LIVE REPORT

宇多田ヒカル 12/9 横浜アリーナ ライブレポート


 

2006年の「UTADA UNITED 2006」以来4年振りの国内でのステージ。そして活動一時休止前ラストコンサート。新横浜の駅周辺から「チケットを譲ってください」というカードを持って立つ人の多さに、このコンサートのプレミアの高さが伺える。

そんな貴重な一夜に集まった1万4000人。ステージはセンターに設置され、1万4000人のオーディエンスがステージをぐるりと囲む。
期待の高まる中、客電が落ちると、まず映像が流れた。壮大な宇宙の映像。宇宙船が映り、操縦しているのは宇多田ヒカルの相棒の“くまちゃん”。宇宙船が地上に墜落し、彷徨うくまちゃん。実はこのくまちゃんは着ぐるみで、そこから宇多田の顔が覗くと会場からは大声援が起きる。

 

スッと幕が落ち、ステージに降りていたライトが上昇。と同時にセンターのお立ち台が上がり、白地に右肩にピンクのドレープをあしらった衣装を纏った宇多田ヒカルが登場する。凛とした表情で、1曲目、新曲の「Goodbye Happiness」を披露。続く「traveling」からは360°囲んだオーディエンス1人1人に挨拶して回るようにゆっくりとステージを一周しながら歌う宇多田ヒカル。

ストリングスでしっとりとアレンジされた「COLORS」は壮大で美しく、ピアノの伴奏にあわせて歌い上げた「Hymne à l'amour ~愛のアンセム~」ではまざまざと宇多田ヒカルというアーティストの力を見せつけ、「SAKURAドロップス」、「Stay Gold」、「First Love」ではピアノの弾き語り、そしてアンコールで前日に引き続き披露された「Across The Universe」のカバーではギターの弾き語りも見せ、宣言通り「やりたい放題」を実現。様々な宇多田ヒカルの表情を垣間見ることができた。

「ぼくはくま」を会場全体で合唱したり、「もっと声を聞かせて!もっと!」とオーディエンスとコミュニケーションをはかりながら歌う姿に、宇多田ヒカルからファンへの愛情、そしてファンからの宇多田への愛情を感じられ、とても暖かい空気が流れた。
「待ってるよ」というオーディエンスの声に「信じてる」と静かに頷き、言葉に詰まり涙を見せる場面もあったが、「永久に引退するわけじゃないから、ちょっとお休みするだけ」と未来への希望の片鱗を残し、改めてファンとの絆を強く結んだ。

「自分を大切にできるようになったら、周りの人も大切にできるようになった。みんなも自分を大切に生きて!」と熱いメッセージを伝え、ラストは「time will tell」を披露。
曲が終わりステージを一周すると、マイクをステージに置き、花道へ。ゆっくりと花道を進み、最後に深々と頭を下げステージを後にした。

たくさんの涙、そしてそれ以上に本当にたくさんの笑顔に溢れた素敵なステージ。
宇多田ヒカルの再現性の高さに脱帽すると同時に、凛とした、強くしなやかな彼女の中にある人間らしい弱い部分を感じ、それがとても愛らしかった。
デビューから走り続けた12年。ここで一度休憩し、またいつかきっと私たちを楽しませてくれる日が来るだろう。信じて待ち続けたいと思う。

 

 

<取材・文 / なるまゆか>

 

 

宇多田ヒカル「WILD LIFE」 12/9@横浜アリーナ セットリスト

1.Goodbye Happiness
2.traveling
3.テイク5
4.Prisoner Of Love
5.COLORS
6.Letters
7.Hymne à l'amour ~愛のアンセム~
8.SAKURAドロップス
9.Passion
10.BLUE
11.Show Me Love (Not A Dream)
12.Stay Gold
13.ぼくはくま
14.Automatic
15.First Love
16.Flavor Of Life -Ballad version-
17.Beautiful World
18.光
19.虹色バス

EN1.Across The Universe (John Lennnon)
EN2.Can't Wait 'Til Christmas
EN3.time will tell

 

 

オフィシャルサイト
http://emimusic.jp/hikki/

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