m-floの☆Taku Takahashiのバックアップで02年にデビュー。以後、自分名義の作品リリースはもちろん、m-floファミリーの一員として多くのコラボ作品、フィーチャリング作品に名を連ね、精力的に活動を続けてきた日之内エミ。彼女が12/3に前作から約5年ぶりとなるセカンドアルバム『ME...』をリリースした。タイトル通り、本作は彼女の(改めての)自己紹介的な一枚。彼女は優れたR&Bサウンドの作り手だが、音的には自分の持ち味をより幅広く、歌詞面では内面をより深く掘り下げた内容となった。油断してるとドキリとさせられる日之内エミのインナーシティブルース。ナメちゃいけないタフなアルバムだ。
いきなりで恐縮だけれど、日之内エミはもっと評価されてしかるべきシンガー/ソングライターだ。
デビューから1stアルバムまで「☆Taku Takahashiプロデュース」というラベルが貼られていたのが原因か。それとも童顔で小柄な体型が原因か。はたまた彼女のハイトーンな歌声が原因か。まあ、それらが互いに作用しあってもいるんだろうけど、ざっくり言っちゃうと彼女には「キャッチーなダンスナンバーを歌ってるキュートでガーリーなシンガー」というイメージが一般的だと思う。シーンでの立ち位置もR&Bというよりはポップス。醸し出すテイストも、苦い甘いで言えば、甘い。要はなんか「姫キャラ」なのだ。
だけれど。実の彼女は相当にスキルフルで、ソウルフル。肌はツルンとしてるけど作る音にはフックがあるし、メンタル的にもタフでアーティスト気質があって男っぽい(自作曲をデモ段階からMySpaceにサクサクあげちゃうなんてヒップホップ的行動でしょ?)。そう、彼女の本質は色眼鏡をかけてちゃわからないのだ。
たとえば音作りの話。セルフプロデュースもやれちゃう彼女だが、そのサウンドデザインは雑味の少ないすっきり味で、特にヒップホップ畑のプロデューサー・DJ Deckstreamとタッグを組むと、細かい音を重ねながらもそれをどっしりしたボトムで引き締めた好プロダクションを聴かせてくれる。そのタイトなトラックを華やかに盛り立てるのは、彼女の緻密なコーラスワーク。整合性の高いプロダクションとマッチする、分厚い声の壁を作り上げる。
メロディメイカーとしても非凡で、どの曲も耳馴染みが良く、しなやかなグルーヴを持っているのが特徴。その才は他者も認めるところで、m-floのlovesシリーズでは安室奈美恵の「Luvotomy」や倖田來未の「Simple & Lovely」のソングライティング&ボーカルディレクションも務めているのだ。
また、彼女はとても繊細な歌い回しをする歌い手。声が高いし透明度があるだけに、一聴、キンキンしてるようにしか聞こえないかもしれないけれど、歌の合間に漏れるブレスに味というか温かみがある。ブレスが肉感的。ブレスで聴かせる。これってソウルシンガーに欠かせない条件と思うのだ。
で、彼女のその魅力に気づいていたのは、やはり☆Taku Takahashi。彼が約4年ぶりにプロデュースした08年4月リリースのシングル「愛だけが」(本作にも収録)では、ストリングスとギターだけの極シンプルなトラックを制作(ドラムレスっていう音作りはシングルとしては画期的だと思う)。「歌」にフォーカスしたプロダクションで、見事、「ソウルシンガー・日之内エミ」を抽出した。それが呼び水となって本作の中〜後半には新味となるアコースティック調のナンバーも。これがとてもみずみずしいオーガニックソウルに仕上がっている。
歌詞に話を移すと、彼女は基本、女性特有の目線を活かした恋愛ソングを書くことが多い。女性が「そうそう!あるある!」と共感することウケアイの、特に恋の始まりの"そわそわ""どきどき""ワクワク""イライラ"といった心境をわかりやすく描き出すことに長けている。が、注意深く歌詞を読むと、表現は結構明け透けで、性的だったりも。本人も「最近みんなに、意外と日之内エミはイケイケな女なんだねって言われる(笑)」と笑う。
そんな中、今回のアルバムでは、旧友SOFFetとコラボした「Music Of Love」で音楽に対するアツい気持ちを吐露。カワイイだけじゃない、骨のあるところを見せる。また、自分の生い立ちの暗部をピアノ一本で歌った「Grow」も異彩を放つ曲。ここまでシリアス&ダークな表情は初めてだし、曲が孕む世界観はブルース的。これまで抱えていた悲しみや弱さを偽ることなく表現した彼女にはタフさ、強さを感じる。
「2作目なんだけど、間隔が空いたので完成したときの喜びとかは1stに近い感じです。ただ、内容的には1stのときには感じられなかった満足感が全然ありますね。5年間無駄に過ごしてきたわけじゃなく、かなり自分なりにいろんな収穫があったんで、そこを感じ取ってもらいたいです」
