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特集 谷山浩子 40年の歴史が凝縮された前代未聞のライブアルバム

特集 谷山浩子

40年の歴史が凝縮された前代未聞のライブアルバム

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2012年11月、谷山浩子デビュー40周年を記念して行われた東京国際フォーラムの東京公演は、ファンの間で長きにわたり語り継がれるであろう、伝説のコンサートであった。「ヒストリー・オブ・谷山浩子」というべきこのコンサートは、7歳のときに書かれた「ほしのよる」から始まるという、それだけをとっても特別なもので、今までになかった構成であった。そして、あれから約2年経った9月、正味3時間に及ぶ長尺コンサートが完全パッケージ化されてCDとしてリリースされる。膨大な楽曲の中から厳選され披露された代表作だけではなく、トークもすべてほぼノーカットで収録されている。昨今の音楽事情を鑑みても極めて稀なライブアルバムといえる。何故、完全収録盤として発売されるのか等々、ファンが気になる素朴な質問を本人に聞いてみた。

――9月10日に発売になる『谷山浩子 デビュー40周年コンサート at 東京国際フォーラム』を聴かせていただきましたが、とても面白いライブアルバムでした。トークまで完全収録という、前代未聞のライブアルバムですね。

自分で言うのもなんですが、歌もまったく修正していないライブアルバムも珍しいですよね(笑)。

――そう思いました。でも、通常ライブアルバムは公演後できるだけ早くリリースするものだと思うんですが、なぜこの時期に発売になるのでしょうか。

ミーティングのときに「今年のアルバムどうしましょうか?」という話になり、ふと40周年コンサートのライブ音源が存在することを思い出し、「せっかくだからリリースしましょうか」という流れになりました(笑)。

――では、2年前にはそういう予定はなかったと。

録音しているということは知っていたんですが、ライブアルバムにするとか具体的な話はなくて、何となくそのままになっていました。

――そうだったんですね! 谷山さんのコンサートはトークも魅力のひとつだと思うんですが、今回それがきちんと作品として残ることは、ファンにとっても最高にうれしいと思います。

過去にリハーサル音源などを集めた『Memories』(1997年)と、ホールにお客さんを呼んでレコーディングをした『タマで弾き語り』(2008年)というアルバムは出ているのですが、今回のようなライブアルバムというのは、初めてですからね。

――コンサートは谷山さんのライフワークでもあると思うんですが、今までこのようなライブアルバムが発売にならなかったというのも不思議ですよね。

ライブはその空間で聴くからいいのであって、形に残すことに私自身がこだわっていなかったということもあります。猫森集会などは音源をもらって聴くことはあるんですが、全部を通して聴くことは、ほぼないですし。

――改めて聴き直してみていかがでしたか。約2年前(2012年11月)のことになりますが、当日の熱狂はよみがえってきますか。

「こんなだったっけ?」とびっくりする部分があります(笑)。特にトークの部分は、当日何を話したかすでに忘れていたんですが、聞き返してみると意外に面白いもんですね。

――このコンサートは7歳のときに作った「ほしのよる」からスタートでしたね。まったく予想していなかったオープニングに、ファンとしては興奮しました。

あの始まり方は、みなさんからもとても面白かったと言っていただいて。自画自賛しています。(笑)

――そして1部の選曲は、70年代から80年代にかけての谷山さんの代表作満載という、ファンにとっても涙ものの選曲でした。

このライブの選曲をしたとき、40周年だからできるだけ代表曲を選曲しようということになったんです。もうこれ以上切れないというところまで絞ったのに、この曲数になってしまって。最終的に、制作スタッフのほうが折れてくれて(笑)、「今回は特別に3時間公演にしましょう」と言ってくれたんです。

――それでも、漏れてしまった曲がたくさんあったんですよね。

歌えない曲はコンサート中にBGMとして流して演出に組み込みました。それでも漏れてしまった曲は、メドレーにして休憩中に流したんです。ですから、1部と2部の間の休憩中のBGMまでアルバムに完全収録されています。そこまで収録をしたライブアルバムはどこにもないかもしれませんね。(笑)

――このライブの日は、現場にいたのでよくわかるんですが、谷山さんもお客さんもテンションが高かったように思いました。

いつもに比べたら、全体的にテンションが高かったかもしれません。2部は久しぶりのフルバンドの演奏だったので、私も自然に気合いが入っていたと思います。ミュージシャンも素晴らしい方ばかりでしたので、そこも今回のアルバムの聴きどころのひとつです。

――とても、壮大な演奏でしたし、あの日のコンサートはご自身でも納得のいく内容だったんじゃないですか。

本番でも演奏がすごく良かったんです。大阪公演もよかったんですが、トークの順番を間違えてしまったというハプニングがあったので……。東京では間違わなくてホントよかった(笑)。

――だからこそ、今回完全収録できたわけですよね(笑)。コンサートの終盤、谷山さんが感極まっているように思えたんですが、ご本人的にはどのような心境だったんですか。

感極まったというわけではないんですが、「やった!」という達成感はありました。でも、改めてライブアルバムを聴いてみて、自分はなんてテンションの低い人間なんだろうと思いました(笑)。ミュージシャンだったらもう少し、表現方法があるでしょう! みたいな。淡々としたトークばかりだし、アンコールのときに「もっとテンションあげろよ!」と音源を聴きながら自分に突っ込みを入れてしまいました。できないけど。

――そこが谷山さんのコンサートの魅力だと思います。トークの人気じゃないですか(笑)。あの日は3時間のコンサートという長丁場でしたし、そんなところでテンションあげたら最後まで持ちませんよ。

でも普通ミュージシャンだったら、アンコールのときには興奮してきて、イェーイとか最高!とか叫んだりするんじゃないですか。でも実際私にそうなられてもファンの方も困ると思いますけど(笑)

――(爆笑)。これまでに、多くのアーティストがライブアルバムをリリースしてきたと思うんですが、ここまで完全収録されているライブアルバムを他に知りません。何故トークを含めた完全盤にしようと思ったんでしょうか。

もし、歌の修正をしだしたら、あっちもこっちも修正しだして、全部修正したくなっちゃうと思うんですよね。だからそのままの形で収録することにしました。スタッフの方から、切りどころを決めて欲しいと言われていたんですが、聴き始めると切るところがなくて、「じゃ、初回限定盤だけはCD3枚組にDVDを付けて4枚組にしましょう」ということにしてもらいました。

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