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KENSO Special Playlist

KENSO

Special Playlist


KENSO’s Playlist

私を育ててくれた曲、そして現在
清水 義央(Guitar)Select

私は、ロックバンド・KENSOを40年にわたって率いていますが、同時に歯科医師としても自分の医院を開業して約28年になります。素晴らしい出会いに恵まれてKENSOは妥協の無い自由な音楽活動をしながらも、レコード会社からアルバムをリリースしてくることができましたし、歯科医師としても、特に歯科心身医学という分野を自分の個性として充実した診療生活をおくっています。今回は、若き日の私を支え、鼓舞し、時には叱咤してくれた音楽と様々なインスピレーションを与えてくれた音楽を9曲、そして、これこそが現在の私の作品と言い切れる1曲をご紹介します。

「Strawberry Fields Forever」

by The Beatles

from 『Magical Mystery Tour』

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クラシック音楽愛好少年だった私をロックの獣道に誘い入れたのはテレビから流れてきたBeatlesの「Can’t buy me love」だった。御多分に洩れずBeatlesにハマってしまった訳だが、特に中期の音作りに大きく影響された。1990年代半ばに「アンソロジー」のシリーズで、当時の音作りの実態が明らかになってゆき、「そうだったのか!」と改めて彼らの才能と実験精神に尊敬の念を抱いた。美しく、そして今なお斬新な一曲です。

「Killer Queen」

by Queen

from 『Sheer Heart Attack』

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高校二年の秋、ラジオから流れてきた「Killer Queen」に私は耳を奪われた。それまで聴いたことの無い奇妙な曲と歌とコーラスハーモニー、どうやらギターで出しているらしい妖しげな音。それがQueenとの出会いだった。私は20代後半から岡山大学医学部脳代謝研究施設に研修生として在籍し医学博士の学位を授与されるが、そのmotivationの1つとなったのは、B.Mayと同じ“博士号を持ったロックギタリスト”になりたいという想いだった。約3年前、新聞で「クイーンのB.メイさん、博士号取得」という記事を偶然読んでしまい、私は当時の音楽雑誌の不正確な情報に自分が乗せられてしまったことを知る。でも、それもまた人生。お陰で岡山大での貴重な経験を積めたのだから。

「Four holes in the ground」

by PFM

from 『COOK』

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既に英国プログレに耽溺していた私に、Crossというプログレ・バンドをやっていた歯科大の先輩がこの曲を聴かせてくれた時の衝撃は今でも忘れない。怒涛の如き曲展開、美しくも躍動的なメロディ、英国ロックとは明らかに違う狂熱的エナジー。「こんな曲を作りたい!」 イタリアのPFMは私の目標になった。2005年、そんな憧れの存在・PFMとアメリカのロックフェスで同じステージに立てたのは、卒倒しそうに嬉しいことだった。余談だが、宿泊先のホテルでの朝食もご一緒できた(笑)。

「In The Cage」

by GENESIS

from 『幻惑のブロードウェイ』

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ロックが芸術であるべきかどうかは別として、ロックの中には「芸術」としか言いようのない優れたアルバムがある。GENESISの「幻惑のブロードウェイ」もそのひとつで、今だにマニアの間で議論されるアルバムコンセプトの真意、鬼気迫るP,Gabrielの歌、卓抜したアレンジと演奏。その全てに影響を受けた。1978年の初来日公演は、自分が目指すべき方向を示してくれ、後に「新宿厚生年金に空」という曲を作らせるほど素晴らしかった。「新宿厚生年金に空」は、KENSOの新作「内ナル声ニ回帰セヨ」に収録されている。

「セルゲイ・プロコフィエフ作曲 「フルート・ソナタニ長調」」

by James Galway & Marta Argerich

from 『Frank・Prokofiev Sonata for Flute and Piano』BVCC-37653

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大学の同級生だった矢島史郎氏は、国立音大フルート科を卒業し、しばらくフルート奏者として活動した後に歯科大に入り直した変わり種だったが、音楽や文学の話で意気投合し、初期KENSOのメンバーとなった。彼の車の中で流れていた「プロコフィエフのフルート・ソナタ」は完全に私を魅了した。ちょうどロックがつまらなくなっていた時代、この曲は刺激的な“近代クラシック音楽”への扉を開けてくれた。譜面を買って自己流で分析し、曲作りと演奏面の両方で大きな影響を受けた。

