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Feel the Music vol.60

焼けた肌に似合う夏うた決定打! - RIP SLYME

RIP SLYME

■インタビュー/文:猪又孝(DO THE MONKEY) ■コーディング:Astrograph 掲載日:2008.7.29

 昨年、街やビーチでヘビーローテーションされ、夏気分を盛り上げてくれたリップスライムの「熱帯夜」。あれから1年、今年もリップが最高の夏うたを届けてくれた。「楽園ベイベー」はカンカン照りの真っ昼間、「熱帯夜」は蒸した深夜の光景を描いていたが、新曲「太陽とビキニ」はジリジリ太陽のあとの、夏の夕暮れに似合う感傷的なナンバー。今回はカップリングの2曲も夏仕様で、「SPLASH」は気分が高まる季節ならではの激しい恋の駆け引きソング、「Supa Sonic」はジメッとした日本の夏に清風を運んでくるような仕上がりとなっている。リップ夏うた三部作ファイナル。今年の夏はこの一枚が盛り上げてくれる。

--新曲「太陽とビキニ」は、昨年の「熱帯夜」に続く夏うたですね。02年の「楽園ベイベー」と合わせると夏うた三部作。

SU:何も狙ってなかったんですけどね。このタイミングでいい曲があがったら出す、ぐらいの感じだったから。そしたらFUMIYAがいいのを作ってきたっていう。

--音はサーフ・ロックを下敷きにしていますね。

FUMIYA:それは、なんか60年代風な、っていうぐらいなんですけど。ビーチボーイズですね。ああいう、コーラスがすごくあるところにラップが乗ったらどうなるんだろ?っていう。で、マイクとか周辺機器も古い機材を使って、ちょっと実験してみたいなって気分で作ったんです。

--音作りでいちばんこだわったのは?

FUMIYA:こだわったのは、その古い機材ですね。汚すというか、敢えて、いい音にしないっていう。柔らかい音っていうんですかね。ともかく電子音は使わないっていうのを自分の中でルールにして。ちょうどこの曲を作ってるときに機材を一新したから、何をやるのも楽しくて。

--最新機材で古い音を鳴らしてたと。

FUMIYA:そう。贅沢なんです、ある意味。

--あと、聞けば、今回はボーカルを録るときに、自分の声に自分の声をオーバーダビングしなかったとか。素の声、一本で勝負したと。

RYO-Z:そう。ダブルにしなかった。

SU:普段はごまかしてるんですよ(笑)、2本重ねて。

PES:ダブルにすると派手にはなるけど、どんどん沈むっていうところがありますからね。他人のかっこいい曲を聴いてると、一本でも別にかっこいいと思えるものも多いから。カニエ・ウェストとか、ほとんど一本だと思う。

--シングルとダブルでは、ラップの書き方も変わってくるんですか?

RYO-Z:デコレーション的にやるっていうのが一般的なダブルなんですね。だから、ラップを書くときも、ここは強調したい言葉っていうのは最初からダブルにするって思って書いてたりする。ところが、それがシングルになるなら、もっと強い言葉を選んでおかなきゃならないわけで。今回は一本だけですっぴん勝負だから、言葉の目力を強くしないと!(笑)みたいなことにはなりましたね。

RIP SLYME--歌詞を書くときにテーマにしたことは?

PES:夏が終わっていく寂しさと、夏が始まる期待感。サビは夏を思い出す感じ、ヴァースは今進行形の夏。そういったコントラストになってます。

--歌詞作りでのこだわりは?

RYO-Z:聞き取りやすさとか、わかりやすさとか。あと、「夏」がNGワード。夏っていう言葉を使わないで、夏のムードを出そうっていう。それにこだわってました。

--その言い出しっぺは?

PES:僕ですね。入れない方が深みが出るというか。

RYO-Z:その設定がある方が、いろいろ深く考えますよね。「夏」って言っちゃえばわかるところを、どう表現するかって。そしたら、いろいろ言葉が出てくるんじゃないかっていうことで敢えてやったんです。ただ回りくどくなるかもしれないから、わかりやすさも意識しながらっていう。それはすごい大変だし、他の人と言葉がかぶると面白くないしっていう。

PES:でも、そのぶん、いつもより中身の濃いリリックになったと思いますね。

--2曲目「SPLASH」は男性用フレグランス「AXE」のCMソング。しっとりしたボサノヴァと、ヘッドバングしたくなるロック・ビートが交互に鳴るユニークなナンバーですね。

FUMIYA:商品がモテない人がスプレーしたらモテるようになるっていうコンセプトだったんで、二面性のあるオケのほうがいいなと思って。で、表向きはすごくクールに誘ってるけど頭の中はスケベなことばっか考えてるっていう二面性をオケでどう表現できるかって考えて。じゃあ、ボッサとロック的なのをくっつけちゃえ!っていう発想で書き始めたんです。

--サビの「スプラッシュー!」というシャウトがビートにぴったりハマってます。

RYO-Z:あれは、スプラッ、シュー!って音を伸ばせば、スプレーな感じになるかなと思って(笑)。スプレーでシューだから、スプラッシュー(笑)。それで、あそこを作ったんです。

ILMARI:でも、耳的にいいですよね。はじけ飛んでる感じじゃないですか。意味とテンションがばっちり合ってて面白い。

--「スケベなことばっか考えてる」フックはRYO-ZさんとILMARIさん、「クールに誘ってる」ヴァースはPESさんとSUさんが担当していますが、その配役に理由はあるんですか?

ILMARI:甘い言葉が達者ってことじゃないですか?(笑)

--甘い言葉を言わせたらPESさんとSUさんだと。

SU:いや、なんとなくですよ。

PES:そう。だって、モテるって言ったらILMARIくんですから。

ILMARI:何言ってんの?

PES:だって、こないだ女の子が飲んでるところに行ったら「イルマリ来ないのー!」って言われたし(笑)。もうその時点で傷ついたもん。

--でも、最後のサビの後ろで「スプラーシュッ!」と叫んでるのは……。

RYO-Z:PESくんとSUくんで(笑)。

--オシャレにナンパしてた2人も最後はキレるってことですかね(笑)。

SU:そうです。もう無理だったんでしょうね、口説くのが。

PES:もう本能の赴くままにシャウトです(笑)。

--3曲目「Supa Sonic」はPESさんがトラック作りを担当。どんなイメージで?

PES:80年代のロックをシンセだけでやる、みたいなイメージで作りました。ボン・ジョヴィとかヒューイ・ルイス&ザ・ニュースとか、ポイズンとか、ヴァン・ヘイレンとか、わりと明るめのポップ・ロック。ああいうところのコード進行とシンセ音にヒントをもらって。あとリリックは、少し意味のあることを言ってみたいなって作りました。

--どんなことを言いたかったんですか?

PES:やりたいことがあったら早めにやろう、ってことです。あっという間に人生終わっちゃうよ。だから、やりたいことがあったら突き進めって。

SU:それは、みんな普段から思ってるんでしょうね。やることはやんなきゃって。だから、すぐリリックは書けました。

PES:要は、時間は音の早さで過ぎていくと。っていうことで、タイトルも「Supa Sonic」にしたんです。

RYO-Z:そう。Supa Sonicは超音速っていう意味ですから。