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世界の楽屋から vol.21 GO-BANG'Sの楽屋から

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賢崇:「アイゴンさんは若い頃ムーンライダーズとか普通に聴かれてました?」

會田:「はい」

賢崇:「ホントすか?」

白井:「ウソでしょ?(笑)」

會田:「いやいやホントです! どっちかっていうと良明さんのソロアルバムを先に聴きました。あのロボットのジャケの(92年作『カオスでいこう』」

白井:「メカ良明の! そりゃ失礼しました」

賢崇:「やはりギタリストしてリスペクトするものが」

會田:「GO-BANG'Sの頃から、高い壁として」

白井:「持ち上げるのがウマいすね(笑)」

會田:「いえ、GO-BANG'Sのギターのオーディションに落ちたのもそうですけど……」

白井:「落ちたの!?」

會田:「そうなんですよ」

森若:「まだ十代だったんだよね」

會田:「僕、今45歳なんですけど、香織さんにとって僕は19歳のときのままで」

白井:「香織ちゃん年上なんだ?」

森若:「そう。5歳くらい」

賢崇:「その頃からプロ的な活動は?」

會田:「まだ全然。オーディションも初めてだったんですけど、ぼくその頃、よくコレクターズにくっついてて、そしたらフジパシフィック音楽出版の服部さんって方が“アイゴン、ギター弾けるんなら、GO-BANG'Sのオーディション行ってみない?”って勧めてくれて」

白井:「そういう人がいるんだよ。影の半蔵がね(笑)」

賢崇:「服部だけに……」

森若:「小さなコレクターズみたいなのがやってきたんですよ。モッズコート着てベスパ乗って。あっ、カワイイ~!て思って」

賢崇:「可愛かったのに、ハネたんですね!」

森若:「そのときはね、他に谷(信雄)さんがいらしたの」

賢崇:「あ、あの元ロッカーズの! 先輩が来たらね~」

白井:「谷さんて、あの大きい方? 亡くなられたんだよね~」

森若:「ねえ。だから順番としては、谷さんで良かったんです。でも、アイゴンはすごく可愛いし、顔もジャニーズ系みたいな、まだ子供みたいな感じだったから、それで〈夜のヒットスタジオ〉出るときにリハーサルで……」

會田:「突然電話かかってきて、ギターの方が自分のライブやった後で、地方から飛行機が飛ばなくなって出られないかもしれないから、フジテレビ来てくれる?って言われて」

白井:「夜ヒットとか、当て振り?」

會田:「当て振りですね」

白井:「おれも当て振りで紅白とか出たかったんだよなあ。したら、ダメですよ、ああいうのはプロがいるんだから、良明さん出ても絶対間違えるでしょ、て言われちゃった(笑)」

會田:「(笑)。で、リハ終わって、すげえ緊張して待ってたら、本番はギターの方が間に合って、出られなかったんです(笑)」

森若:「そうそう。リハーサルだけだったのよね。コウが間に合ったのよ」

白井:「ああコウって有頂天の人?」

森若:「そう、谷さんじゃないときは、コウのときもあって」

白井:「そういうのは物語だよねえ。それが後に木村カエラさんのプロデューサーにまでね」

賢崇:「二番手、三番手のギタリストだったのに」

白井:「それが今や、というね。サクセスストーリー」

賢崇:「アイゴンさんって良明さんと同じように、ギターを弾くだけじゃない、最初からプロデューサー志向の人じゃないかと僕は思っているんですが、そういう不遇な時代から(笑)、アンサンブルを見つめる視点みたいなのがあったんですかね」

會田:「それもGO-BANG'Sと関わって、朝本さんとかの影響があったのかもしれないですね」

森若:「朝本くんも最初はオーディションだったのよね」

白井:「オーディション多いね。なぎなた持って立ってたんだね。「合格っ!」とか言って(笑)」

會田:「まあ、僕は演奏して、すぐダメだろうなって思いましたよ(笑)。そのとき僕、カッコつけてダンエレクトロのヘンなギター持ってったんですよ。そしたら社長さんに「君、ストラトとかレスポールみたいな、ちゃんとしたギター持ってないの?」とか言われて(笑)」

