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Feel the Music vol.79

はじめの合言葉は“Happy” - 福原美穂

福原美穂

■インタビュー/文:久保田泰平 ■コーディング:Astrograph 掲載日:2009.1.23

 2008年春にシングル「CHANGE」でデビュー。その、ソウルフルでズバ抜けた歌唱力は、日本のポップス・シーンにおける“NEXT”を築く逸材と賞賛され、大きな話題を集めてきた福原美穂。しかし、彼女の真価を語るうえで“2008年”は序章に過ぎない。ここに完成したファースト・アルバム『RAINBOW』で聴かせる、より豊かな表現力、シンガー・ソングライターとしてのポテンシャルは、これまでのシングルで受けた衝撃をはるかに凌ぐものだ。福原美穂が、2009年の音楽シーンを“虹”のように鮮やかに彩ることは間違いないだろう!

--アルバムを作るにあたってのテーマはどんなものでした?

 今回、感覚的に“これがイイ”っていう曲を集めてアルバムに収めました。その中には歌詞がせつない曲もあればうれしい曲もあるんですけど、ひとつ“Happy”っていうキーワードがコンセプトとしてあるんです。私がこのアルバムを作って、手にとって聴いてくれる人がちょっと幸せになってくれたりとか、笑顔になってくれたらいいなって想像しながら作っていましたね。

--では、新曲を中心に、掻い摘んで訊いていきたいと思うんですが、まずは「ANYMORE」。

福原美穂 私は、歌詞を書く時に必ず対象がいるんです。兄弟だったり、両親だったり、好きな人だったり、曲ができた瞬間に直感で“これはこの人に向かって歌おう”っていうのが出てくるんですね。でも、「ANYMORE」の場合はそれがなかった曲で、誰に向かって歌えばいいかわからなかったんです。で、曲ができてから時間が経って、アルバムを作り出す時期になったんですけど、なんかその、どんなアルバムにするんだとか、私は何がやりたいんだろうって、自分と向き合って考え込む時間が結構あったんですね。そんな時に、じゃあ、自分に向かって歌う歌を作ろうって思いついて。この曲ができた瞬間から“Happy”っていうキーワードが浮かんだりとか、一気に向かっていく場所が拓けていったんで、これは『RAINBOW』っていうアルバムの中でキーになってる一曲なんです。

--続いて「Lose Control」。セカンドラインのリズムをフィーチャーした楽しい曲ですね。

 この曲は、歌詞に込めるメッセージっいうのもとくになく、曲ができたときから“ドゥビドゥビダダダ”っていう言葉とか、ちょっとおちゃらけたイメージがあったので、とにかくかっこよく歌おうっていうところに集中して作りましたね。にぎやかな曲なんで、歌詞を書く時に“クラブで遊ぶ”っていうイメージがすごく浮かんで。

--クラブにはよく行きます?

 結構行きますね。ぜんぜん素面でも踊れちゃうので(笑)。テクノも行くし、レゲエも行くし、とくにジャンルは囚われず。いろんなものを生で聴いて、感じていたいんですよね。自分自身にも活きてくるし、ライヴにもいろいろ行ってます。勉強って感じではなく、ただ楽しみたいっていう感じで。

--「ON TOP OF THE WORLD」は、いままでのシングルでも見せてなかった真新しい一面を窺わせる楽曲ですよね。オールディーズ・ポップスを彷彿とさせるような。

福原美穂 たしかに、自分にいままでなかった音ですね。あと、アコースティックな感じの音は一度やってみたかったんですよね。

--「Getting There」は、すごくオンナのコらしい歌詞ですよね。

 この曲は初々しいというか、今、21歳の私にはない感じではあるんですね。まさに恋愛が始まった感じの、ピュアな十代のオンナのコを思い描いて書いた曲です。

--「ドリーマー」は香那さんというソングライターの方が書かれた曲で。

 私にはない世界観というか、私が書けないような、ホント女性らしい感じが……(笑)。いろいろ迷っても“夢を見る”っていういちばん大切なことを忘れないで、っていうメッセージが込められた曲なんですけど、こういう歌詞を書ける人ってステキだなって思いますね。

--コリーヌ・ベイリー・レイが作曲した「ICE & FIRE」は、穏やかで温かい曲ですね。

 これも3年ぐらい前にいただいた曲なんですけど、当時、歌えなくて泣いたことをよく憶えてます。表現が難しくて。コリーヌが歌ったデモを最初に聴いた時の衝撃もあったんですけど、自分とはぜんぜん違う歌唱法なんですね。私は強く力を張って歌うところがあるんですけど、コリーヌはイイ感じで力を抜いて歌ってる。対照的な歌い方なので、自分の歌い方ではこの曲は収まりきらない。で、その時に録ってくれたエンジニアさんが、それまでの福原美穂を捨てないと歌えない曲だと思う、って言ってくれて、3年という時を経てやっとレコーディングできる自信がつきました。

--さて、アルバムのタイトルは『RAINBOW』。どんな意味が込められているんでしょう?

 「CHANGE」のミュージック・ビデオをLAに録りに行った時、撮影当日の降水確率が80%で、まず間違いなく雨だって言われてたんですね。砂漠の中での撮影だったので、雨でどろどろになってたいへんだろうねって、前日にスタッフと話ながら、寝る前にはてるてる坊主を作ったんです(笑)。で、次の日、車で現場に向かっている時も案の定雲行きが怪しくて。でも、現場に着く30分ぐらい前から空がちょっとずつ明るくなっていって、空に虹がかかったんです。それを見たスタッフがみんな笑顔になって、なんか、新たなスタートを祝福してくれる感じというか、清々しい感じというか、その出来事があまりにもうれしかったんで、それをタイトルにしたんです。

--そんな“清々しい”アルバム『RAINBOW』をもって2009年がスタートしたわけですけど、新年にあたっての豊富を聞かせてください。

 とにかくライヴをやる。2008年もそれを目標にやってきたんですけど、シングルを4枚出して、アルバムのレコーディングもあって、同時進行でやってたんで、ライヴに対して100%になれなかったり、流れについていくのがたいへんだったりしたんですね。だから、今年はライヴはライヴ、制作は制作っていうところで活動できたらなって。とにかくライヴをたくさんやります!