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アン・ルイス Pink Christmas~23年ぶりのCheek To Cheek
■インタビュー/文:久保田泰平 ■撮影:本多元 掲載日:2007.11.1
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 「グッド・バイ・マイ・ラブ」「ラ・セゾン」「六本木心中」「WOMAN」――70~80年代において数多くのヒットを世に送り出していったロックンロール・ウーマン、アン・ルイス。90年代中頃から一時活動を休止していたが、2004年から活動を再開。ライヴ活動は控えているものの、復帰後はセルフ・カヴァー・アルバム2作をリリースしている。そしてこのたび、バラード・カヴァー集として80年に始まった〈CHEEK〉シリーズの第4弾(23年ぶり!)として、クリスマス・ソングを取り上げた『Pink Christmas~Pukkalicious CHEEK IV~』をリリース。同じくミュージシャンとして活動し、今作でデュエット共演を果たしている愛息、美勇士クンとともにインタビューに応えてくれた。
--ひさしぶりの〈CHEEK〉シリーズですけど、そもそもクリスマス・ソングを取り上げたきっかけは?
 アン「きっかけは単純なんですよ。スタッフから〈CHEEK〉をまたやらないかって言われて、それだったらクリスマスをやりたいっていう。クリスマス・アルバムっていうのは昔からやりたかったんですけど、なかなかやるタイミングがなくて、だったらこの機会にって感じで。」
--カヴァーされてるのは、いわゆるスタンダードなクリスマス・ソングばかりですよね。
 アン「歳取ったからね(笑)。若い頃だったら選ばなかったような曲も、この歳になれば良さもわかるしね。20年前に作っていたら、もうちょっとギターがロックしてたかもしれない(笑)。」
--ジョン・レノン「Happy Xmas(War Is Over)」のカヴァーでは美勇士クンとデュエット。
アン・ルイス & 美勇士 アン「まあ、私と美勇士の声質が似てるから、いちばん合うっていう意味で、すぐに声をかけたんですよ。」
 美勇士「お手軽ですからね、僕は(笑)。呼ばれれば「今から行きまーす」みたいな(笑)。」
--アルバムを作っていたのはいつ頃だったんですか?
 アン「8月のめっちゃ暑い頃(笑)。気分は出ないですけどね、そこはプロですから。でもね、ひとつだけクリスマスにバッチリ!みたいなシーンがあったんですよ。今回プロデュースをしてくれたフランクっていうのが私の幼なじみでもあるんですけど、彼のスタジオがシエラ・マドレっていう町の山の中にあって、そこでレコーディングしてる時、途中で一服しようかって庭に出てタバコを吸ってたら、鹿が歩いてたの! もう、クリスマス・アルバム作ってる時にバッチリじゃん!みたいな……まあ、クリスマスはトナカイなんだけど、角が付いていれば雰囲気的にはOKでしょ(笑)。」
--さぞ、レコーディングは楽しい雰囲気で。
 アン「でもまあ、正直、楽しむっていうことは誰もなかったと思うんですよ。いいモノを作ろうと思って、歌い手は音程のことしか考えてないし、ミュージシャンはよく弾こうとか、そういうことばかり考えてやっているから。でも、幼なじみのフランクだっていう部分では、ときどきムダ話もしながらね。まあ、ぜんぜん力は入ってないですよ。逆にそれがいいのかも知れないけど。」
--クリスマス・アルバムなんで、妙に力むのも……ですよね。
 アン「そう。こういうものって“聴く”ものじゃないと思うの。なんか、クリスマス・シーズンにショッピングモールとかどっかで勝手に流れてくるようなものだから。だから、何を基準に良いって言えばいいんだろう?って思っちゃいますけどね。英語で歌われてるクリスマス・アルバムだったら、洋楽の誰かを買えばいいのかなって思っちゃう部分もあるし、アン・ルイスがやる良さっていうのは何なんだろう?って。これを買ってくれる人は何を求めて買うのかな?っていうのは知りたいな。」
アン・ルイス--そういえばジャケットもぜんぜんクリスマスっぽくないし(笑)。
 アン「まったくクリスマスに関係ないでしょ(笑)。お店でいろんなクリスマス・アルバムといっしょに並べられてたら、すごく浮くよね(笑)。」
--ジャケットだけ見たら、ロック・アレンジのクリスマス・アルバムかと思いきや、アレンジはかなりオーソドックスに。
 アン「そうね。そういう裏切りは大好きなの(笑)。でも思うんですけど、スタンダードなクリスマス・アルバムって、毎年聴けるじゃないですか。クリスマスが終わったら絶対聴かないけど、次の年のクリスマスが来たら、また聴くじゃないですか。もちろんその次の年もね。そうやって聴けるためにも、アレンジをヘンに今風にしないでオーソドックスにしたつもりなんですけどね。たとえば、ビング・クロスビーやフランク・シナトラのアルバムを普通の人が買うことってそうないと思うんだけど、クリスマスになると彼らのクリスマス・アルバムを買ったりするでしょ? そんな感じで、普段はアン・ルイスのCDとか買うことがなかった人たちが手にとってくれるとうれしいかも。」
--ところで、クリスマスって素敵な想い出あります?
アン・ルイス & 美勇士 美勇士「実は、いまだクリスマスに恋人といっしょに過ごしたことがないんですよ(苦笑)。本当にたまたまなんですけど、クリスマスの時にはいない(笑)。だから、ここ最近は彼女のいない男同士で「呑みにいくぞ!」みたいな感じで。ロマンチックなクリスマスは過ごしたことがないんですよねえ。」
--本来、アメリカのクリスマスは、日本みたいにカップルのためのイヴェントじゃないですよね。
 アン「うん、カップルのものじゃないね、家族のものだね。日本は間違ってるもの多いじゃない? バレンタインときたらホワイトデーって、なにそれ?って(笑)。」
--そんなアンさんのクリスマスの想い出は?
 アン「美勇士との想い出と言えば、私もちっちゃい時にしてもらってたことなんですけど、クリスマス・プレゼントは25日の朝まで渡さないんですよ。サンタさんが来るのは24日の夜ですから。それで、25日の朝になったらプレゼントを渡して、空になったコーヒーカップと、ひとかじりしたクッキーをテーブルに置いておくの。で、「ほら、サンタ来てたよ」って。それをしばらくやってましたよ。」
アン・ルイス's PLAYLIST: レコードが擦り切れるぐらい聴いた曲
 