白井:「あの頃、ビザールなギター持ってるのカッコ良かったのにね~」

賢崇:「なんかすごくイイ話というか、あのTV-CMの、バスケット部で3年間補欠だった……みたいな、そういう感じですね(笑)」

森若:「なんか、そういう補欠的なエピソードいっぱいあるよね~」

賢崇:「よく、そんな目に遭わせてたね! 可愛いって言ってたのに(笑)」

白井:「いや、誰にでもそういう時期はあるんですよ。僕もねえ、人に言えない話もありますよ! 賢崇さんもいろいろあったんでしょ?」

賢崇:「ぼくは今売れてませんから、今が下積みですよ! ま、今回のライブですが、リズム隊の2人も、アイゴンさんとずっとFOEとして活動してるメンバーですね」

會田:「もう10年くらいになりますかね~」

森若:「ドラムの小松(正宏)ちゃんはね、GO-BANG'S解散後のソロでずっとやってくれてたり、ベースの佐藤さんは良明さんと」

白井:「95年にSURF TRIPってユニットを作って。ものすごいベーシストがいるって言うんで、ちょうどマルコシアス・バンプがなくなるかってときですね。そこで佐藤さんと一緒にやって、それからずっと。だから、かなり長いですね」

森若:「なんか繋がるんですよね。ずっとミュージシャンやってると、みんなと繋がるって言うじゃないですか。でも、繋がらない人とは繋がらないのよね~。わたしの場合は、なんかこう“クチュッ”と繋がる感じなのよね~」

賢崇:「“クチュッ”って、森若さんらしいエロティックな表現で(笑)。アイゴンさんは結局、末期のGO-BANG'Sのステージには立ってるんですよね?」

會田:「そうですね。光子さんがいたときも、もうやってたましたよね」

森若:「最後のアルバム、光子が抜けた後とか、ほとんどアイゴンのバンドとあたし、みたいな」

白井:「その頃からもう、“ひとりGO-BANG'S”だったんじゃないの?(笑)」

森若:「そう(笑)。光子が抜けて、美砂も休みがち、みたいな。あたしと、当時アイゴンがやってたACROBAT BUNCHてバンドでやってたり。あとはRam Jam Worldでやったり」

賢崇:「まあ、もうバンドに飽きちゃってたのかわかんないけど、Ram Jam Worldはハウス的な展開でやってましたね! GO-BANG'Sを辞めるからああいう方向に行くのかと思ったけど、時期的に重なってた?」

森若:「全然、重なってます。まあ、朝本くん中心でやってたけど。今の人っていろいろやるじゃない? あたしは当時からそういう感覚があって、これを辞めてこっち、じゃなくて、いろんなこと同時進行でやってたんですけど」

賢崇:「アイゴンさんも、どっちにも参加してたんですね。自分の中で区切りみたいなのはあったの?」

會田:「まあ、自分はやっとプロになったみたいな達成感もないまま、朝本さんに誘われるままフラフラしてた感じなんで(笑)。プロ意識とかもなかったですねえ」

森若:「いや、あたしもそうなのかもしれないわ」

會田:「友達に借りたギター持ったままツアー回ったりしてましたから」

賢崇:「当時、他にギターで仕事とかあったんですか?」

會田:「モッくん(本木雅弘)やってましたよ。「東へ西へ」で、紅白とかそれで出ましたもん」

賢崇:「へえ!」

白井:「当て振りのプロとして出たわけだ?(笑)」

森若:「あたしもその頃、モッくんに歌詞とか書いてたわ」

會田:「そう、あのとき、紅白終わってギター持ってクアトロに行って、Ram Jam Worldやりましたよ」

賢崇:「GO-BANG'Sは紅白出ましたっけ?」

森若:「出てないんです」

賢崇:「あんなに売れたのに?」

森若:「でもー、すごく売れたときに、まわりのみんなが「絶対出るよー」って言うから、出るんだーって思って(笑)。みんなで、じゃあ衣装何にしようかしら、赤がいい?とか考えてたら、まったくお誘いがなかった(笑)」

賢崇:「レコ大は?」

森若:「いえ、賞とか何ももらってない! NAONのYAONも呼ばれないし、誰にも何も(笑)。よくプリプリやSHOW-YAと一緒ですよねとか言われるけど、全然一緒じゃないです。腹の括り方が違う。再結成するって言っても他のメンバーには「やらな~い」とか言われるし(笑)」

賢崇:「GO-BANG'S解散後は音楽やってない時期もあったんでしたっけ?」

森若:「いやあ、ソロはずっとやってましたよ。バンドよりもずっと長く」

賢崇:「その間にまたGO-BANG'Sを名乗るのは照れ臭い、みたいな感覚があったんですか?」

森若:「照れ臭いというより、なんとなく、あの2人の許可がないと。もともとあたしは最後に入ったメンバーだったんですよ。美砂と光子のバンドに入った感覚だったから」

賢崇:「最初はギターだったんですよね?」

森若:「さかのぼると、最初はバンドでギターの人が抜けて、あたしがちょびっとギターが弾けたんで、手伝ってって言われてやってたんですけど、ヴォーカルの人がソロでデビューしちゃったんで、代わりにヴォーカルやってたら、そのままデビューしちゃった、みたいな」

