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真夏の夜のJAZZ in HAYAMA 2012

真夏の夜のJAZZ in HAYAMA 2012 イベント雑感

湘南・葉山マリーナの夏の野外ジャズ・フェスティバル「真夏の夜のJAZZ in HAYAMA 2012」
今年は7月27日と28日の2日間に渡って開催されました。


恒例となった夏の野外ジャズ・フェスティバル「真夏の夜のJAZZ in HAYAMA」今年は「Friday Crossover Night」と「Saturday Jazz Night」とそれぞれのテーマに沿ったミュージシャンたちのここでしか観れない演奏が2日間に渡って行われるとあって、今回2日間とも観させてもらうことができましたので、その模様をお伝えします。


1日目 ~Friday Crossover Night~



ギラギラした太陽、生暖かい海風、昨年も暑かったですが、今年は更に2日間とも猛暑となった葉山マリーナ。スタートはこんな感じ。でも陽がゆっくりと西の海に沈んでいき、空の色に併せて音と空気もゆっくり変化していく、そんなグラデーションを味わえるのも、このフェスの好い所なんですよね。加えて周辺の緑が完全に都会を忘れせてくれるんです。

とはいえ、この暑さ。さすがにトップバッターはに若干不利なのでは?と思っていましたが、そんなハンデを諸
共しない強力な兄弟からスタートしました。


まずは斎藤圭土が登場。太陽に負けない位の元気一杯のブギーで会場を沸かせると、次に登場したのはレ・フレール。斎藤圭土にとっては灼熱のダブルヘッダーですが、猛暑なんてなんのその。2人が鍵盤を叩いた瞬間に勝負あり!彼らの出身地、横須賀に近い土地の太陽は幼い頃から味方なのです。躍動感のある演奏が最後まで展開され、お客さんも汗を拭きながら、思わず笑みがこぼれてしまう位楽しい時間となりました。




次に登場したのは樹里からん。透き通るような歌声で「Mr.サマータイム」「元気を出して」など英語詞による邦楽カバーを披露するなど、夕暮時の葉山にクールな風を送り込み、一気にゆったりとした時間が流れました。



日差しは相変わらず強いマリーナ、しかし徐々に陽も傾き少し強めの海風が涼を運んできた頃、さらに客席に癒しを与えてくれたのがサラオレイン。
美しい歌声とヴァイオリン、短いセットながらも初めて彼女を観るお客さんを釘付けにしました。
とりわけ「ニューシネマパラダイス」の歌が、なんとも言えない心地よさで会場全体を包み込みました。




ステージには一番後方の客席からでもハッキリとわかるショッキングピンクのドラムセットが現れる。村上"ポンタ"秀一の登場だ。メンバー紹介で最後に「そして私が村上シュウタポンイチです」相変わらず茶目っ気タップリに、久々のPONTA BOXとして与えられた時間をじっくりと味わいながら貫禄のプレイで観客を楽しませてくれました。


そしてここからPONTA BOXとゲストの共演タイムがスタート!
最初のゲスト、上田正樹が登場。「My Old Kentucky Home」でいつまでも変わらない唯一無二、迫力のソウルヴォイスにほろ酔い気分のお客さんの手が止まり、太陽が海に沈んでいく一番夕陽がキレイな瞬間に「悲しい色やね」のイントロが流れてきて会場の雰囲気も最高潮に。その「悲しい色やね」は最初に英語詞で歌われ、2コーラス目から日本語詞で歌うという葉山にぴったりのバージョンを披露。



次に大きな拍手と共に登場したのは高中正義と斉藤ノブ。まさにトーレードマークであるSGを持ち、「Blue Lagoon」「Thunder Storm」「Mambo No.5」「Tropic Birds」とまざに70年代終盤から80年代前半の『SUPER TAKANAKA LIVE』『OCEAN BREEZE』を観ているような名曲のオンパレード。更に斉藤ノブとポンタのセッションなど、思わず立ち上がって声援を送るファンも多く、一気に盛り上がりました。



