UNCHAIN Special Interview

これからの新しいソウルミュージックを目指して

2007年、メジャーデビューを果たし、10代から40代まで幅広い音楽ファンのハートを射止めたUNCHAIN。ロック、パンク、ソウル、ジャズ、J-POPと様々なジャンルのテイストを融合させながらも、決して複雑にならず、洗練されたメロディーと軽快なグルーヴで聴くものに爽快感と潤いを与えてくれる音楽が彼らの特徴だ。そして、2009年のスタートを飾るに相応しい2枚目のフルアルバム『Music Is the Key』が完成した。前作は自己紹介的な意味合いが強かった分、今回はどれだけ新たな領域にチャレンジできるかが大きなポイントだったと語るヴォーカルの谷川正憲に、あらためてバンドのことからじっくり話を聞くことにした。


--MUSICSHELFでは昨年からメンバー全員のプレイリストを紹介させてもらっていますが、メンバーそれぞれの音楽的なルーツや趣向が結構違いますよね。そんな4人がUNCHAINというバンドを組んで、どんな変遷を辿ってきたのかすごく興味があるのですが

バンドを結成したときは中学生だったので、当時好きだった音楽をそのままコピーして演奏していました。僕は当時LUNA SEAやX JAPAN、ブルーハーツも好きで、ライブでやってましたよ。そして高校になってHi-STANDARDやREACHといったメロコアが好きになって、特にREACHに出会ってから大きく変わりましたね。彼らの斬新さや今までにない新しい事にチャレンジする姿勢にものすごく影響を受けまして、そこからずっとロックを軸にREACHのやっていたような斬新なやり方を取り入れる事で、何か新しいものが生まれるんじゃないかなと常に思いながら今もやっている部分がありますね。

--ソウルやファンクなどを取り入れたのは?

今から4~5年前になりますが、ブラックミュージックがすごく好きになりまして、ああいうリズムやグルーヴを取り入れてみたいと思ったんですね。そこで、僕の方からみんなに<やってみよう>と提案しました。今まで僕たちはそういう音楽をやった事がなかったので、まさにゼロからの出発というか、かなりチャレンジでしたね。現在のスタイルを確立したのもこの頃でしたね。

--実際どのようにブラックミュージックとロック、パンクを融合させていったのでしょう

僕は最初、ブラックミュージックをそのままやってみたかったんです。でもあのグルーヴをそのまま出すのはちょっとハードルが高過ぎるなと。そこで、みんなで考えて、UNCHAINの特徴として、唄はソウルフルにメロディーはストレートに行こうと。でも、音楽自体は(様々なジャンルを融合して)わざと難しい方向にチャレンジしてみようという、一見、わがままなんですけどね(笑)。例えば作ってきたフレーズをみんなに聴いてもらい、その"唄"から外れないように、だけどもストレートになり過ぎないようにという、ここはもう僕たちの感覚でしかないんですけど、お互いのジャンルが寄り過ぎないように、その"UNCHAINらしさ"というか、全体のバランスを常に考えながら曲を作っています。

--10代から40代まで、ライブを観に来るお客さんの年齢層も幅広いですよね。

観に来てくれるお客さんの年齢層は広がりましたね。若いファンは新鮮な感覚を持ってくれますし、40代くらいのお客さんは懐かしさみたいなものを感じて聴いて頂いたり、僕たちはそういう部分は全然、意識しないで曲を作り、演奏をしているので(こういう状況は)とても不思議な感じがします。

--やっぱりライブはバンドとして一番重要ですよね。

そうですね。ライブは僕たちにとってすごく大切で、まだまだ試行錯誤しながらですが、お客さんとの一体感や場の雰囲気作りという部分は、常に心がけています。僕たちの曲は色んなタイプがあるので、例えばオリジナルはソウルフルな曲なんだけど、ライブではちょっとロック寄りに演奏してダイナミック感を出していくとか、曲ごとに演奏の仕方に工夫を凝らしながら"モード"に変化を持たせています。








--それでは、今回のアルバム『Music is the key』についてお聞きします。昨年末より3作連続で初の日本語歌詞でのシングルをリリースするなど、今までにないチャレンジをされていますが、今回どんなテーマで作品を作ったのですか。

前回のアルバム『rapture』はこれまでのUNCHAINとしての集大成的なアルバムとして作ったので、2枚目は、新しい挑戦をしたいとずっと思っていたんです。その中で初の日本語歌詞の曲にトライしたという事がバンドにとって大きな転機でした。

