2008年12月25日
中野サンプラザホール
スキップしながらクルクルと回りながら手拍子に乗って登場した童女のような人は、遠い国の歌で聴かせた可愛らしい歌声を、「蛍星」で一瞬にして一変させた。なんと慈悲深い声。
土星の環っかと満天の星がきらめくステージも美しいが、何かが憑依している、何かが彼女を突き動かしているとしか思えないパフォーマンスと、心からの思いを込めた歌。
それだけあればいいとさえ思う。

恒例となった『冬のハイヌミカゼ』。
今回は新作『カッシーニ』ツアーとドッキングした特別なプログラムだ。
観客への気さくな呼びかけはもとより、亡き上田現のこと、奄美の子供時代のこと、自ら選んだ人生について、彼女はいつも以上に客席に語りかけた。
あなたに届けたい。私の声で届けたい。
その思いはファンからのリクエストを受けて選ばれたというスペシャルなメニューにも、故郷の島唄にも強く滲んでいたように思う。
ときに柔らかな幸福感をたたえながら、曲の世界にのめり込みながら、ときには祈りを捧げるように、20篇の曲の中で彼女は旅をしていた。
アンコール。
全身で観客に向き合った「空に咲く花」でかけられたおまじないは効くのだろうか。
「手を振ったらもっともっと幸せになれるよ!」
なぜだろう、信じてしまった。今もずっと信じている。




