ROCK'A'TRENCH SPECIAL INTERVIEW 畠山 拓也[Trombone&Keyboard&more...]

■インタビュー:篠原美江 ■撮影:本多元 ■ヘア&メイク:Ryuuji SuMiDA ■制作:Astrograph
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 シングル「My SunShine」が絶好調のロッカトレンチ。そのメンバーひとりひとりにスポットを当てるスペシャル・インタビュー第ニ弾には畠山拓也(Trombone,Keyboard,etc,)が登場。山森と共にバンド創設メンバーである彼に、人としてバンドマンとしてのこれまでと現在の立ち位置、バンドの未来像までをじっくりと語ってもらった。その大胆なパフォーマンスの陰にあるストイックなまでの音楽への思い、なかなか表に出ることのない畠山のパーソナリティ、その一端が伝わればと思う。

ROCK'A'TRENCH

--「My SunShine」リリース以降は、さらに忙しくなったでしょう?

 今、すごく楽しいです。各地にライヴに行っても、僕たちのことを知っていてくれる人が増えたんだなっていうのを実感するんですよね。ライヴは元々好きだったし、楽しいものだったんですけど、お客さんと僕らの関係がどんどん強まってきていて。それがすごく嬉しいし、燃えますね、なんか。

--燃える。

 初めてライヴに来たっていうような若いお客さんが増えたんですよ。だから僕らがいいライヴをしないと、ライヴっていう文化とかライヴハウスっていう場所を好きになってもらえない。そういうプレッシャーと責任も感じます。ライヴっていいもんだなって思ってもらえれば音楽も盛り上がると思いますしね。

ROCK'A'TRENCH 畠山拓也--以前からのファンも巻き込んで、さらにその輪が広がるといいですよね。

 今回はドラマ主題歌だったし振り切ったものをやろうと思っていたので、とまどった人たちもいると思うんだけど・・・でも僕らはバンドで音楽をやっているわけだし、この1曲だけじゃないですからね。ライヴを観てもらえれば今までと何も変わってないのがわかってもらえると思うし、今まで僕らを応援していてくれた人にも変わらず応援してもらえるように、僕らも頑張らないと。

--SKA SKA CLUB時代とは考え方が変わりましたか。

 10代の後半から20代にかけて、ちょっとしたバンド・ブームだったんですけど、その頃は自分自身もトンがっていたし、トンがった音楽をやりたいと思っていた時期だったんですよ。露出したら負け!みたいな(笑)。でも今思うと、ただトンがってただけなんですよね。でも今は、〈何をやってもカッコいい〉っていうのがいちばんカッコいいことなんだって思うようになりましたね。多くの人に愛されながら、本物になる。なれるんじゃないかなあと思ってるんです。

--それはロッカトレンチが最初から目指していたものですよね。

 そうです。山森とバンドを作ったキッカケでもありますね。前のバンドで楽しいことは全部やった、やりきった感はあったんですよね。でも次にバンドをやるときは、今まで聴いてくれなかった人にも伝わる音楽をやろうと。今、ロッカトレンチはそのコンセプト通りに進んでいるんじゃないかと思いますね。SKA SKA CLUBは解散したわけじゃないし、今でも好きなバンドで、ある意味ロッカトレンチのライバルでもあるんですよね。若さもあったし、あそこで出した熱量っていうのは今では越えられない部分もあると思う。だから過去を捨てる、変えるというよりは、今の等身大で、今の僕らがやりたい音楽をやるっていう、それがロッカトレンチなんですよね。

--ロッカトレンチ結成まではどんな活動を?

 SKA SKA CLUBが休止したとき僕は大学卒業の少し前だったんですけど、音楽をやめるっていう選択肢はなくて、シンプルに「これからも音楽をやっていこうかな」と。でも僕はそのときまだトロンボーンしか吹けない、作曲もやってないっていう状態だったから、サポートなり、スタジオ・ミュージシャンなり、とにかくひとりで音楽をやるしかないなって思ったんですね。でもすぐになれるはずもなく、卒業してから半年間はとにかく楽器の練習とバイトしかしてなくて、本当にしんどい時期ではありましたね。何が辛いのかはわからないんですけど、何もなかったことが辛かったのかなあ・・・でもひとりでやると決めた以上は、楽器を上達しなければいけないっていう強い思いもあったし、ただひたすらストイックにプレイを突き詰めるっていう、辛い反面それが楽しくもあったんですけどね。その半年が過ぎる頃、SKA SKA CLUBとよく対バンをしていたWhat's Love?っていうバンドからサポートの声がかかったんですよ。そこからだんだんと横の繋がりも増えていって、2年くらいかな、サポート・ミュージシャンとして活動してました。でもその頃に出会った人たちが今のロッカトレンチの礎を築いてくれたようなものだし、今考えるとすごく意味のあった重要な時期だったと思いますね。

