よくある夏フェス、ただ他と異なることがあるとすれば、同じ事務所に所属する者同士の和気あいあいとした雰囲気で進行する・・・そんな外野から見たイメージなど軽く覆されてしまうことは、1度でもこのイベントに足を運んだ者ならすでに経験済みだろう。圧倒的な個性の持ち主であるそれぞれが、いちミュージシャンとしてのプライドを忘れることなく、盛大な夏祭りを観客と一緒になって盛り上げる。しかも回を重ねるごとに意義を考え、変化させながら続けていくことは容易いことではなかったはずだ。
13回目を数えたオーガスタキャンプ。今年はある大きな目的をもって開催された。“With a little help from MUSIC”。震災を受けて発表されたこのスローガンの下に一同が集結、シンプルなステージングとリレー形式でのセッションを軸に“歌い継いでゆく”方式がとられた。表立った自粛ムードを感じさせることも、声高にメッセージを放つこともなく、各アクトは皆、それぞれの音楽の中に思いを落とし込み、繋がり、絆といった本来の意味をさりげなく感じさせるステージに終始。だがオーガスタキャンプにはつきものというべき雨を盛大に呼び、終演時には花火が打ち上げられた。期せずして大きな意義をもつことになった今年のオーガスタキャンプ。その中で貫かれた「いつも通り」に、「1日でも早く」を願わずにはおれない。
<文 / 篠原美江>
今年の開催会場が赤レンガ倉庫と聞いて、真っ先に思い出したのが6年前の「山崎まさよしAugustaCamp」。そしてあの日集まった観客をずぶ濡れにさせた豪雨だったが、まさかその雨に今回もやられるとは……。と思ったのは、筆者だけではあるまい。しかも、それまでかろうじてもっていた空模様がその山崎まさよしが出てきた頃から崩れ小雨が降り、ラストのスガシカオでついに本降りに。最初から本降りだった6年前から比べるとまだましと慰めていたのだが、自他ともに認める雨男スガシカオがビニール傘を差してステージに出てきたときはさすがに苦笑い。
イベント開始の2時頃はうだるような蒸し暑さと1万5000人を超えるファンの熱気で海沿いのシチュエーションとはいえ、湿度は異様に高く、座っているだけで汗がにじむ。しかし、演奏が始まってから、それほど暑さに気がとられなくなったのは、各アーティストの曲や歌声、演奏はもちろんのこと、アーティスト同士のコラボ時に見られた絶妙連携や丁々発止の面白さがあるが(いまさら声を大にして言わなくともその魅力はファンなら誰しもが知るところでしょう)、なにより今回はスムーズな進行が大きかった。いつものように、各アーティストが自分のバックバンドを用意するのではなく、固定バンドがほぼすべての曲を演奏していたため、転換の時間がなく、ひとつのイベントとしての連帯、まさに「With a little help from MUSIC」のテーマが行き届いていて、6時間を超える長丁場を感じさせることがなかった。その要因はバンドの演奏力によるところが大きい。手堅くありつつも各アーティストの個性を最大限に引き出すサウンドを長時間にわたり、聞かせていたバンドの苦労は尋常ではなかったことは想像に難くない。一方、アーティスト同士のアコースティック・セッションはどの組み合わせも新鮮で、それぞれ意外な一面を見ることができた。毎年見ているのに飽きないのは、毎回新しい見どころを自分なりの視点で見つけられるところだろう。「真夜中のBoon Boon」(山崎まさよし+長澤知之)、「心拍数」(秦 基博+山崎まさよし)、「P.S.S.O.S.」(長澤知之+スガ シカオ)、「Happy Birthday」(杏子+さかいゆう)等々。 印象に残ったシーンを挙げていたらきりがない。
冒頭に書いたように、後半はあいにくの天気になってしまったが、自然の演出がオールスターズによる「ALL OVER AGAIN」「星のかけらを探しに行こう Again」を盛り上げたことは間違いなく、何より、最前ブロックのAから最後尾ブロックMまで区分けされ超満員で埋まったファンを心から一体にさせた。オーガスタ・ファミリーの絆、音楽の素晴らしさに改めて感動し、早くも来年の開催が発表されたオーガスタ・キャンプを楽しみに「来年も!」と、誓ったに違いない。
<文 / 竹部吉晃>