賢崇:「ギターといえば、最近は田口トモロヲさんのバンドにギターで参加してますよね」

白井:「トモロヲくんとやってんの?」

森若:「LASTORDERZっていうパンクバンドで、「スリーコードしか弾けないけど、いいの?」って言ったら「いいよー」って言われたんで(笑)」

賢崇:「ギタリスト森若として、このお二人のギタープレイに対する評価も聞きたいですね」

白井:「それはぜひ聞きたいもんだね(笑)。「ここはこうすんのよ!」とか言われたり(笑)」

森若:「いやぁ! もう、それは……まあ、ピアノだとするとお二人はグランドピアノで、あたしはおもちゃのピアノみたいなもので。でも、トモロヲさんはおもちゃのピアノでOKって言ってくれるんで」

白井:「どんな曲やってんの?」

森若:「まあ、大人パンクですね!」

白井:「トモロヲくんはね『アイデン&ティティ』って映画に出てて、そのなかで歌う曲を僕がやってたんだよね。それでさ、マイナーコード入れると怒るんだよ。スリーコードでいいです。ダビングしないでくださいとか(笑)」

森若:「ホントそういう感じで、ラモーンズみたいに、ワン、ツー、スリー!で始まってパンッて終わる曲。トモロヲさんのヴォーカルは鳥肌立つほどすごいから、メインはそこで」

白井:「トモロヲくんのアルバム、一度プロデュースしたこともあるんだよ。あれはマイナーがいっぱい入ってるんだよ(笑)。トーキング・ヘッズみたいなシャレたことやっちゃったから。好きかどうかちょっと不安だったな?(笑)」

森若:「良明さんはあたしのラジオの番組出てくださったとき、すごくイイことおっしゃったんですよ。自分はギタリストだからギターを抱えて「やあ、みんな」ってスタジオに入るんだけど、ああだこうだ言わず、その人たちのいいところを引き出してあげて、ギターも弾いたり弾かなかったりして、レコーディング終わったら長居はせずに「じゃあね」って、〈ギターを持った渡り鳥〉のようにスタジオを出て行く、それがプロデューサーだって(笑)」

白井:「そう、小林旭のようにね! みんなが幸せになって良かった良かったって振り返ったら、あら、あの人はどこ?って(笑)。アキラ的な振る舞いが、オレの美学であって」

森若:「あのバンドはおれが育てた、とかは言わないで」

白井:「「あばよ!」みたいな感じ? だから今までプロデュースしたバンドと一緒にライブやらなかったのかもしれないね。今は変わったけど」

森若:「あと、最近NHK Eテレの『大!天才てれびくん』って番組の曲を良明さんと一緒にやらせていただいたんだけど、スルッて入っていける音なんですよね」

白井:「やっぱニューウェイブ中期から後期を共にしてるからじゃない? そういうニュアンスの曲だから」

森若:「作詞家の仕事をしてても、曲をもらって、スルッと入れる人とそうじゃない人もいますからね」

賢崇:「GO-BANG'Sやろうって言ってて、副産物というか、二毛作のようにそんな作品もできていくとは、ずいぶん得してますよね~。せっかくだから、ついでにギターもこの2人から教えてもらって、3人でギター持ってステージ立ってみればいいのに」

白井:「それはいいね!」

森若:「いや、あたし、まず歌が全部歌えるかどうか(笑)」

白井:「GO-BANG'Sをこの3人にしちゃえばいいんじゃない?」

森若:「そうしましょう!」

白井:「“みつお”と“みさお”にしてさ(笑)」

森若:「そういう感覚です。GO-BANG'Sって名前が、さっき実家って言ったけど、場所というか、Ram Jam Worldで言うところの“HAPPY SPACE”?……恥ずかしいけど(笑)。あの頃のダンスフロアで言っちゃう感じの“Welcome to the HAPPY SPACE”。誰でも出入り自由みたいにすれば、ここからの音楽人生楽しいかなって?」

