1・DISC2共に、年代順に並べられ、ブックレットには全曲分の本人コメントも収録。Sterling Sound (NYC)のChris Gehringerによって、全曲リマスタリング。
砂原良徳 プロフィール
砂原良徳 Yoshinori Sunahara

1969年9月13日生まれ。北海道出身。サウンド・クリエーター/プロデューサー/DJ。電気グルーヴに91年に加入し、99年に脱退。
電気グルーヴの活動と並行して行っていたソロ活動では、飛行機/飛行場をテーマとした3部作『Crossover』('95)、『TAKE OFF AND LANDING』('98)、『THE SOUND OF '70s』('98)をリリース。『Crossover』、『TAKE OFF AND LANDING』の2枚は海外でもリリースされ、その名は世界で知られるようになった。そして2007年3月、自身初となるベストアルバム『WORKS '95-'05』をリリースし、今後の活動に目が離せない。

オフィシャルサイト
http://y-sunahara.com/

Sony Music Online Japan
http://www.sonymusic.co.jp/Music/
Arch/KS/YoshinoriSunahara/
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