ARTISAN de la MUSIQUE

ARTISAN de la MUSIQUE 2009年3月号 - P.03



--これまで発表されたアルバムを順に聴かせていただいて、1st『Lune』(04年1月発売)、2nd『Flower』(05年9月発売)は上野洋子さんのプロデュースということもあってか、全体にアーティスティックな印象を、そして3rd『うららかeasy』(07年12月発売)ではポップな側面が表れ、今回の『Serendipity』(09年3月発売)では、さらにポップ度が増したように感じました。折笠さん自身はそうしたアルバムごとの変化をどのように捉えていらっしゃいますか。

元々が役を演じるのが常なので、自分自身を表現するのは難しいと思っていて、最初のアルバムを作る時は肩に力が入っている部分がありました。しかも上野さんの作られる楽曲が入り組んだものだったりして、最初の2枚は頭で考えた世界観を上野さんの音の上で組み立てていた、その時の精一杯がそのまま封じこめられたアルバムになっていると思います。
3枚目では良い意味で肩の力を抜いて自分の感覚で取り組んだところがあります。"自分らしさ"っていうのはいまだに謎なんですけど(笑)、表現したいという気持ちを大切にして作った感じです。
そして今回は渡辺剛さんとご一緒できるということで、ワクワクが止まらないところから制作が始まりました。渡辺さんには『苺ましまろ』のキャラクターソングや3枚目のアルバムでも曲を書いていただいたり、リミックスをお願いしたりしたんですけど、最初にお会いした時から面白いものに対する感覚が似ている方だと感じていたんです。ですから今回のアルバムは、私たちが楽しみながら作ったものを聴き手の皆さんにも同じように楽しんでいただければと思っています。
『Lune』折笠富美子
『Flower』折笠富美子
『うららかeasy』折笠富美子

--渡辺さんのプロデュースというのはどの時点で決まったんですか。

前回のアルバム『うららかeasy』の時から、「今度はがっつり組んでやってみたい」と渡辺さんがおっしゃってくれていて、私も同じ気持ちでしたから、周りのスタッフの方々がそれを実現させて下さったんです。

--渡辺さんにとっても初のプロデュース・アルバムということだそうですが、制作にあたっては、まずは曲ありきという感じでしたか。

そうですね。だいたい曲が先でした。

--アルバムのクレジットを1stから順に見ていくと、徐々に自作詞の比率が増えていますが、元々作詞に興味はありましたか。また、幼少時の音楽体験は?

十代の頃、なんとなくノートに書いたりしてました。あくまでなんちゃってって感じの詞ですけど。音楽に関しては、子供の頃からエレクトーンを習っていたんです。感覚で弾いていたので練習嫌いでしたけど(笑)。中学終わり頃から高校にかけてがちょうどバンド・ブームだったこともあって、エレクトーンを習っているというだけで、引っ張り出されてキーボードをやってました。その流れで歌ったりもしていましたけど、音楽活動といえるほどではないです。

--自身で曲を作ったりはしなかったんですか。

いやぁ、作曲については、私センスないんじゃないかなと思います(笑)。作ったことはあるんですけど、なんじゃこりゃって感じで。

--好きな作曲家というとどなたになりますか。

家でたまにインストのCDをかけるんですけど、例えば吉俣(良)さんのサントラとかは好きです。ドラマのシーンや感情にあてたものだからドラマティックな展開のものが多くて。

--サントラはよく聴かれるんですか。

『パコと魔法の絵本』<br />サウンドトラックエレクトーンで演奏したりもしていたので『東京ラブストーリー』(音楽:日向敏文)の頃からサントラは気になって、たまに買っています。去年は久々に『パコと魔法の絵本』のサントラを気に入って買いました。あ、今思い出したんですけど、渡辺さんと初期の打ち合わせのころ、「この映画がとても面白かったんです!」って言ってお薦めしたんですよ。そしたら渡辺さんも気になっていたらしく、ご覧になって。その頃からアルバムのイメージとして〈物語〉っていうのがキーワードになった気がします。
私、全てのものに対して前向きでいたいという思いがあるので、何より自分が元気に取り組むという姿勢で臨んでいます。今回は特に渡辺さんとご一緒するということで、私自身の決意もありましたし。デモで上がってくる渡辺さんの曲が、その先の展開が読めないような独特な流れの曲が多くて、ほんとにワクワクしながら導いていただいた気がします。



【音楽職人トピックス】



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濱田高志(ハマダ タカユキ)
音楽ライター兼アンソロジスト。これまで国内外で企画・監修したCDは300タイトルを数える。現在は「イージーリスニング・ステーション」(USEN)の選曲や「エキスポ・ジェネレーション」、「濱田高志のトレジャー・ミュージック」(STAR digio)のパーソナリティを担当。ミシェル・ルグランからの信頼も厚く、世界初の公認本「ミシェル・ルグラン風のささやき」(音楽之友社)を執筆したほか、「コカ・コーラCMソング データブック」(ジェネオン)「Love Sounds Style読本」など編・著作多数。2007年、ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ『フル・サークル』をコーディネイト。

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濱田高志ロングインタビュー
(2007年2月掲載)

濱田高志 監修・選曲・解説
「TV AGE」シリーズ公式HP


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