ARTISAN de la MUSIQUE

ARTISAN de la MUSIQUE 2009年1月号 - P.04



『シェルブールの雨傘』から『ロシュフォールの恋人たち』デジタルリマスター版の日本公開にあたって、2作品の監督ジャック・ドゥミの伴侶にして映画監督のアニエス・ヴァルダからコメントを、そして2作品で主演を務めたカトリーヌ・ドヌーヴの本邦初公開のインタビューを紹介します。


ジャック・ドゥミと<br /> ミシェル・グラン私にとって「シェルブールの雨傘」と「ロシュフォールの恋人たち」の 2作品は、ジャックの作品のなかでも光輝く宝石です。

その2作品が美しくよみがえり、しかも初めてデジタル・リマスターされて上映されるのは、この上もない喜びです。

デジタル環境に慣れている若い世代もこの作品を見てくれることを、そしてこの作品を見てくださる皆様がジャックの映画に対する愛と情熱、彼のユニークな才能を理解してくださることを心から願っています。

アニエス・ヴァルダ



ジャック・ドゥミについて
----------------カトリーヌ・ドヌーヴによる回想

ジャック・ドゥミとの関係
 10代の頃は映画に何の興味もなく、私は、偶然映画に関わっていただけでした。 姉は演劇からスタートするという、非常に正統な手順を踏んでいましたが。 私が最初にやったのは、姉のそばでその妹を演じるというものでした。 そんなこともあって、ジャック・ドゥミに会うまでの私は、常に自分はおまけのような気持ちだったのです。 ジャックとの出会いが、映画は特別なものになり得るということを、私に認識させてくれました。 特定の映画に私を真剣に望んでくれる人と、"プロ"としての関係を始めた時が、(私にとっての映画が) ただの偶然であることの終わりでした。ドゥミは 1960年の 「L'Homme à femmes」 にダニエル・ダリューと一緒に出ていた私を見たのです。

「シェルブールの雨傘」について
 ジャックからのオファーがあったのは、映画が実際に作られるよりもかなり前のことでしたが、私が妊娠したため、撮影は延期せざるを得ませんでした。

 そして 「シェルブールの雨傘」 に出演した後、映画は私にとって"情熱"となったのです。

 「シェルブールの雨傘」がミュージカルであったことも、大きな理由だと思います。 低予算でしたが、それが却って良かったのではないでしょうか。 作品に関わっている全ての人が、あらゆることをしなくてはならず、私はジャックと長い時間を一緒に過ごすことになりました。 私は全てのレコーディングに参加し、映画音楽にも関わりました。 でも、その直後に私の妊娠が判り、それでジャックは撮影を延期したのです。 撮影が始まったのは、私の出産から 2ヵ月後のことでした。

 女優としての仕事以外に、監督としての仕事にも関わりました。

 なぜなら映画にとって、撮影に向けての準備は、製作作業の半分を占めることだからです。 それは映画が撮られる前に作られる、1つの作品と言ってもいいでしょう。初めて音楽を聞いた時、そこに何の映像がなかったのにも関わらず、皆がとても感動したことを覚えています。

 ジャックはとても要求の厳しい人でしたが、同時にとても恥ずかしがり屋で笑うことの好きな人でした。 私は、彼と仕事をしていくうちに、そこに自分の居場所を見つけたのです。 映画を制作するというのは馬鹿げたことでもあり、しかし、私にはそれが非常に魅力的でした。全てがとても特別なことに思えたのです。 そして、私がジャックにとって不可欠な存在である、と考えているのを、感じていました。 映画は、何か変わったことをやりたいと考える人たちの出会いによって、生まれるのかも知れません。私にとっては、ジャックと働いたことで、何かが完全に変わりました。 映画との関係における深いところで、何かが起こったのです。

アルノー・デプレシャンによるインタビューより抄訳




【音楽職人トピックス】



濱田高志による
<マンスリー公開講座>のお知らせ。


TV AGEシリーズ監修・濱田高志が、2010年1月より、池袋コミュニティ・カレッジに於いてマンスリー公開講座を開催しています。
詳しくは、こちら

<公開講座>
『ヒットメーカーが語る作品誕生秘話』

テレビ・映画音楽からアニソン、歌謡曲にCMソングまで、職業作家が様々な分野で発表した作品を、作家自身の証言と共に検証する特別講座。テーマに沿ったゲストを交え、名曲誕生の瞬間に迫ります。
【講師:濱田高志】

2012年1月28日(土)18:30~20:30
『孤高の作曲家・平岡精二』
作編曲家にしてヴィブラフォン奏者の平岡精二の活動を網羅的に辿る特別講座。未CD化曲を中心に自作自演、提供曲、映画音楽などをたっぷり紹介します。

2012年2月25日(土)18:30~20:30
『生誕80周年記念集中講座:
ミシェル・ルグランその活動の軌跡[1[』

2012年に生誕80周年を迎える作曲家ミシェル・ルグランの活動をジャズ、映画音楽、提供曲など全てのジャンルを網羅しながら時系列に沿って辿る集中講座(全5回)。第1回はデビューから60年代初頭までの活動を振り返ります。

2012年3月17日(土)18:30~20:30
『生誕80周年記念集中講座:
ミシェル・ルグランその活動の軌跡[2]』

第2回は「シェルブールの雨傘」を中心に貴重なデモや関連楽曲を映像と共に紹介。

池袋コミュニティ・カレッジ
(豊島区南池袋 1-28-1
西武池袋本店別館 8・9階)

●受講お申し込みに関する詳細は、 池袋コミュニティ・カレッジHPをご覧ください。
また、お電話でのお問い合わせは、03-5949-5486まで。
濱田高志(ハマダ タカユキ)
音楽ライター兼アンソロジスト。これまで国内外で企画・監修したCDは300タイトルを数える。現在は「イージーリスニング・ステーション」(USEN)の選曲や「エキスポ・ジェネレーション」、「濱田高志のトレジャー・ミュージック」(STAR digio)のパーソナリティを担当。ミシェル・ルグランからの信頼も厚く、世界初の公認本「ミシェル・ルグラン風のささやき」(音楽之友社)を執筆したほか、「コカ・コーラCMソング データブック」(ジェネオン)「Love Sounds Style読本」など編・著作多数。2007年、ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ『フル・サークル』をコーディネイト。

詳しいプロフィールはコチラ


濱田高志ロングインタビュー
(2007年2月掲載)

濱田高志 監修・選曲・解説
「TV AGE」シリーズ公式HP


ARTISAN de la MUSIQUE