UNCHAIN 3rd ALBUM interview

UNCHAIN 3rd ALBUM interview part-1

当サイトの連載で活躍中のUNCHAINがこれまでの活動の中で最も自信に満ち溢れた作品といってよい3rdアルバム『Hello, Young Souls!!』を完成させた。
UNCHAINならではの様々な要素が詰まった楽曲は健在だが、これまで以上に濃厚で緻密なアレンジに加え、驚くほど”新しい音”が随所に詰まっていて、更に、全曲を通して躍動感溢れる作品がこれまでにない大きな特徴だ。
ここにきて唯一無二のバンドとして堂々たる成長を遂げた感があるが、実は前作『Music is the key』のリリース後、バンドとして大きな壁にぶつかっていた。そして彼らは悩み、今作で見事その壁を乗り越え、一つの大きな結論に達する事ができた。今回、彼らが何に悩んでどのようにそれを乗越えたのかボーカル・ギターの谷川正憲とギター・コーラスの佐藤将文に質問をぶつけながらその道のりを追ってみた。


--今回のアルバムを聴いたとき、本当に色んな意味でビックリする事が多くて、すかさずその場で聴いた第一印象を一言メモとして書きとめていったんですけど、色んな感想がでてきまして。
例えば変わった感想で言うと<UNCHAINが草食動物から肉食恐竜に変わった>とか


佐藤 : (笑)。ちょっとうれしいですね。そういうワイルドな部分というか素直な音というか、もうちょっと自分たちらしい音に今までよりなったと思います。

--その中でも今回「バンドの意識改革」というキーワードがすごく頭に浮かんだんです

谷川・佐藤 : そうですね。

--それで僕はこの作品を通して皆さんの心境、意識の変化はどのように起こったのか、すごく興味があって今回はその辺をお聞きしながら紹介したいと思います


Chapter-1 【 迷 い
『Music is the key』 2009.1.28
 

--昨年『Music is the key』の頃まで過去に戻ってお聞きしたいのですが、あの作品は1曲1曲が明確な個性を持った様々なタイプの曲で構成されたアルバムでしたよね。実際作ってみてバンドとして見えたものや感じたことは


谷川 : 『Music is the key』を作ったときは、今回みたいに最高なものができた、こんな広いジャンルを聞かせるバンドは他にいないんじゃないかって思うくらい、良いアルバムができたと今でも思っています。しかし、幅が広かったために、バンドとしてこれからUNCHAINをどう見せていけばよいのかという部分でちょっと迷いが生じてしまったんです。

佐藤 : アルバムの中でどれがUNCHAINらしい曲って聞かれたときに、まわりが「あれ?どれだろう?」となったり、ライブを観て頂いたお客さんの感想でも、同じ感想だったり、色んな音楽をやって、それを聞いてもらうというのが今でも変わらない自分たちのスタイルだと思っていますが、僕たち自身が逆に「どういうバンドなんですか?」って聞かれた時にちゃんと説明できなかった部分があって、それで悩むときがありました。

谷川 : そう。それで当時 『Music is the key』 のインタビューを受けさせて頂く度に、最後に「このアルバムの中で一番好きな曲はどれですか?」って逆質問をしたんです。そしたらみなさん結構バラバラな意見を下さって。もちろん人それぞれ好みによって好きな曲がありますし、まあ当たり前なんですけど、でも、そういう事がライブでも起こっていて、この曲は好き、この曲はそうじゃないとか、ステージから観ていてもお客さんのそんな反応が見えて。

佐藤 : さっきも言いましたが、「僕たちUNCHAINとはこういうバンドなんです!」って言い切る事ができなかったんで、僕たち自身が曖昧な感じでみんなの前に立っていたのかなって。ステージの佇まいだったり、言葉だったり。

--なぜ、そうなってしまったのでしょう

谷川 : UNCHAINは音楽的に幅の広さが特徴・個性だと思っていて、それで良いと思っていたんですけど、聴く側にしてみればどういうバンドだっていうのが分かり難かったというのがあるのかもしれませんね。しかもその1回のライブの中で僕たちがその曲をどう聴いて欲しいかっていうのも、多分、・・・うーん、多分4人の意見が曖昧だったんですね。で、そこから<UNCHAINはどこに行きたいんだ><何がしたいかわかんない>みたいな意見をもらいまして。

佐藤 : その時は、僕たちの気持ちの整理もついていなかった事もあって、「みんなほっといてくれよ!」って気持ちにもなりましたね。色んな音楽の幅を広げていって色んな音楽をきいてもらうというスタイルは全然変えたくはないですし、それはそれで、やってきたことは間違ってはいないと思っています。
しかし今回気付いたことは単純に「音楽的に幅広いって事」じゃなくて、もっと精神的な部分ですね。メンバー4人の意思の疎通が今までちゃんと出来ていなかった部分が結構あって、で今回は、初めてアルバムを作る前にどういうアルバムにするかというテーマを先に決めて、そこのテーマに向かってこのアルバムを作っていったんです。ほんまに4人のテーマを決めることによって4人の意思が同じ方向を向きますし自然に言葉数も増えてお互い何を考えているかっていうのもわかってきました

