ARTISAN de la MUSIQUE

ARTISAN de la MUSIQUE 2011年3月号-P.01


ミシェル・ルグランの最新録音ならびにフランシス・レイ=クロード・ルルーシュの主要作品で編んだ企画盤、さらにはコマソンの大家はやし・こば初のCM作品集など話題作が目白押し!!

  これまで本連載で何度となく紹介してきたフランス映画音楽界の巨匠ミシェル・ルグランの活動がこの春よりさらに活発になっている。順に紹介してゆくと、まず4月27日には世界に先駆け日本先行で、モスクワ録音による最新アルバム『ミシェル・ルグランの世界』がキングレコードより発売される。これは自作20曲を新たなアレンジで聴かせるもので、代表作はもとより資生堂「uno FOG BAR」のCMでおなじみ「ディグ・ディン・ディン」や映画「面影」、「コニャックの男」など意外な楽曲も演奏された意欲作。2枚組というボリュームもさることながら、全て新アレンジで録音されている点も特筆に値するだろう。

 

  次いで翌月にはユニバーサル・フランスよりこれまで音盤化されることのなかった映画音楽を集めた企画盤「Michel Legrand / Cinema Suites」が発売。こちらは全9曲収録のアルバムだが、今回新たに発見されたマスターテープを基にルグラン自身が組曲に編曲したもので、なかには1曲が15分を超える大作も含まれている。

 

  一方、ステージに目を向ければ、現在ロンドンでは舞台版「シェルブールの雨傘」が上演中。数年前から何度も企画に上がっては頓挫していたリニューアル版の満を持しての実現だ。初日には日本のプロダクション関係者も大勢鑑賞に出向いていることから近い将来日本人キャストによる上演も実現するかも知れない。なお日本では2009年の初演以来2年振りとなる舞台「マルグリット」が藤原紀香主演で上演中。

 

  さらにDVDが異例の好セールスを記録したルグラン=ジャック・ドゥミのコンビによる3作品「シェルブールの雨傘」 「ロシュフォールの恋人たち」 「ロバと王女」がハピネットより7月2日にめでたくブルーレイ化。本国ではすでに発売済みだが、こちらは日本独自のデジタルリマスター版での発売。本国版と比較するのも一興だろう。

「シェルブールの雨傘」 「ロシュフォールの恋人たち」 「ロバと王女」

 

 

  そしてミシェル・ルグランと共に一時代を築いたフランス映画音楽界の重鎮フランスシス・レイ。彼が盟友クロード・ルルーシュと組んだ映画の主題曲を集めた企画盤「CLAUDE LELOUCH FRANCIS LAI L'integrale」が好評発売中。こちらは2枚組全41曲収録で、これまで権利の壁に阻まれて編むことが出来なかった楽曲を含む決定版。昨年、筆者がルルーシュ、レイと会見した際にもそれぞれが「これは私たちにとって特別なアルバムだ」と口を揃えていたのが印象深い。こちらは近くランブリング・レコーズより日本仕様の形態で発売が控えている。

 

  ルグラン、レイと同時代を生きた偉大な作曲家がジョン・バリー。惜しくも先頃急逝したが、彼の映画音楽におけるキャリアのスタートを飾った映画「狂っちゃいねぇぜ」の新版が英国で発売、日本仕様版は4月6日にウルトラヴァイヴから発売される。同映画のサントラ音源に主演女優ジリアン・ヒルズ、そしてアダム.フェイスの歌唱音源を収録した廉価盤だ。この先バリーの作品は徐々に発掘・大系化されてゆくことだろう。

 

  最後に筆者が監修を手掛ける〈TV AGE〉シリーズ今後のラインナップにふれて本稿を終えたい。同シリーズは年内に複数タイトルが控えているが、直近では6月に発売が予定されている作曲家"はやし・こば"の作品集がある。こちらは「カバトット」や「とんでも戦士ムテキング」などアニメーション音楽でも知られる三木鶏郎門下の才人で、桜井順、越部信義らと並ぶ鶏郎直系のコマソンの達人。代表的なところでは「がんばらなくっちゃ」(歌:はやし・こば)「ピコレット」(歌:常田富士男)「ハウス たまごツイスト」(歌:天地総子)「乱れたら」(歌:かまやつひろし)など耳に残る作品が目白押し。コマソン集としては初のアルバムで、その大半が初音盤化だ。

 

  続いて同じく三木鶏郎門下の作曲家・嵐野英彦のコマソン作品集、いずみたくコマソン作品集、そして先頃第2弾が発売された「ONアソシエイツCM WORKS」の続編も晩夏には発売の予定。さらに宇野誠一郎作品集の続編にも着手したところだ。乞うご期待。

 

 

 

【音楽職人トピックス】



濱田高志による
<マンスリー公開講座>のお知らせ。


TV AGEシリーズ監修・濱田高志が、2010年1月より、池袋コミュニティ・カレッジに於いてマンスリー公開講座を開催しています。
詳しくは、こちら

<公開講座>
『ヒットメーカーが語る作品誕生秘話』

テレビ・映画音楽からアニソン、歌謡曲にCMソングまで、職業作家が様々な分野で発表した作品を、作家自身の証言と共に検証する特別講座。テーマに沿ったゲストを交え、名曲誕生の瞬間に迫ります。
【講師:濱田高志】

2012年1月28日(土)18:30~20:30
『孤高の作曲家・平岡精二』
作編曲家にしてヴィブラフォン奏者の平岡精二の活動を網羅的に辿る特別講座。未CD化曲を中心に自作自演、提供曲、映画音楽などをたっぷり紹介します。

2012年2月25日(土)18:30~20:30
『生誕80周年記念集中講座:
ミシェル・ルグランその活動の軌跡[1[』

2012年に生誕80周年を迎える作曲家ミシェル・ルグランの活動をジャズ、映画音楽、提供曲など全てのジャンルを網羅しながら時系列に沿って辿る集中講座(全5回)。第1回はデビューから60年代初頭までの活動を振り返ります。

2012年3月17日(土)18:30~20:30
『生誕80周年記念集中講座:
ミシェル・ルグランその活動の軌跡[2]』

第2回は「シェルブールの雨傘」を中心に貴重なデモや関連楽曲を映像と共に紹介。

池袋コミュニティ・カレッジ
(豊島区南池袋 1-28-1
西武池袋本店別館 8・9階)

●受講お申し込みに関する詳細は、 池袋コミュニティ・カレッジHPをご覧ください。
また、お電話でのお問い合わせは、03-5949-5486まで。
濱田高志(ハマダ タカユキ)
音楽ライター兼アンソロジスト。これまで国内外で企画・監修したCDは300タイトルを数える。現在は「イージーリスニング・ステーション」(USEN)の選曲や「エキスポ・ジェネレーション」、「濱田高志のトレジャー・ミュージック」(STAR digio)のパーソナリティを担当。ミシェル・ルグランからの信頼も厚く、世界初の公認本「ミシェル・ルグラン風のささやき」(音楽之友社)を執筆したほか、「コカ・コーラCMソング データブック」(ジェネオン)「Love Sounds Style読本」など編・著作多数。2007年、ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ『フル・サークル』をコーディネイト。

詳しいプロフィールはコチラ


濱田高志ロングインタビュー
(2007年2月掲載)

濱田高志 監修・選曲・解説
「TV AGE」シリーズ公式HP


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