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| ■インタビュー/文:猪又孝(DO THE MONKEY) ■コーディング:Astrograph 掲載日:2008.6.25
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前作『ケツノポリス5』からわずか10ヶ月でリリースされたケツメイシの新作『ケツノポリス6』。ここには日常生活のふとした場面にリンクする喜怒哀楽のすべてが人間味豊かなケツメ節に乗せて綴られているが、聞けば、本作は前作の曲作り合宿中に大半のデモが出来上がっていたのだという。「さくら」のヒットを受けてビッグセールスを記録した前々作『ケツノポリス4』。同作で一躍トップグループの仲間入りを果たしたケツメイシだが、そこで成功したからこそ、彼らは地盤固めをするように『ケツノポリス5』を制作した。そこに、さらなる旨味と深みを加えて出来上がったのが本作『ケツノポリス6』。気になる2枚の関係性にスポットを当てた。
--ずばり、新作『ケツノポリス6』は、どんな一枚に仕上がったと思っていますか?
DJ KOHNO:僕はいい意味で年相応な感じというか。はっちゃけた曲はそんなに入ってないんだけど、でも、それも自分たちだなって思える曲が多いなと。
RYO:年相応っていうのはありますね。「子供たちの未来へ」なんて曲は10年前だったら絶対ないし、逆に全員がラップしかしてない曲はちょっと懐かしい感じがあるし。だから、僕としては、今までの集大成的な一面もあるなと。まあ、爆発的なヒット・シングルはないですけど(笑)、全体通して聞いたら非常にいいアルバムだと思います。
--本作収録曲の大半のデモは、『ケツノポリス5』の曲作り合宿のときにできていたとか。DJ KOHNO:はい。最初に合宿でさわりだけ作ったのが60曲近くあって。そこから絞ったんですけど、一枚じゃ収まらないねっていうことで、それは次に出したら面白くない?って言ってたんです。でも、合宿から帰ってきて作った曲もあります。「出会いのかけら」とかは『ケツノポリス5』の作業が終わってから頂いたタイアップの話で作ったので。
大蔵:あとは「空」とか「街並」とか「冬物語」とか。「儚し」「心の声」もそうですね。
RYO:もともと2~3年に(アルバム)一枚のペースじゃないですか。でも、今回のって、合宿でぐわっーっと初期衝動で作った曲ばかりなんで。そんなに(インターバルを)置いてもどうかなと。なるべく新鮮なうちに出した方がいいっていう意見でまとまったんですよね。
--そんなにたくさんの曲が生まれたということは、『5』の合宿はかなり充実していたということ?
RYOJI:合宿前に結構話し合いましたからね。『ケツノポリス4』だけ合宿せずに作っていて。「さくら」の大ヒットをきっかけに、周りが自分の意識とはズレていったり、知らない人が寄ってきたりとかして、そこで“みんな大変だけど頑張ろうね”っていうような仲間意識が芽生えたところはあると思うんです。だから、各々の作りたい曲を作って行かなきゃしょうがないっていうことで、それぞれが闘いっていうか、みんな本気で取り組んだ。それで捨てられない曲が増えたっていう。
--話を聞いていると、『5』と『6』は一卵性双生児のようですね。それぞれのアルバムを色で例えると、どんな感じですか?
RYOJI:『5』が若草色で、『6』があずき色みたいな。“ちょっと和風だな、これは”みたいな。そんな気がしますね。でも、合わせたら相性はいいぞっていう。抹茶アイス的な2枚です(笑)。
--具体的な収録曲の話も。先程話が出た「子供たちの未来へ」ですが、子供に向けた曲を作るのは初めてですよね。
大蔵:はい。これは僕と健太(DJ KOHNOの呼び名)が合宿で初めて「何する?」ってなったときに、健太が「子供ができたんで、そういう曲をどうしてもやりたい」って言ったところから始まったんです。「やろう、やろう。子供の歌を作ろうよ」って。
RYOJI:書いたのは、自分の子供だけっていうんじゃなく、みんなの子供が幸せになって欲しいっていう思いです。その子供の子供もっていうような、僕らには想像できないような未来まで人類が幸せであればいいなっていう。この4人で何かアクションを起こすというよりは、この曲を聴いて「じゃあ、俺もそうしよう」と思う人間が増えたほうが、幸せな未来になる確立が増えると思うから。
--では、その他に、新しいアプローチをしてみました、っていう曲は?
RYOJI:僕は「心の声」かな。今までは、この曲を聞いて元気になって欲しいとか、そういう曲が多かったんですけど、自分を見つめ直す意味もありつつ、ちょっと皮肉さを入れたかったんですよね。かわいくさらっとキツイこと言っちゃう、みたいな。
--この曲で伝えたかったメッセージというのは?