--ずばり聞きますが、今まで全曲英語歌詞が特徴だったUNCHAINが、なぜ今あえて、日本語の歌詞にチャレンジすることになったのでしょうか。

もともと洋楽への憧れもあり、メロディーを一番聴いてもらいたいという事で英語詞の曲を書いているんです。日本語の歌詞は僕たちの音楽にのせるとちょっとダイレクトにメッセージが届き過ぎる感じがして、今まで少し抵抗があったんです。で、なぜ今回、その日本語歌詞にチャレンジしかと言いますと、自分たちが納得するもの、満足するものを作る事を最優先に活動していたデビュー当時とは違い、発信する側として、もっと僕たちの音楽を伝えたいという気持ちがすごく強くなったんですね。僕たちの曲を聴いてもらえるお客さんも増えてきて、みんなとわかり合いたい、そういう気持ちが出てきたんです。

--なるほど、それで日本語歌詞の必要性を感じたという事ですね。実際、日本語歌詞で唄ってみて、今までとの違いはありましたか。

感情の入れ具合が違いましたね。英語詞の曲は感情を入れて唄うために、一旦、日本語に訳してそれをチェックしながら再び英語で唄うという作業を行っているんですけど、日本語詞は良い意味でも悪い意味でもそのままストレートに感情を入れられるというのがやってみて感じた事ですね。唄いまわしも英語と発音が違うので、唄い方自体ちょっと変化を持たせました。

--前回はインディーズ時代からの集大成的な曲も入っていましたが、今回は全て新たに書き下ろしたのでしょうか。

4曲目の「Brighter Days」、6曲目の「Fly In The Blue Moonlight」、8曲目の「Farewell blossom」は『rapture』のときに作った曲で、残りはツアー中、ツアー後に作った作品です。全部で30曲以上作り、10曲に絞りました。曲作りは今までと変わらないんですが、生まれてきた曲自体が今回伝える先が見えた事で輪郭のハッキリした濃厚なものが出来上がったと思っています。

--あきらかに前回よりも1曲1曲の顔がはっきり見えて、10曲それぞれに特徴を持った作品が揃っていますね

今回は極端ですね。同じバンドがこれほど極端にやっているというのはどうなんだろうと思いましたが、1曲1曲にそれぞれ散りばめながらも、全て濃密で深みや重みを増すことができたと思っています。

--前回同様、曲作りは全て谷川さんが担当されたのですか。

今回は、ギターの佐藤くんが1曲目の「Good Morning」、6曲目の「Fly In The Blue Moonlight」、8曲目の「Farewell blossom」の3曲を担当しています。佐藤くんはJ-POPからエリック・クラプトンやジョージ・ベンソンまで幅広く音楽を聴いていて、僕が持っていないメロディセンスというかそういうものを持っていて、今回の曲にも反映されたと思っています。基本的には2人で曲を上げて、バンドで仕上げていきました。

--ちなみに曲はいつもどのように作っているのですか

僕はいつも浮かんだメロディーを携帯電話に録音して作っているんです。むしろギターを弾いていないときに浮かぶことが多くて、例えば自転車に乗っているときとかシャワーを浴びているときとかによく浮かびますね。

--3曲目の「Turn Off The Light」はギターカッティングの掛け合いが絶妙ですね。

ドラムの吉田くんが叩くロック色の強いリズムと、ファンキーなギターの掛け合いという、こういう融合感というか、こういう曲こそ、UNCHAINらしいと僕は考えています。

--6曲目の「Fly In The Blue Moonlight」、9曲目の「Tonight's The Night」など、よりブラックミュージック色の強い曲が今回入っています。

「Fly In The Blue Moonlight」は佐藤くんらしさの出た、ポップなメロディーに仕上げながらも、結構黒っぽい曲に寄ってますね。「Tonight's The Night」は、僕の中で思い入れがあって、アース・ウインド & ファイアーやアイズレー・ブラザーズのような唄い方で"ミドルヴォイス"というのですが、裏声と地声を混ぜた発声技法に今回チャレンジしているんです。

--7曲目の「All Sincerity」、8曲目の「Farewell blossom」は先ほどとは対極の"和"のテイストが非常に感じられる作品です。

そうですね。この辺は、それこそ、僕が昔ヴィジュアル系にはまっていた頃に戻った気分で書いてみた曲です(笑)。もちろん、そのままではなく僕たちならではの変化を持たせたところが特徴ですね。

--10曲目の「Places In The Heart」は"JAZZ"やってますよね。

最初アコースティックの弾き語りで1分位の曲にしたらどうかなと思ったんですが、やってみると<これ、ジャジーな感じに合うよな!>と。僕は何か閃いたら、もう最後までやらないと気がすまない性格なんですね。音階やコード進行さらにはアドリブであったり、色々と難しかったのですが、何よりも面白いことがやってみたいという事が原点にあって、出来上がった曲です。

--あらためてこのアルバムを作って感じた事はありますか

最近なぜ自分が音楽をやっているのかという自分への問いかけに答えが出てくるようになったんです。やっぱり音楽の楽しさを伝えたくて、その音楽の力を信じて自分が伝えられる事は僅かかもしれないけど、それを続けていく事が大事だと思ったんです。それこそがソウルミュージックなんじゃないかなと。70年代の焼き増しではなく、今の時代の新しいソウルミュージックを作れるんじゃないかなって信じています。