彼女ももう26歳。キュートさだけじゃなく、しっとりした部分とかオトナな面もあって当然。そんな日之内エミの新たな一面と面白味は、今作からひしひしと感じられるはず。続くインタビューで本当の彼女を知る言葉の数々をたっぷりと。
「最近、意外とイケイケな女なんだねって言われます(笑)」
いきなりで恐縮だけれど、日之内エミはもっと評価されてしかるべきシンガー/ソングライターだ。
デビューから1stアルバムまで「☆Taku Takahashiプロデュース」というラベルが貼られていたのが原因か。それとも童顔で小柄な体型が原因か。はたまた彼女のハイトーンな歌声が原因か。まあ、それらが互いに作用しあってもいるんだろうけど、ざっくり言っちゃうと彼女には「キャッチーなダンスナンバーを歌ってるキュートでガーリーなシンガー」というイメージが一般的だと思う。シーンでの立ち位置もR&Bというよりはポップス。醸し出すテイストも、苦い甘いで言えば、甘い。要はなんか「姫キャラ」なのだ。
だけれど。実の彼女は相当にスキルフルで、ソウルフル。肌はツルンとしてるけど作る音にはフックがあるし、メンタル的にもタフでアーティスト気質があって男っぽい(自作曲をデモ段階からMySpaceにサクサクあげちゃうなんてヒップホップ的行動でしょ?)。そう、彼女の本質は色眼鏡をかけてちゃわからないのだ。
たとえば音作りの話。セルフプロデュースもやれちゃう彼女だが、そのサウンドデザインは雑味の少ないすっきり味で、特にヒップホップ畑のプロデューサー・DJ Deckstreamとタッグを組むと、細かい音を重ねながらもそれをどっしりしたボトムで引き締めた好プロダクションを聴かせてくれる。そのタイトなトラックを華やかに盛り立てるのは、彼女の緻密なコーラスワーク。整合性の高いプロダクションとマッチする、分厚い声の壁を作り上げる。
メロディメイカーとしても非凡で、どの曲も耳馴染みが良く、しなやかなグルーヴを持っているのが特徴。その才は他者も認めるところで、m-floのlovesシリーズでは安室奈美恵の「Luvotomy」や倖田來未の「Simple & Lovely」のソングライティング&ボーカルディレクションも務めているのだ。
また、彼女はとても繊細な歌い回しをする歌い手。声が高いし透明度があるだけに、一聴、キンキンしてるようにしか聞こえないかもしれないけれど、歌の合間に漏れるブレスに味というか温かみがある。ブレスが肉感的。ブレスで聴かせる。これってソウルシンガーに欠かせない条件と思うのだ。
で、彼女のその魅力に気づいていたのは、やはり☆Taku Takahashi。彼が約4年ぶりにプロデュースした08年4月リリースのシングル「愛だけが」(本作にも収録)では、ストリングスとギターだけの極シンプルなトラックを制作(ドラムレスっていう音作りはシングルとしては画期的だと思う)。「歌」にフォーカスしたプロダクションで、見事、「ソウルシンガー・日之内エミ」を抽出した。それが呼び水となって本作の中〜後半には新味となるアコースティック調のナンバーも。これがとてもみずみずしいオーガニックソウルに仕上がっている。歌詞に話を移すと、彼女は基本、女性特有の目線を活かした恋愛ソングを書くことが多い。女性が「そうそう!あるある!」と共感することウケアイの、特に恋の始まりの"そわそわ""どきどき""ワクワク""イライラ"といった心境をわかりやすく描き出すことに長けている。が、注意深く歌詞を読むと、表現は結構明け透けで、性的だったりも。本人も「最近みんなに、意外と日之内エミはイケイケな女なんだねって言われる(笑)」と笑う。
そんな中、今回のアルバムでは、旧友SOFFetとコラボした「Music Of Love」で音楽に対するアツい気持ちを吐露。カワイイだけじゃない、骨のあるところを見せる。また、自分の生い立ちの暗部をピアノ一本で歌った「Grow」も異彩を放つ曲。ここまでシリアス&ダークな表情は初めてだし、曲が孕む世界観はブルース的。これまで抱えていた悲しみや弱さを偽ることなく表現した彼女にはタフさ、強さを感じる。
「2作目なんだけど、間隔が空いたので完成したときの喜びとかは1stに近い感じです。ただ、内容的には1stのときには感じられなかった満足感が全然ありますね。5年間無駄に過ごしてきたわけじゃなく、かなり自分なりにいろんな収穫があったんで、そこを感じ取ってもらいたいです」
彼女ももう26歳。キュートさだけじゃなく、しっとりした部分とかオトナな面もあって当然。そんな日之内エミの新たな一面と面白味は、今作からひしひしと感じられるはず。続くインタビューで本当の彼女を知る言葉の数々をたっぷりと。