「荒野の追放者」

by AREA

from 『1978』

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三年前に慶應義塾大学でプログレについての講義をさせていただいた際に、「人間には二種類いる。AREAを聴いたことのある人間と聴いたことのない人間だ。君たちは今日からAREAを聴いたことのある人間として生きることになる」とまで言ってしまったが、それほど素晴らしいバンドだ。不遇の時代を過ごした後、数年前に再結成。昨年の来日公演では、プログレと呼ばれた音楽が今もプログレッシヴでありえることを証明してくれた。

バルトーク作曲:組曲「中国の不思議な役人」

by 小澤征爾指揮・ボストン交響楽団

from 『バルトーク:中国の不思議な役人、他』UCCG-9297

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バルトークにハマったのは、今や著名な作編曲家となった佐橋俊彦氏がKENSOに在籍していた80年代半ばだった。彼も好きだったバルトーク作曲「中国の不思議な役人」には元々のバレエ音楽版とその後にアレンジされた演奏会用版がある。私が最初に聴いたのはブーレーズ指揮の、より刺激的で救われない雰囲気いっぱいの前者の方だったが、今では、小澤征爾指揮の後者の方をよく聴く。日本人の感性を経たバルトーク、感動的だ。

「BEPALI」

by ゼゼ・カンバ・モージャ

from 『タンザニアの音楽』KICW85130

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今でも「何だコレは?!まだ私の知らないこんな音楽があったのか!」と興奮させてくれるのが、いわゆる民族音楽だ。CD「タンザニアの音楽」に収録された、一弦の胡弓を弾きながら歌う「BEPALI」を聴いた時に即脳裏に浮かんだのは、バディ・ガイでありジミ・ヘンドリックスだった。「そうか!エレクトリック・ブルース・ギターの源はここだったのか!」面白い、実に面白い。

「マカーブルの秘密」

by 半田美和子

from 『コーラ・ソプラノ名歌曲集』

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半田美和子さんの1stソロ・アルバムに収録された「マカーブルの秘密」を聴く度に、その美しくしかもパワフルな歌唱に圧倒される。そして、こんなすごい歌手がKENSOのアルバムで私の曲を歌ってくれたという事実を噛みしめて嬉しくなってしまう。“ローマは一日にして成らず” 彼女もきっと色々なものと闘って来て、こんなにも素晴らしい音楽を作れるようになったのだろう。闘わなければ、こんな音楽は生まれない。

「A Song of Hope」

by KENSO

from 『内ナル声二回帰セヨ』

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KENSOは、1980年の1stアルバム以来、基本的にはインストバンドとして活動してきた。しかし、多感な思春期に私を育ててくれたのは、Led Zeppelinに代表されるブリティッシュ・ロックであり、そのほとんどは“歌モノ”だった。或る日私は、自分が抱くロックに対する敬意と感謝を思い残すこと無く表現したい欲求にかられ、何十年かぶりに歌詞を書いて翻訳家に英訳してもらった。私にとってロック=英語だったから。それをクラシック分野の歌手である半田美和子さんに歌っていただくことは、ロックから学んだ実験精神の実践になった。メンバー&スタッフ全員が私の夢想を具現化するのに協力してくれ、私が聴いてきたもののすべてがここに集約された。

<MUSICSHELF情報>
(※放送終了:近日ポッドキャスト配信)
次回のラジオMUSICSHELFは結成40周年を迎え、8月17日に川崎クラブチッタでのワンマンライブを控えた、ジャパニーズ・プログレッシヴ・ロックの至宝、KENSOの中心人物であるギターの清水 義央氏が登場する。自らのルーツ・ミュージック、そして7月にリリースされた8年振りのオリジナル・アルバム『内ナル声ニ回帰セヨ』を1時間たっぷりと紹介。なお、プレイリストとは違う選曲でオンエアされるので、ファンはお聴き逃しなく!

ラジオプログラム「MUSICSHELFアーティスト・スペシャル」
「KENSO 清水義央 特集」

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パーソナリティ:KENSO 清水 義央(Guitar)

8月11日(月曜日) 24:00~25:00 再放送決定!


FMおだわら(78.7MHz)http://fm-odawara.com/
サイマルラジオ(FMおだわらをチョイス!)http://www.simulradio.jp/

※この番組はインターネットでサイマルラジオ、スマートフォンでTuneIn Radioなどのアプリを通して全国で聴取可能です。

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