--最後に2009年の抱負を聞かせてください

これからも常に新しい挑戦を続けていきたいというのはありますし、日本語歌詞もやってみてあらためて日本語の素晴らしさや難しさ、面白さというのが感じる事ができたので、よりこのアルバムのフィーリングを広く伝えていきたいですね。これからも10年後に聴いても新鮮だと思えるような作品を作っていきたいと思います。ライブもどんどん楽しんでやっていきたいですね。
 

<取材・文:MUSICSHELF編集部 福嶋剛>


Music is the key
『Music is the key』
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Fluctus
【初回限定生産(CD+DVD)】
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【通常盤(CDのみ)】
RZCF-77012 / ¥2,520(tax in.)



【収録曲】
[ CD ]
1. Good Morning
2. Across The Sky
3. Turn Off The Light
4. Brighter Days
5. stillness in the wind
6. Fly In The Blue Moonlight
7. All Sincerity
8. Farewell blossom
9. Tonight's The Night
10. Places In The Heart

[ DVD (初回限定生産盤のみ)]
Music Video
1. Across The Sky
2. stillness in the wind
3. Brighter Days

UNCHAIN Spring Tour 2009
“Music is the key”


3/ 6(金)京都MUSE
3/ 7(土)神戸STAR CLUB
3/10(火)鹿児島SR HALL
3/11(水)熊本DRUM Be-9
3/13(金)長崎DRUM Be-7
3/15(日)大分T.O.P.S
3/16(月)周南TIKI-TA
3/18(水)米子BELIER
3/19(木)岡山CRAZY MAMA 2nd Room
3/23(月)高松DIME
3/25(水)松山SALONKITTY
3/28(土)高知X-pt.
3/29(日)徳島JITTERBUG
4/ 1(水)横浜BAYSIS
4/ 2(木)千葉LOOK
4/ 4(土)水戸LIGHT HOUSE
4/ 5(日)HEAVEN'S ROCK
     さいたま新都心VJ-3
4/10(金)郡山CLUB#9
4/11(土)盛岡CLUB CHANGE
4/12(日)弘前Mag-Net
4/17(金)広島NAMIKI JUNCTION
4/19(日)滋賀Bb
4/20(月)浜松MESCALIN DRIVE
4/22(水)HEAVEN'S ROCK 宇都宮VJ-2
4/28(火)新潟CLUB JUNK BOX mini
4/29(水)長野J
5/ 2(土)金沢VANVANV4

ワンマン公演決定!!

5/22(金)赤坂BLITZ
5/24(日)仙台CLUB JUNK BOX
5/27(水)札幌KRAPS HALL
5/30(土)福岡DRUM Be-1
6/ 2(火)名古屋CLUB QUATTRO
6/ 5(金)心斎橋BIG CAT

詳しくはオフィシャルHPで

UNCHAIN(アンチェイン)
4人全員、京都府京丹後市出身。1996年、中学の同級生だった谷川、谷、吉田で結成され、後に1年後輩の佐藤が加 入。大阪に進出し本格的に活動を開始する。Jazz/Blues/Fusion/Soul/Funk/Rock/Popsなど幅広い音楽を吸収し独自 のグルーヴ・ロックへと昇華させる咀嚼能力、パフォーマンスにおける演奏力やヴォーカル谷川のソウルフルかつ クリアなハイ・トーン・ヴォイスなど、その高い音楽性が噂となり関西の音楽関係者や耳の肥えたオーディエンス から徐々に支持を集め始める。2005年6月、1st mini album『the space of the sense』をリリース。TOWER心斎橋 店でのインディース・チャート1位をはじめ大阪を中心とした外資系CDショップでも軒並みチャート・インを果た すなど、無名の新人にも関わらず、現在までに1万枚以上を売り上げるロング・セラーとなっている。2006年7月に は2nd ミニアルバム『THE MUSIC HUMANIZED IS HERE』を発表。2007年1月にメジャー第1作目となる『departure』 をリリース。各地のパワープレイを次々と獲得。オリコン・デイリー・チャート初登場34位、ウィークリーでも55 位と大健闘した。同年8月にはメジャー第2弾となるミニ・アルバム『rejoice』を発表。より洗練されたオリジナル な音楽性が各方面で高い評価を得た。ライブの評判も高く、昨年末には冬の最大フェスROCK IN JAPAN 07/08に出演 し、初出場ながらも満員となった会場をそのグルーヴと歌声で魅了し、観客の間での話題となった。ロック・バン ドとしては非常に高い音楽 IQを持ちながらも、キャッチーなポップ・センスも同時に兼ね備え、若い世代はもちろ ん、年齢・性別、洋邦の垣根を越えてすべての音楽ファンの心を掴み得る可能性に満ちた存在である。

オフィシャルHP
http://fluctus.jp/unchain/index.html