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アン・ルイス プレイリストの詳しいレビューとCDや楽曲購入
アン・ルイス リリース情報
アン・ルイスから届いたPukkaliciousなクリスマスアルバム!

Pink Christmas ~Pukkalicious CHEEK IV~ / アン・ルイス
『Pink Christmas
~Pukkalicious CHEEK IV~』
2007.11.21 ON SALE!!

発売元:Aer-born / Amuse
販売元:Victor Entertainment,Inc.
AZCL-10010 / ¥3,000(tax in)
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収録楽曲
01.Carol of the Bells (Overtrue)
02.Christmas Song
03.Happy Xmas (War is over)
(美勇士ボーカル参加楽曲)
04.Winter Wonderland
05.Let it Snow! Let it Snow! Let it Snow!
06.Have Yourself a Merry Little Christmas
07.White Christmas
08.Santa Baby
09.Blue Christmas
10.Rockin’ Around the Christmas Tree
11.I Saw Mommy Kissing Santa Claus
12.Pink Christmas
(オリジナル楽曲)
13.I’ll be Home for Christmas
★紙ジャケ復刻シリーズ
11.21 ON SALE!!

アン・ルイスが日本のロック・クィーンとして君臨した1980年代に発表したカヴァー・アルバム。この度「紙ジャケ復刻シリーズ」として、本作と共に再発が決定!

CHEEK / アン・ルイス
『CHEEK』
1980年11月21日発売
VICL-62656/ ¥2,500(tax in)
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<アン・ルイスによる作品紹介>
若くてバリバリやりたい時代に「声がバラードむき」と言われつづけ、17歳の時「GOOD-BYE MY LOVE」を出しました。その後いろんな方向、やりたいロックも出来たけど、やっぱりバラードが聴きたい、と言う人達の声が一杯あり、そんな人達のためにCHEEKを作る事になりました。何故CHEEK?チークダンスが踊れるバラード集だからです。
CHEEK II / アン・ルイス
『CHEEK II』
1982年2月21日発売
VICL-62657/ ¥2,500(tax in)
amazon.co.jpで試聴・購入する HMVで試聴・購入する

<アン・ルイスによる作品紹介>
ハッキリ覚えているのは、大滝詠一さんの曲「夢で会えたら」を英語でやって大成功だったこと。日本語の曲を英語に変えるとシックリこないことが多い中、これはバッチリだったね。アレンジャー達が大御所だったから気を使った覚えもある?!しかしさすが大御所!ストリングスのアレンジはメチャPRETTY!
CHEEK III / アン・ルイス
『CHEEK III』
1984年12月5日発売
VICL-62658/¥2,500(tax in)
amazon.co.jpで試聴・購入する HMVで試聴・購入する

<アン・ルイスによる作品紹介>
CHEEK3を作る話が出た時、ちょうどカレン・カーペンターが亡くなって一年ほど経ってた頃で、これはもう彼女に捧げるアルバムにするしかない!と思い、カーペンターズのバラードだけ集めました。ジャケットも私が一番カーペンターズを聴いていた頃の写真で絵を書いてもらい、彼女に捧げる曲「KAREN」は私が「何時か貴方みたいになりたい」と言う気持ちで書きました。