--「UNCHAINってどんなバンドなの?」って聞かれた時に明確な答えを出せること、むしろ聞かれなくてもわかってもらえるような明確な個性付けという部分でメンバー間の意思疎通という共通の課題が見えて、それを解決するための作業が始まったという事でしょうか

佐藤 : 解決するという具体的な作業ではないのですが、『Music is the key』のリリースツアーが終わってからみんな東京に引っ越してきたんです。その東京に出てきたことが人とのつながりの面も含めて、色んな面が変わっていくきっかけになっていって。で、そっから東京に来たという事でもうひとふんばり、もっともっと向上していこうというところで、自然にメンバー同士の変わろうという意識が芽生えたということですね。


Chapter-2 【 決 断 】
~「Gravity」 2009.10.14 ~


--東京にはいつ引っ越してきたんですか

佐藤 : 去年の10月くらいですね。半年ちょっとかな?

--そうすると作品で言うと

佐藤 : 「Gravity」を制作するときですね。

谷川 : 『Music is the key』の中で迷っていた自分がいたんですけど、東京に行くっていう事で、メンバーと話したりして自分の中でもなんか、少し気持ちの変化があって、精神的に一歩抜け出していた感じがあって、その東京行きが決まって出来た曲が「Glavity」だったんですね。音楽的にも精神的にも『Music is the key』とは違った一歩先の精神状態というか、そういうところに行けたような気がして

--前回のインタビューでも東京に行くぞという気持ちが歌詞に表れた作品に仕上がったというお話をされていましたよね

谷川 : そうですね。原点回帰に近いものがあって、その原点はより ”UNCHAINらしいもの” であったような気がして。それが出来て、今までを振り返ると、最近はちょっと自分らしさというよりもカッコつけちゃったりとか背伸びしちゃったりして、UNCHAINらしさが隠れちゃっていたのかなっていうのはありましたね。

--「Glavity」が出来てから皆さんが一つになれたと

佐藤 : 結果としてではなく、その曲を作っていく過程で一つになれたと。それまでと違う感じでした。

谷川 : とても良いきっかけとなった曲だと思います。バンドがよりバンドらしくなるために色々と話をするようになりましたし。

--ちなみに大阪との違いってそれほど大きく感じるものだったのでしょうか

谷川 : 東京に来て、やっぱり大阪と肌で違う部分をすごく感じたんですよ。流れが早い。時代が流れていく感じがすごい大阪よりもリアルに感じる部分がありますね。

佐藤 : やっぱり東京に来て色んな人との距離感が近くなった事が大きくて、色んな人にアドバイスをもらって、今までやったことのない新たな音を入れてみたり、変わろうっていう気持ちになりましたね。


Chapter-3 【 閃 き 】 
~ 「The World Is Yours」/「Higher」 2010.01.20 ~

--アルバム制作はいつ頃から始めたのですか

 

佐藤 : 話し合いをしたのが去年の年末から。曲を作り始めたのが今年の正月からですね。「The World Is Yours」を録り終えたあたりから、今回の構想が見えてきて、アルバム自体、うっすらとですが見えてきたのは「Higher」という曲が出来上がったときですね。進むべき道しるべになったというか、これぞUNCHAINがやりたかった方向だって。「Glavity」でバンド内の精神的な部分が出来上がって、次の作品で方向性が見えてと上手いこと合致しましたね。

谷川 : 年末にメンバーとスタッフでカラオケボックスに行って、「次のUNCHAINはどうしますか?」って、そういう話をしたんですけど、制作前にそんな話をしたのは初めてでしたね。具体的な音の部分よりも精神論みたいなことを、ずっとしゃべっていていましたね。誰も1曲も歌わずに(笑)

--そのカラオケボックスの中ではどんな会話が交わされたのでしょうか

谷川 : 「Higher」という曲で出た、ちょっと違うものを入れたくなるというのは、一つUNCHAINの個性だねって話をしたり、他とは違うと思われたいとか、世間とは違うところにいたいとか(笑)。それは一種の反骨心だったり、それは「Young Soul」だって言っていたんです。
世代とかじゃなく、そういう自分を動かそうと言う気持ち、精神的なものですけど、メンバー4人の意見、4人の方向性を1つにして、全員が共通しているものをいっぱい集めてアルバムに入れていこうと思ったんです。それで今回のタイトル『Hello, Young Souls!!』が生まれました。

佐藤 : テーマはいわゆる音楽をさすものではなく、UNCHAINをさすもので、4人での曲の作り方でもありますね。4人バラバラの意見のものをまとめていくというのがこれまでの作り方だったんですけど、それはそれでよかったんですが、これからは4人が同じ目標を持って作っていく、その過程が凄く大事で『Hello, Young Souls!!』はどういう音楽っていう事よりも精神性の部分ですね。
色んな音楽をやるっていう事は元々やっているわけですし、じゃあそれをどうまとめていくか、どうその精神性をもってしかるべき方向にその音楽を導くかというところですね。

