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Feel the Music vol.25
UKロックの熱いソウルを受け継いだ噂の男 - Edgar 'Jones' Jones(エドガー・ジョーンズ) Edgar 'Jones' Jones(エドガー・ジョーンズ)
■インタビュー/文:村尾泰郎 ■デザイン:SQIP Inc. 掲載日:2007.11.13
 90年代、知る人ぞ知るUKのロック・バンド、ステアーズのベーシスト/ヴォーカルとしてシーンに登場したエドガー・ジョーンズ。バンド解散後は自身のバンド、ジョーンゼズを率いて活動。リズム&ブルース、ジャズ、ニューオリンズ、ブルース、そして、もちろんロックンロールなど、様々な素材を男の手料理のごとき大胆さで調理したサウンドは、強烈にして濃厚。そのソウルフルな心意気がポール・ウェラーやノエル・ギャラガーにも敬愛されるエドガーの最新作『ザ・マスクド・マローダー』は、エドガーと謎の隣人とのコラボレートから生まれた。新作誕生の秘密を訊きながら、レコード・コレクターであり、DJとしても活躍する生粋のミュージック・ラヴァーの横顔に迫る。
--新作『ザ・マスクド・マローダー』が生まれた経緯について教えてください。
 ずっとやってみたいと思ってたアイデアだったんだ。それはアコースティックなリズムが相互に反応しあって、ストーリー性を大切にしたサウンドなんだ。僕はジョーンズというバンドもやってるけど、それとは違った面を持ってるってことを見せたかったのさ。
--今回のセッションに参加したミュージシャンは、どういった人たちなんですか?
 僕のアパートの隣に住んでるヤツと僕、というのが基本のスタイルだね。ほとんど彼と2人で作ったんだ。最初12曲作ったんだけど、そのうちあんまりよくないのが何曲かあって……まあ、正確に言うと6曲なんだけど(笑)、それで新しい曲を書いたりダメな曲を良くしたり。ジョーンズのメンバーや、音楽関係の友達とかに手伝ってもらったりもしたよ。まあ、ケーキに最後の飾り付けをやってもらうような感じだな。
--レコーディングは自宅だったんですよね。
 ああ、とてもリラクシンな感じだったよ。あともうちょっとで気が抜けてしまうぐらいリラックスしてた(笑)。でもバンドでのレコーディングと違って一対一だから、いつもとは違った雰囲気だったね。
--リズムボックスが良いアクセントになってますね。ジャズ・スタンダード「All The Things You Are」のカヴァーなんて、スライ風で最高です。
 リズムボックスのおかげで、サウンドにソフトな感触が出せたんじゃないかな。「All The Things You Are」はジャズ・スタンダード集の譜面を見ながら、ダブル・ベースでやってみようと思いついたんだ。ジャズのスタンダードは、人間が生み出したアートの最良のものだと思う。でも今や、それが若い世代には全く伝わらずに失われつつあるのは残念だね。
--インプレッションズの「Seven Years」もカヴァーしていますね。あなたの歌声がカーティス・メイフィールドそっくりで驚きました。
 嬉しいね(笑)。長い間ずっとすごく好きな曲で、いつかカヴァーしようと思ってたんだ。アレンジもアルバムを作る最初の時点から浮かんでいて、そのアレンジをいろいろかえたりしながらできた。偶然なんだけど、歌詞も僕の私生活ともすごく重なるところがあって、今回カヴァーするのは良い機会だと思ったんだ。
--そもそも、あなたがソウル・ミュージックに惹かれる理由って何でしょう?
 僕がベース・プレイヤーだったからだと思うな。レコードに合わせて、よくベースを弾いてたよ。それに僕は、ひとつのものを好きになるとそのルーツを知りたくなる傾向がある。だから好きになったベーシストのルーツを探っていくと、そういう人たちがソウル・ミュージックが好きだったりするんだ。この意見が絶対だとは思わないけど、ジャズのベーシストよりソウルのべーシストのほうがずっと行儀がいい感じがするな。
--あなたの音楽を聴くと、ミュージシャンとしての才能もさることながら、リスナーとしての耳の良さを感じます。そもそもレコードを買い始めたのはいつ頃?
 7、8歳ぐらいだね。兄貴がいて、その頃、兄貴がティーンエイジャーだったんだ。77~79年ぐらいかな。兄貴に〈これ、買ってきて〉って頼むんだけど、なぜかそれが兄貴のコレクションに加わってる、って感じだったな(笑)。まあ、よくある話だけど。
--最初に買ったレコードを覚えてますか?
 バズコックスだ。8歳か、9歳だった。14歳ぐらいの時から60年代の音楽に興味を持ち始めて、少しずつ自分で集めるようになったんだ。実は親もけっこうレコードを持ってたんだけど、一度泥棒に入られて全部盗られてしまった。それで自分で集めるようになって、モンキーズのコンピなんかを買ってたよ。そういうレコードでプロのソングライターの仕事に触れたのが、僕にとってはけっこう重要だったと思う。あと、ラヴの『フォーエヴァー・チェンジズ』とか、ベルベット・アンダーグラウンドやエコー・アンド・ザ・バニーメンのレコード、ペブルズのコンピレーション……いろいろ聴いたよ。
--今回の来日はDJツアーだそうですが、DJをやるようになったキッカケは?あなたにとって、DJという仕事の意義は?
 地元のバーでプロモーターをやってるヤツがいて、そのバーでいつも月曜の夜に友達がDJをやっていたんだ。そこへ時々遊びに行ったりしてた。その時に自分のレコードを持っていって、ちょっと遊びでやったりしていたのを、そのプロモーターが気に入ってくれたんだ。僕がかける曲はわりとノリがよくてダンスしやすい曲が多かったから、金曜の夜にもってこいだってことになって。それから毎週金曜日にDJをするようになった。ハッピーな偶然ってやつさ。ただ残念なのは、みんなTVや映画でかかっているような音楽ばかり聴きたがるってこと。古い曲でも良い曲はいっぱいあるのにね。僕は自分をミュージシャンだと思っているけど、DJっていう仕事を通じて、良い音楽を伝えることも大切だと思ってるんだ。
 