その盛り上がりが最高潮に達したのが大トリで登場したシャカタク。フルートのイントロからの「Invitations」でいきなりトップギアに入り、リアルタイムを過ごしてきた大人たちが、自然と立ち上がり、あちこちでダンスが始まる。大ヒット曲「Night Birds」が流れた瞬間、もうそれは恍惚という表現以外何も出てこない、葉山マリーナがダンスホールへと変わった瞬間でした。




2日目 ~Saturday Jazz Night~ 2012.7.28


幾分雲もあり昨日と比べると多少過ごしやすいとは言え、相変わらず強い日差しが照りつける猛暑の葉山。開演30分前、さすがに土曜日だけあって既に多くのお客さんが席に座り、ビールやワイン片手に、ステージが始まるのをのんびりと待っています。

 


そんな中、2日目のトップバッターとして登場したのはハクエイ・キム。昨年もトップでしたが、この1年間、着実に成長を続けて、今年はゆったりと余裕の演奏を聴かせてくれました。

 

 


そして、ハクエイがホスト役となり青山テルマとCrystal Kayが登場!彼女たちとジャズミュージシャンとのコラボレーションという他ではなかなか見られない共演もこのイベントならでは。キュートな衣装で力一杯熱唱する青山テルマとは対照的にセクシーな衣装でダンスを織り交ぜながらジャジーに歌い上げるCrystal Kay、2人の登場で会場は一気に盛り上がりました。

そして、ゲストとして村上"ポンタ"秀一が登場。ハクエイ・キムと親子ほど年の離れた2人だけの演奏は、さながら格闘技にも似た一触即発の緊張感があり、その繰り出す技と技、音と音をじっくりと楽しませてもらいました。

次にPONTA BOXが登場。昨日同様に久々のPONTA BOXとして楽しみながら、貫禄のプレイで観客を沸かせ、唸らせました。


そして今回のフェスで最も注目の八代亜紀がゲストとしてステージに登場!ルーツでもあるジャスを約2,000人のファンに披露。「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」といったスタンダードナンバーから、国民的名曲「舟歌」をジャジーに歌い上げ、会場は大盛り上がり! またサプライズでCrystal Kayと「You'd Be So Nice To Come Home To」のデュエットなど話題満載のステージが展開されました。


2日目の大トリは山中千尋。頭にはターバンを巻き、オリエンタル風な衣装をまとって登場!思わぬサプライズに会場が沸きます。MUSICSHELFのインタビューでも語ってくれたように、先日リリースされ新作『ビコーズ』のテーマはビートルズのトリビュートとニューヨークのムーブメントである中央アジアンテイストという事で、実はこの衣装、最初は驚きましたけど、なるほど!と納得。「このイベントに出演するため、イタリアでのイベント5個分をキャンセルして今日の朝、帰ってきました」と語り、このフェスへの並々ならぬ思い、気合いを1曲目から演奏にこめて聴かせてくれました。赤や紫、ピンクといった妖艶な照明、地を這うようなベースとドラム、そこにアジアンテイストなジャズで奏でられる「イエスタデイ」。まさにアルバムに流れる、いまだかつて聴いたことのないジャズの「未体験ゾーン」を葉山で体験。


そして「こんばんは」といつもの淡々とした口調で登場したのは、昨年に続いて山中千尋とのコンビを組む稲垣潤一。思わず観客席でも笑いが起こってしまう位の不釣合いなMCとは対照的に、息の合ったコンビネーションを見せてくれました。「Tea For Two」「stranger in the night」「Misty」といったスタンダードナンバーから、観客も一緒に口ずさんでしまう「ドラマティック・レイン」「ロングバージョン」など稲垣の名曲を披露。葉山マリーナという極上のロケーションで楽しむ2日間のジャズイベントが幕を閉じました。

クロスオーバー、AORをリアルタイムで聴いていたファンの"熱"の高さ、ジャズという言葉の持つ幅広さ、自由度をあらためて認識させてもらった2日間のイベントでした。

 


<MUSICSHELF ふくしま剛>

 

 

 

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