ARTISAN de la MUSIQUE

ARTISAN de la MUSIQUE 2009年4月号 - P.02


 次は関連書をご紹介。
 ここ最近の一番のトピックは、47年に発表され40万部の売上げを記録したと云われる「新寳島」初版本の完全復刻だろう。これまで幻とされてきた同書が遂に手軽に購入可能になったのだ。
 戦後漫画のスタートとして我が国の漫画史に燦然と輝く同書は〈映画的〉というだけでなく、同時に〈音楽的〉躍動感に満ちている。そして、その躍動感は、その後、次々と生み出される作品においても決して衰えることはなかった。

 そんななか筆者がとりわけ愛着を持つのが、52年から59年にかけて足かけ8年間、雑誌「漫画王」にて連載された「ぼくのそんごくう」だ。
過去に講談社の手塚治虫全集にも全8巻で収められていたが、06年には、ジェネオンエンタテインメントから掲載時と同じくカラーの状態で復刻された単行本が発売中だ。コマ割りに漂う独自のリズムと目映い色彩には読む度目眩を覚えるほど。キャラクターが所狭しと飛び跳ね、走り回る姿を目にすると、あたかも彼方から軽快な音楽が聴こえてくるようだ。

  実際、手塚漫画には音楽を題材にした作品が数多くあり、今はそれらをまとめた作品集も編まれている。ちくま文庫に収められた「手塚治虫マンガ音楽館」(筑摩書房)には、クラシックから民謡までをモチーフにした14の短編と1編のエッセイが収録されており、いずれも充実の内容で読後の満足度は高い。

 また前述の『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』(80年)にて冒頭の有名なシーンの作画を担当し、のちに『ジャンピング』(84年)や『おんぼろフィルム』(85年)なども手掛けた手塚プロダクションのアニメーター小林準治による「手塚治虫クラシック音楽館」も〈手塚治虫〉と〈音楽〉の関係を知るには絶好の本だ。是非ともお勧めしたい。

以上、駆け足での紹介となったが、これら手塚作品の原画をはじめとする貴重な品々が、現在、江戸東京博物館で開催中の「生誕80周年記念特別展 手塚治虫展 未来へのメッセージ」にて鑑賞することができる。
同展覧会は、〈総合展示ゾーン 人間手塚治虫〉と〈テーマ展示ゾーン〉の両面より、その生涯と作品の魅力に迫るもので、文字通り大人から子供までの幅広い層が楽しめる展覧会だ。是非とも足を運んで欲しい。
どろろ

リボンの騎士

ブラック・ジャック

©手塚プロダクション








手塚治虫 作業風景
生誕80周年記念特別展
「手塚治虫展~未来へのメッセージ~」

開催期間:2009年4月18日(土)~6月21日(日)
開催場所:東京都江戸東京博物館 1階企画展示室
開館時間:午前9時30分~午後5時30分
(土曜日は午後7時30分まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日:毎週月曜日
(ただし5月4日、11日、18日は開館)5月7日(木)
お問い合わせ:TEL 03-3626-9974
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
手塚治虫 火星人來る!!(小学5年生頃描いた紙芝居)
医師免許証 昆虫手帳
 
【音楽職人トピックス】



濱田高志による
<マンスリー公開講座>のお知らせ。


TV AGEシリーズ監修・濱田高志が、2010年1月より、池袋コミュニティ・カレッジに於いてマンスリー公開講座を開催しています。
詳しくは、こちら

<公開講座>
『ヒットメーカーが語る作品誕生秘話』

テレビ・映画音楽からアニソン、歌謡曲にCMソングまで、職業作家が様々な分野で発表した作品を、作家自身の証言と共に検証する特別講座。テーマに沿ったゲストを交え、名曲誕生の瞬間に迫ります。
【講師:濱田高志】

2012年1月28日(土)18:30~20:30
『孤高の作曲家・平岡精二』
作編曲家にしてヴィブラフォン奏者の平岡精二の活動を網羅的に辿る特別講座。未CD化曲を中心に自作自演、提供曲、映画音楽などをたっぷり紹介します。

2012年2月25日(土)18:30~20:30
『生誕80周年記念集中講座:
ミシェル・ルグランその活動の軌跡[1[』

2012年に生誕80周年を迎える作曲家ミシェル・ルグランの活動をジャズ、映画音楽、提供曲など全てのジャンルを網羅しながら時系列に沿って辿る集中講座(全5回)。第1回はデビューから60年代初頭までの活動を振り返ります。

2012年3月17日(土)18:30~20:30
『生誕80周年記念集中講座:
ミシェル・ルグランその活動の軌跡[2]』

第2回は「シェルブールの雨傘」を中心に貴重なデモや関連楽曲を映像と共に紹介。

池袋コミュニティ・カレッジ
(豊島区南池袋 1-28-1
西武池袋本店別館 8・9階)

●受講お申し込みに関する詳細は、 池袋コミュニティ・カレッジHPをご覧ください。
また、お電話でのお問い合わせは、03-5949-5486まで。
濱田高志(ハマダ タカユキ)
音楽ライター兼アンソロジスト。これまで国内外で企画・監修したCDは300タイトルを数える。現在は「イージーリスニング・ステーション」(USEN)の選曲や「エキスポ・ジェネレーション」、「濱田高志のトレジャー・ミュージック」(STAR digio)のパーソナリティを担当。ミシェル・ルグランからの信頼も厚く、世界初の公認本「ミシェル・ルグラン風のささやき」(音楽之友社)を執筆したほか、「コカ・コーラCMソング データブック」(ジェネオン)「Love Sounds Style読本」など編・著作多数。2007年、ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ『フル・サークル』をコーディネイト。

詳しいプロフィールはコチラ


濱田高志ロングインタビュー
(2007年2月掲載)

濱田高志 監修・選曲・解説
「TV AGE」シリーズ公式HP


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