Edgar 'Jones' Jones' PLAYLIST: エドガーに影響を与えたマストな10曲
Edgar 'Jones' Jones プレイリストの詳しいレビューとCDや楽曲購入
Edgar 'Jones' Jones リリース情報
2007年11月19日、日本先行発売!

THE MASKED MARAUDER / Edgar Jones & Friends
『THE MASKED MARAUDER』
- Love is the Spark:
Compassion is the Fire-
You can't trust anyone these Days -
Edgar Jones & Friends
wind bell
wb-13 / ¥2,520 (tax in.)
Amazonで試聴・購入 HMVで試聴・購入

収録曲
01. HMMM!
02. All the Things You Are
03. Maybe Sometimes
04. Aren't You Happy?
05. More Soothing Music
      For Stray Cats
06. Sunshine
07. It's Great To Be Straight
      with One Another
08. Seven Years
09. Talk About it
10. The Same
11. Once There was a Time
日本盤ボーナストラック
12. Lil Duke Medley
13. Maybe Sometimes (All The Way)

「ザ・マスクド・マローダー」はエドガー・ジョーンズと彼の隣に住む、外出恐怖症に悩む、奇妙ですばらしくミステリアスな人物による新たな試み。必要最低限に削ぎ落とされた、謎に包まれたソウル、ファンク、エレクトリック・ヴードゥーの数々。


Gettin' A Little Help...From The Joneses / Edgar 'Jones' Jones
『Gettin' A Little Help...
From The Joneses』

Edgar 'Jones' Jones
wind bell
wb-12 / ¥2,520 (tax in.)
Amazonで試聴・購入 HMVで試聴・購入

Soothing Music For Stray Cats / Edgar 'Jones' Jones
『Soothing Music For Stray Cats』
Edgar 'Jones' Jones
wind bell
wb-5 / ¥2,400 (tax in.)
Amazonで試聴・購入 HMVで試聴・購入
Edgar 'Jones' Jones プロフィール
Edgar 'Jones' Jones
エドガー・ジョーンズ


90年代にザ・ステアーズのメンバーとして活動。バンド解散後はポール・ウェラー、リー・メイヴァーズ(ザ・ラーズ)、ジョニー・マーといったアーティストたちの作品やツアーに参加する。04年にファースト・ソロ・アルバム『スージング・ミュージック・フォー・ストレイ・キャッツ』を地元ルヴァプールのレーベルから発表。エドガーひとりで作曲からアレンジ、プロデュース、演奏のすべてを手掛けた本作は、オアシスのノエル・ギャラガーをはじめ様々なアーティストや評論家から絶賛される。06年には6人編成のバンド、エドガー・ジョーンズ&ザ・ジョーンセズを結成。初の日本公演では、エゴ・ラッピンやリトル・クリーチャーズ、スクービー・ドゥなどと共演した。07年にセカンド・アルバム『Gettin' A Little Help From The Joneses』をリリース。続けてエドガー・ジョーンズ&フレンズ名義で『ザ・マスクド・マローダー』を発表するなど、精力的に音楽活動を展開中。

エドガー・ジョーンズ MySpace
http://www.myspace.com/
edgarjonesandthejoneses