ARTISAN de la MUSIQUE

ARTISAN de la MUSIQUE 2009年2月号 - P.03



--〈TORNADO BASE〉での取材から数ヶ月経ちますが、その後、破竹の勢いですね。今回は様々なアーティストへの楽曲提供から自身の作品リリースにワンマンライヴ、さらには筒美京平さんとのコラボレーションまで、この数ヶ月の活動を時系列に沿った形で伺います。
最近、コンスタントな楽曲提供のお仕事が続いていますが、楽曲を提供される方とはどの程度ディスカッションされますか。


ものによりますね。あとはお互いのスケジュール次第です。例えば平野綾さんの場合ですと、シングル「MonStAR」(07年12月)の時も、アルバム『RIOT GIRL』(08年7月)に収録された「曖昧スクリーム」の時も、ご本人と直接打ち合わせをさせていただく機会がありました。

--楽曲提供したあともその方々の動向に目配せしていますか。

してますね。平野さんは、三ヶ月連続シングル以降、より彼女自身の好みの音楽性に向かっている印象があります。イレギュラーなチームとのシングルでも、ひとたび彼女のライブのセットリストに入ってしまうと、すんなり彼女色の一連の流れとして聴かせてしまうというか。

--で、続く提供曲が中川翔子さんの「続く世界」と「through the looking glass」のカップリング(08年9月)です。「続く世界」が映画『劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇』主題歌で、「through the looking glass」が不二家「LOOK ア・ラ・モード」CMソングというタイアップシングルでした。まずはTV-CF映像も印象的な「through the looking glass」について。あれは曲が先にあったんですか。

そうです。曲を書いてらっしゃるのが磯崎健史さんなのですが、実は磯崎さんが詞曲を書かれたアテナ&ロビケロッツの「青春!LOVEランチ」のカップリングが、私が詞曲を書いた「夕暮れ☆シャーベット」という曲だったこともあるんです。

--磯崎さんとお会いしたことは?

実はまだお会いしてないんです。作家同士が会う機会って意外と少ないんですよね。もちろん直接お会いできたほうが楽しいなと思うんですけど、皆さんお忙しいくていらっしゃるので、なかなかお会いする機会がないんです。もともと知り合いだったり友達だったりするとメールや電話で直接やりとりしちゃったりもしますが。
 「through the looking glass」は、まず最初にいただいたデモの段階で既に大好きな感じの曲調で、テンションもめちゃめちゃ上がりました。

--しかし、この曲はほんとに名曲ですよね。歌入れにも立ち会われましたか。
「MonStAR」平野綾
『RIOT GIRL』平野綾
「続く世界 /<br />through the looking glass」<br />中川翔子
「青春!LOVEランチ /<br />夕暮れ☆シャーベット」<br />アテナ&ロビケロッツ

はい。立ち会いました。あと、不二家のCMソングという点でもすごく嬉しかったんですね。私、幼い頃からミルキーがとにかく大好きで。中川(翔子)親子にとっても不二家は特別な存在らしくて、中川家ではクリスマスやお誕生日のケーキもいつも不二家なんですって。だからまさにぴったりの組み合わせ。また、秋と言えばチョコレートの新製品が出揃って、そのコマーシャルにアイドルが出演するっていう、古き良きその王道な感じがもう...。そういった意味でも、まさに夢のコラボですよ。しかも、その歌詞を自分が書けるなんて!

--この曲、カップリング曲なので、意外と埋もれたままフルサイズ聴いたことがないという人がいるかも知れませんが、この曲は絶対聴いたほうがいいですね。改めてお薦めです。で、タイトル曲の「続く世界」ですが。

「空色デイズ /<br />happily ever after」<br />中川翔子 ここまでの時点で「空色デイズ」、「happily ever after」、そして「calling location」(日本科学未来館『エイリアン展』テーマソング)と、ひとつの大きなテーマで既に三部作的な感じで書いていたのですが、「それらを踏まえつつも、これまでとは全く違う切り口で」というオーダーだったんです。今回も頭を抱えて悩んじゃって、書き出すまでの時間が長かったですね。もっとも書き始めたら早かったんですけど。

--実際、「空色デイズ」って、主題歌としてはもちろんのこと、作品を離れた楽曲としても完璧な仕上がりでした。

『天元突破グレンラガン』に関しては、「空色デイズ」が全編を通したテーマ曲としてあって、そこに挿入歌「happily ever after」があり、それにプラス・アルファで新しい主題歌をということでしたから、そこがまた難しくて。

--しかも今度また劇場版『天元突破グレンラガン 螺巌篇』の主題歌があるんですよね。

そうなんです(笑)。



【音楽職人トピックス】



濱田高志による
<マンスリー公開講座>のお知らせ。


TV AGEシリーズ監修・濱田高志が、2010年1月より、池袋コミュニティ・カレッジに於いてマンスリー公開講座を開催しています。
詳しくは、こちら

<公開講座>
『ヒットメーカーが語る作品誕生秘話』

テレビ・映画音楽からアニソン、歌謡曲にCMソングまで、職業作家が様々な分野で発表した作品を、作家自身の証言と共に検証する特別講座。テーマに沿ったゲストを交え、名曲誕生の瞬間に迫ります。
【講師:濱田高志】

2012年1月28日(土)18:30~20:30
『孤高の作曲家・平岡精二』
作編曲家にしてヴィブラフォン奏者の平岡精二の活動を網羅的に辿る特別講座。未CD化曲を中心に自作自演、提供曲、映画音楽などをたっぷり紹介します。

2012年2月25日(土)18:30~20:30
『生誕80周年記念集中講座:
ミシェル・ルグランその活動の軌跡[1[』

2012年に生誕80周年を迎える作曲家ミシェル・ルグランの活動をジャズ、映画音楽、提供曲など全てのジャンルを網羅しながら時系列に沿って辿る集中講座(全5回)。第1回はデビューから60年代初頭までの活動を振り返ります。

2012年3月17日(土)18:30~20:30
『生誕80周年記念集中講座:
ミシェル・ルグランその活動の軌跡[2]』

第2回は「シェルブールの雨傘」を中心に貴重なデモや関連楽曲を映像と共に紹介。

池袋コミュニティ・カレッジ
(豊島区南池袋 1-28-1
西武池袋本店別館 8・9階)

●受講お申し込みに関する詳細は、 池袋コミュニティ・カレッジHPをご覧ください。
また、お電話でのお問い合わせは、03-5949-5486まで。
濱田高志(ハマダ タカユキ)
音楽ライター兼アンソロジスト。これまで国内外で企画・監修したCDは300タイトルを数える。現在は「イージーリスニング・ステーション」(USEN)の選曲や「エキスポ・ジェネレーション」、「濱田高志のトレジャー・ミュージック」(STAR digio)のパーソナリティを担当。ミシェル・ルグランからの信頼も厚く、世界初の公認本「ミシェル・ルグラン風のささやき」(音楽之友社)を執筆したほか、「コカ・コーラCMソング データブック」(ジェネオン)「Love Sounds Style読本」など編・著作多数。2007年、ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ『フル・サークル』をコーディネイト。

詳しいプロフィールはコチラ


濱田高志ロングインタビュー
(2007年2月掲載)

濱田高志 監修・選曲・解説
「TV AGE」シリーズ公式HP


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