--畠山さんご自身が最初にミュージシャンを志したのはいつ頃なんですか。

ROCK'A'TRENCH 僕は小さい頃から音楽を志していたわけではなかったんですよ。トロンボーンを始めたキッカケは、中学の吹奏楽部の部活紹介でトロンボーンを吹く人を見たときに単純にカッコいいなあと思ったから。それも今考えると不思議なんですけどね。ただそのときは、いわゆる部活の雰囲気というか、みんなでひとつのことを成し遂げることの楽しさのほうが大きくて。自分には才能があるなんて微塵も思ってなかったですね。好きだからやってるっていうだけ。ミュージシャンになりたいっていうのは、夢みたいな希望としてはあったし、それ以外にやりたいこともなかったんですけど、なれるとはまったく思ってなかったです。ただ、大学に入ってからですね、一生やっていけるものがないとダメだなと思って。それで音楽以外のことも探してみたんですけど、やっぱり音楽がいちばん好きだったから音楽サークルに入って、それがSKA SKA CLUBに繋がっていくんですけど。ただそのときも音楽で飯を食うっていうことよりも、中高生の頃と一緒で「やるからには一生懸命やりたい」っていう気持ちのほうが大きくて。その感覚は今もあまり変わってない気がするんですけどね。生きることと生活することは別というか。それはメンバーの中でも僕だけが持ってる感覚なのかも知れないけど(笑)。

--目的ではあるけど手段じゃない。

 音楽をやるなら一生懸命やるっていう、それだけなんですよ、僕は。だから「メジャー・デビューしたい」っていう気持ちよりも、「カッコいい音楽をカッコよくやりたい」っていう気持ちのほうが強かった。でも音楽にはすごいパワーがあると思ってるし、何かを変えられるんじゃないかとも思ってるし、それがいちばんの原動力であることは間違いないです。そこに結果はついてくるものだと思うから、そこは真摯に頑張ろうと。

--畠山さん自身が「僕は音楽によって何かを変えられた」と感じたことはあります?

 僕、暗かったんですよ(笑)。中学高校の頃の多感な時期に、いろんなものに対して「なんなんだ?」って思うようになって、世の中を醒めた目で見るようになってしまったんですね。でも音楽に対してだけはそうなれなくて。そこだけはすごくメラメラしてたというか、そのエネルギーはもしかしたら意味はないかもしれないんだけど、そういう気持ちを音楽が僕に与えてくれたっていうのは大きかったですね。意味のないことこそに意味がある、みたいな。そうすると音楽をやってる自分以外、認められなくなってくるんですけどね。

--自分が音楽の神様に選ばれた人間だとは・・・

ROCK'A'TRENCH 畠山拓也 いや、1度も思ったことないです。でも音楽という道を諦めてしまった時点で自分は終わってしまうような気はずっとしてて。だから終わってしまいたくないから、一生懸命音楽を続けてるんだと思いますね。絶対にこれで十分だって納得することはないから、次へ次へと目標ができる。それが続く限り、モチベーションが下がることはないと思いますしね。

--トロンボーン奏者のみならず、キーボード・プレイヤーにもなってしまいましたからね。

 そう、鍵盤を始めたのはこのバンドになってからですからね。そのモチベーションは、中学でギターを始めましたっていう少年と同じようなものなんですよ。他のことにかまけてるヒマがないくらい(笑)鍵盤は頑張りました。楽しいし、でもそれ以上にもっともっと上手くならないと。小さい頃からクラシック・ピアノをやってたような人には敵わないし、僕の鍵盤はレゲエから始まっているので、そこをもっと掘り下げて、僕なりの鍵盤を目指したいですね。

--そもそもレゲエの入り口はどこからだったんですか。

 ボブ・マーリー辺りはもちろん知ってはいたんですけど、ドップリとハマリだしたのはフィッシュマンズとミュート・ビートですね。「なんなんだ?この音楽は!」と思って、そこからジャマイカの文化を掘り下げていって、究極のピースフルにぶち当たったんです。そのムーブメントも、ものすごくカッコいいと思いましたね。影響を受けているというか、醸し出す空気が好きなのは、やっぱりフィッシュマンズの佐藤さんかなあ。どこか捻くれている中にあるピースフルな雰囲気が、刺さりましたよね。

--お話聞いてると、ロッカトレンチのメンバーって個性がバラバラだなってわかります。

 ホントにバラバラですね。僕とオータケくんなんか好みが正反対だし(笑)。僕自身は、捻くれているのに不貞腐れてないポップなものが好きなので、音楽でもそういうことがやりたいし。だから摩擦もあるけど、それがバンドをやってる面白味だと思うんですよ。バンドって、ひとつ芯がある中で、好き勝手やるのが理想だと思うんですね。僕らでいう芯は山森の歌とポップな曲。そこにいろんな要素を出せると、もっとカッコいいものになると思ってるんです。でもまだ2年目なので、もっと5人がお互いに好きなように個性を出して、そのバランスがうまくとれるようになれれば、もっともっといい方向に変わっていけると思うんですよね。

ROCK'A'TRENCH 畠山拓也’s PLAYLIST: My Roots Music

ROCK'A'TRENCH 畠山拓也 プロフィール

畠山 拓也 [Trombone&Keyboard&more...]

1978.11.27生まれ A型 神奈川県出身

中学からトロンボーンをはじめ、大学在学中にスカコアバンド「SKA SKA CLUB」を結成、自身のキャリアをスタート。
音楽とマンガ(松本大洋)、タバコ、コーラをこよなく愛す。大槻ケンヂ氏をリスペクト。
多様な楽器を変幻自在に操りつつステージ上で繰り広げる、彼の個性豊かなパフォーマンスには圧倒される。

ROCK'A'TRENCHオフィシャルサイト

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