RYOJI:自分の汚さを知っとくと人に優しくなれるかな、みたいなことです。自分のことだけ考えてるから、みんな汚くてしょうがないんですけど、でも、それを知ってる人と知らない人では、まったく違うと思うんですよね。偽善者が僕はダイッキライなので。自分の汚さを知っておくことは大事かなと。
--「何故歌う」も自分たちの原点を見つめ直すようなナンバーですね。
RYO:これは、ずばり“何故歌う?”っていう気持ちですね。(前作収録の)「歌謡い」とは根本的に違って、あっちはライブでマイクを持ってる感覚の歌なんですよ。そのときの言葉。こっちは紙とペンから。もっと内面というか、心に響いたもの。何か問題があったら自然に歌詞が出てくるはずだしとか、感動したら沸いてくるイメージがあるはずとか、間違ってることは間違ってるって言いたいしっていう。
--あと、この曲は音作りも印象的でした。
RYOJI:ちょっと新しいと思いますね。ハウスのプロデューサーがヒップホップを作った、みたいな音の入れ方と音選びだと思うんですよ。ディレイの使い方とか、最新。
--「We love music」も、自分たちの気持ちを吐露した曲。
大蔵:音楽に改めて感謝する歌はなかったと思って。“音の皆さん、ありがとうございます”っていう。その気持ちを歌ったんです。RYOJI:大蔵の歌詞で「音楽はやってますじゃなくて、させて頂いてます」っていうところがあるんですけど、そこが僕は好きです。大蔵、たまに良いこと言うんですよ、一枚に1パンチラインくらい(笑)。
--もう一曲、「伝承」。これは重々しいオーケストラが印象に残る、スケールの大きな曲ですね。
RYO:地球を感じましたから。「情熱大陸」とか、ああいうところで流れそう(笑)。
--テーマは「無償の愛」?
RYOJI:うん。男にとって母親の存在って、やっぱ大きいんですよね。女性の愛ってすごいなと思うんです。それは奥さんもそうだし、母親もそう。母親の性格や教育だったりが、結局、今の僕を作ってるんだろうなって思うし、じゃあ母親からの無償の愛も受け継がないと失礼だなっていう気持ちがあって。それをあんまり具体的にせず書きたかったんです。
--さて、今年でインディーズ・デビューから10周年となりました。ケツメイシの10年間の活動を支えてきたモチベーションは何でしょう?
RYOJI:笑顔、ですね。やっぱり、みんな笑顔が好きなんですよね。笑顔のさせ方って面白いことを言うだけじゃなくて、元気のない人を勇気づけることも大切だったりするわけじゃないですか。あと、モチベーションは……“モテたい”っていうことだと思います(笑)。あ、違ったら違うって言ってね。
大蔵:いやいや、それ、ホント(笑)。
RYOJI:だって、もともとモテたいっていうところから始まってますからね。初期衝動がそれだから。モテないよりはモテたいし、今からでもモテたいし。
RYO:昔はライブをやってても、その場で目立ちたい、その場でモテたいっていう感覚でやってたんですよね。それがレコード会社と契約してとか、作品を作るってなっていって、だんだん“遊び”が“仕事”になっていったんですけど。根底に流れてた“なんとなくチヤホヤされたい”っていうのは……うん、やっぱり変わってないと思います(笑)。
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![]() ケツメイシ
( L → R )
RYOJI, RYO, 大蔵, DJ KOHNO 1993年「ケツメイシ」として活動をスタート。1996年頃に現メンバーRYO(MC)、RYOJI(Vo)、大蔵(MC)、DJ KOHNO(DJ)で新たに発足。当時は、“昼間は仕事”“夜はCLUB活動”。1999年12月、埼玉県朝霞市の六畳一間の公団住宅で制作した初インディーズ作品「こっちおいで」を発売。当時のイニシャルは430枚!! このシングルで音楽を売ることの難しさや厳しさなどを改めて痛感する。名前の由来「ケツメイシ」。名称『決明子』。決明子は、マメ科の植物で中国古来より便秘薬や下剤として使用される漢方。その意味は“すべてを出し尽くす”“見えない神秘的”といった意味も存在する。2001年4月発売「ファミリア」でメジャーデビュー以来、まさに、“全てを出し尽くす”言葉の意味どおり、日常の出来事、笑い、涙、時にはエッチに…、現代の若者のすべてを出し尽くしてきた。2005年6月発売「ケツノポリス4」は売上枚数210万枚を突破。2006年4月に「旅人」、7月に「男女6人夏物語」を発売。10月からは約1ヶ月半に及ぶ曲作り合宿を行い、2007年4 月「トレイン」、6 月「また君に会える」を発売。8月には約2年振りとなる待望のアルバム「ケツノポリス5」を発売し、現在85万枚を超えるセールスを記録。平均年齢32歳のおじさん4人組。
オフィシャルサイト http://www.ketsume.com/index.html |
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