賢崇:「昔の良明さんがやったGO-BANG'Sの曲でツインリードギターを自分で重ねてたのを、今度のステージでは生で2人で再現できたりするんですね?」

森若:「良明さん、あれ、自分で「もう無理」とか言ってなかった?」

白井:「めんどくさいんだよ。まあ年齢に合ったフレーズを弾きますw」

森若:「私も、衣装とか今考えてるんだけど、昔のやつを彷彿とさせて「こんにちわー!」ってのも面白いけど~……必要以上に大人ぶって「どうも……」ってのも可笑しいし。今のまんま、お客さんもノスタルジックにもならずに、ここからお互い年を重ねていきましょう、みたいな」

賢崇:「しかし良明さんとアイゴンが並んでツインギターを鳴らしてる光景は、それだけで日本ロック史に残る感じしますよ」

森若:「あたしも見ちゃおうかな」

白井:「間奏長くすれば見れるね(笑)」

賢崇:「ロックぽくラウドに」

白井:「うん。そうするわ(笑)。リクエストとあらば」

森若:「GO-BANG'Sを素材にしていろいろやってくれたらいいですよ」

賢崇:「アイゴンさんもギターだけでなくプロデューサーとしてもね」

會田:「いや、僕もギターだけじゃなくプロデューサーとしても、さっき言ったように成り行きでフワフワ浮かびながらやってたんでw……良明さんの美学もぜひお聞きしたかったです」

白井:「俳優で言うと、アイゴンは誰なんだろね?」

會田:「ぼくは……カレーライスで言うとラッキョウみたいな存在で(笑)、アルバムの中のラッキョウの部分作らせてもらっていいですかね?みたいな」

白井:「まあ、それはアキラに近いと思うよ(笑)」

森若:「小林旭でラッキョウ?(笑)」

賢崇:「だけどその、若い頃に入りたくて入れなかったGO-BANG'Sに、今、プロデューサー的な視点で、当時の曲を再構築できるみたいな」

會田:「しかし、あの当時弾けなかった『無敵のビーナス』のソロがいまだに弾けなくて(笑)」

賢崇:「あれ?」

會田:「さっきツインリードって言われて、ちょっとビクビクしてるんです(笑)」

白井:「やろうよ。16分音符を8分にして、とか。4小節くらいでもいいから」

會田:「ま、あれが弾けなかったのが良くもありって感じなんすよ。あれが弾けなかったんで、別の道を探した、みたいな(笑)」

白井:「なるほど、分岐点になってたわけだね」

森若:「あのツインリードの音はKISSの『Detroit Rock City』よりイイなって思うくらい、今聴いてもドキドキします! 当時、GO-BANG'Sはちゃんと音楽的に認められてない感じあったけど、清志郎さんもイイって言ってくれたし、良明さんやアイゴンとかみんながやってくれてることにすごく自信があったから、何言われても「わかってないよな~」って思ってて、やっと今、認められる時が来たんですよ! ベスト盤出して、メロディとかアレンジとか歌詞とかキチンとしてるって言われるようになって、やっぱり私たちは早すぎた!(笑)」

賢崇:「もともとの森若さんの詞や曲が良かったから、いろんな人が一緒にやってくださったんですよね」

森若:「昔はGO-BANG'Sのルックスやイメージが可愛いとかキュートだとかで、音楽的に、詞とか曲とかホメられたことはあんまりなくて、周りで言ってくれた人たちと一緒にやってたと思うんですよ」

白井:「すべてのプロダクションがキャラクターと合ってたと思うよね」

賢崇:「最初からもう、世界が出来上がってる感じしましたもんね」

白井:「一番の印象として残るのは、傲慢さだよね(笑)。ゴーマンズ?(笑)……イイ意味で。ロックにはそういうの必要なの。傲慢さとか思い上がりとか。そういうのを総称して“なぎなた”って呼んでるんだけど。そういうのを持っていたというのが特徴ライズされてんじゃない?」

森若:「自信だけはありましたからね。誰に何を言われても、清志郎さんがイイって言ってくれたものが悪いわけないって」

賢崇:「ワガママな女の子の歌多いもんね! 他の女性歌手のような、男に裏切られてチクショーみたいな曲、GO-BANG'Sにはないじゃないですか」

森若:「ないですね! 私もGO-BANG'Sを客観的に見てるとこあって、どんな服着せたら一番似合うだろうとか、失恋しても、とりあえずアイツの悪口言っとけ、みたいな世界観というか」

賢崇:「森若さんも、素の森若ではなく、GO-BANG'Sをプロデュースしてる感覚ですね」

森若:「そういうとこありますね」

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スペシャルGO-BANG'Sショー

12/4(水)
渋谷・duo MUSIC EXCHANGE
open 18:30 / start 19:30
自由席 ¥5,500(ドリンク別)
立見 ¥5,000(ドリンク別)

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