--曲を作るという作業自体にも変化はありましたか

谷川 : そうですね。より細かいアレンジをしたかったんで、これまでスタジオで作っていたのを僕の部屋にみんな集まって作ったんです。曲の肉付けも、方向性も全部みんなでやりました。今までは、各々がバラバラのフレーズを考えてきたんですけど、1つ大きなコンセプトがあることによって、みんなで考える方向でそれぞれが考えてきたし、曲も、歌詞もそれに沿って考えてきたし。

佐藤 : 今までは各自が自宅で作ってきたものをスタジオで一気に仕上げていましたけど、一つの場所で1つ1つみんなで細かい部分まで詰めて作っていった感じはありますね。あと今回は「ダンスミュージック」というキーワードもあって、全体的に踊れる方向を意識して作りました。

--なるほど。全体的に聴いていてダンス成分が高めの曲ばかりですが、とはいえ単純に「踊れる味付けをしました」という曲はありませんよね。これまで築いてきたUNCHAINらしさというか、様々な音の融合によって「踊れる」ものが出来上がっている感じがしました

谷川 : 今回は『Music is the key』とは似ているようで全然違っていて、UNCHAINのやりたいことがあってそれはお客さんにも伝わらないと意味はないよと、自分たちがやりたい事はやるんですけど、それをどうやったら聴いてくれる人に分かってもらえるのかなっていう、そこのニュアンスが違いますね。内容のモードが今回の方が全然濃くて、それは言いようによってですが安易な妥協は一切ないですね。

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3rd Album
Hello, Young Souls!!
『Hello, Young Souls!!』

2010.7.7 ON SALE!

初回限定盤 (CD+DVD)
FLCT-0001 / ¥3,150(tax in.)
全15曲収録

 


通常盤 (CDのみ)
FLCT-0002 / ¥2,520(tax in.)
全14曲収録



[初回限定盤 DVD収録]
1. Gravity (Music Video)
2. The World Is Yours
(Music Video)
3. Super Collider
(Music Video)

収録曲
CD
01. no-where (intro)
02. Saves The Day
03. Super Collider
04. Higher (album mix)
05. Stay In The Rough
06. Don't Stop The Music
(young soul version)
07. Gravity (album version)
08. Stirlin
09. The World Is Yours (album mix)
10. Graffiti Book
11. Love The One
12. Don't Know Why
13. Hello, Young Souls
14. now-here (outro)
15. Sugar
reminisce over 90's
(bonus track 初回限定盤のみ)


『音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2010』
07/29(the) 音霊 OTODAMA SEA STUDIO

『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2010』
08/08(sun) 国営ひたち海浜公園

UNCHAIN 3rd Album Release Tour
"Hello, Young Souls!!"

09/10 (fir) 札幌 KRAPS HALL
09/12 (sun) 仙台 CLUB JUNK BOX
09/18 (sat) 東京 LIQUIDROOM ebisu
09/20 (sun) 名古屋 CLUB QUATTRO
09/23 (thu) 広島 Cave-Be
09/25 (sat) 福岡 DRUM Be-1
10/01 (fri) 大阪 BIGCAT


詳しくはオフィシャルHPで

UNCHAIN
(右から)
吉田昇吾(Dr.) 佐藤将文(G./Cho.) 
谷川正憲(Vo./G.) 谷浩彰(B./Cho.)

京都府出身の4ピース・ロック・バンド。
1996年、中学の同級生だった谷川正憲(Vo/Gt)、谷浩彰(B/Cho)、吉田昇吾(Dr)の3人で結成され、後に1年後輩の佐藤将文(Gt/Cho)が加入し現在の編成となる。パンク・メロコア・エモを軸に、ジャズ・フュージョン・ソウル・ファンク等のブラック・ミュージックのエッセンスを絶妙にブレンドしたグルーヴィーな独自のロックを鳴らす。2005年、インディーズ・デビュー。『the space of the sense』、『THE MUSIC HUMANIZED IS HERE』の2枚のミニ・アルバムをリリース。2007年、ミニ・アルバム『departure』でメジャー・デビュー。同年ミニ・アルバム『rejoice』リリース。2008年、ファースト・フル・アルバム『rapture』リリース。全編英詞によるグルーヴ・ロックの一つの完成形とも言うべき傑作を作り出し、各方面から絶賛の嵐。2008年秋からバンド史上初の日本語詞によるシングル3部作リリース。2009年、セカンド・フル・アルバム『Music is the key』リリース。英語詞/日本語詞の楽曲を織り交ぜ、さらに幅の広がった音楽性はバンドの新たなフェイズへの突入を告げた。2009年、ロック濃度を増した2枚のシングル『Gravity』『The World Is Yours』をリリース。2010年春、今まで発表したオリジナル楽曲すべてを披露するクアトロ・ツアーを慣行。SOLD OUTの大盛況のなか幕を閉じる。2010年七夕、進化の結晶である3rdアルバムをリリース。

オフィシャルサイト:
http://fluctus.jp/unchain/

MySpace:
http://www.myspace.com/unchainjp

 


好評連載中!!
UNCHAINの大試聴!!
CDビフォーアフター Season II


MUSICSHELF これまでのインタビュー
2010.1.19掲載

「The World Is Yours」



2009.1.23掲載
『Music is the key』