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じんプラットホーム Special Interview

じんプラットホーム

Special Interview

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微炭酸系ピアノロックバンド、ズータンズのヴォーカリストして活動していたじんがズータンズ解散後に新たにスタートさせたソロ・プロジェクト“じんプラットホーム”。ソロ活動を始めてから2年7ヵ月、シンガーとしてもソングライターとしても着実に成長を続けている彼女が、昨年11月に2ndアルバム『まとめて愛ってことにしちゃ』をリリース。メジャー、インディーズの枠を超えて彼女のもとに音楽仲間たちが集結した本作は、じんプラ流の様々な“愛”に溢れた1作に仕上がっている。

――新作のお話を伺う前にやはり気になってしまうのは、一度聞いたら忘れられないソロ・プロジェクト名なんですが、まずはネーミングのいきさつを教えていただけますか?

“じん”というのは、高校生の頃からの私の愛称なんですよね。バンド時代もずっとそう呼ばれていたんですけど、ソロ活動する際に“じん”だけだとインパクトが足りないかなと思って、そのあとに何かワードをつけようと思ったんですよ。いろいろ考えていた時に“そうだ!プラットホームがいいんじゃないかな”って思いつきまして。それは私が音楽を発信するプラットホームになって、いろいろなアーティストが自由に乗り降りできる出会いの場になればなと思ったんですね。それとダジャレもあって、“じんプラットホーム”で「プラっとお家に帰るような感覚で…」っていう、そういう存在になれたらいいなと。それに省略すると“じんプラ”で、なんか“ガンプラ”みたいでカッコいいなあと思ったんですよ(笑)。

――ソロ・プロジェクトをスタートさせた時、どういうアーティストを目指そうと思ってました?

 目指すということよりも、ズータンズを解散しても歌を続けたいってその気持ちが私の中で一番強かったので、とにかく歌っていくんだっていうその気持ちしかありませんでした。ズータンズの頃は人を感動させるような曲を作らなきゃいけないって勝手に思い込んでいたところがあったんですね。当時のバンドメンバーの鍵盤の鈴木(謙之)さんの書いてくるメロディーに負けないように綺麗な詞を書こうと決めていたりして。だけど、ひとりになってそれを1回リセットして何でも感じたことを書いていこうって思って、「ぐう」っていう“お腹が空いたよ”っていう曲を最初に作ったんです。それを手始めにルールを決めずに自由に曲を作っていきたいと思いました。あとはズータンズの頃はギターレスでピアノ中心のサウンドだったんですけど、ソロになって一番の違いはギターが入ったことですね。さっきも言いましたが自由に曲を作るというところで、こういう音楽性にしようということも決めずに一緒に音を出す人たちと新しい音楽を作り上げていくことだけを考えてました。で、今までやってみたかったミュージシャンに声をかけてその人たちと自然に出てきたものを形にできたらいいなと思っていたんです。最初に声をかけたメンバーとは今も一緒に音を作ったり、ライブをやっています。

――じんプラットホームといえば、自由度のあるポップなサウンドというイメージがありますね。

 はい。メンバーのみんなが私が書いた曲を尊重してくれるので、曲が持っているポップさを引き出してくれているんだと思います。

――1stアルバム『しゃべりたりない』を踏まえつつ、今回の2ndアルバム『まとめて愛ってことにしちゃ』をどういう作品にしたいと思っていましたか?

 1stアルバムはズータンズではない“じんプラ”としてどういうふうに見せていくかっていう試行錯誤の中で、がむしゃらに作ったという感じですね。いろいろ試しながらホントに一生懸命作りました。で、今回の2ndアルバムに関してはいい曲が揃った作品にしたいと。だから楽曲選びにすごく時間をかけましたね。最初にディレクターから「全曲、いい曲を書いてほしい」と言われたんですよ。「アルバムだから入っている面白い曲とか箸休め的な曲はいらないから、全部リード曲になるようなベストアルバムという感じの作品を作ってほしい」と。だからもう必死で1stよりも曲をいっぱい書きました。ボツになった曲もいっぱい(笑)。実はもっと前に出す予定だったんですけど、なかなかOKに到達する曲が出来なくて、それで去年の11月にリリースが延びたんですよ(笑)。

――一口に「いい曲」と言われても…。そこは悩んだりしませんでした?

 悩みました。「いい曲」というのは、要は「聴いて一発で覚えられる曲」といったものなんですけど。シングル曲みたいな。頭でわかっているんですけど、難しかったですね。だから浮かんだメロディーを手あたり次第に形にしていくという感じで作っていきました。ディレクターに提出して褒められたらまた木に登って書いていくというか(笑)。だから、本当にやみくもに作ってましたね。いっぱい曲を作っていたのでどんどん調子に乗ってきて、こういうことを言ったらカッコいいな、こういうことを言ったらいい曲なんじゃないかって、自分では本当にそうは思ってないのに飾りっぽい言葉を書いていた時もあって完全に迷走していた時期もあったんですよ。そんな時にたまたま友達に逢うことがあって、その友達が落ち込んでいたんですね。その時、私は落ち込んでいた友達に何を言ったらいいかわからなくてちゃんと声をかけてあげられなかったんです。その状況を想った時、なんかこれってヘンだなって。私は毎日曲を作ってて、曲を聴いてくれる人のために書いていたのに、一番近くにいる友達のことを慰めてあげられないのってヘンだって…。いったい私は今まで何を書いてきたのだろうと。そこでその時に書いていた飾りっぽい言葉で綴った歌詞を全部やめて、その友達のために自分に正直に書いたんですね。それが「だめかな」って曲なんですけど。言葉も拙いんですけど、私が書きたかったことはこういうことなんだって、そこでわかったんですね。それ以降に書いた曲は薄っぺらいカッコいい言葉じゃなくて、ダサくても自分がいいと思えるようなものを作きました。

――「だめかな」の歌詞の中にアルバム・タイトルにもなった“まとめて愛ってことにしちゃ”ってフレーズが出てきますね。

 はい。この歌詞を書いている時にこの1行が出てきて、うまく言葉にできないけど、これが私の正直な気持ちだって思ったんですね。私が伝えたいことってこれだって。“愛”って言葉は凄い硬い言葉だし重たいけど、それを言えちゃうくらい今、こうやってひとりになって歌えるのはみんなのおかげだし、私が愛おしいと思える人たちがたくさんいるおかげなんですよね。本当ならそういうお世話になった人たちひとりひとりに“ありがとうございます”って感謝の気持ちを伝えなきゃいけないのに、そこはちょっと雑にひっくるめてそれは“愛だよ”って言うのは私なのかなって(笑)。だから、アルバムのタイトルにこの一文を使いたいなと思ったんですね。ただディレクターに「“ちゃ”で止めるの?」って聞かれましたけど(笑)。

――あははは。

 そうです、“ちゃ”で止めてくださいって。歌詞にあるように“だめかな”を入れると長くなっちゃうから。それで結局、面白いからいいかってことで決まったんですけど(笑)。実は今回、このタイトルになる前に他にも候補があったんですよ。アルバムの中に「唯一むにむに」って曲があるんですけど、最初はそれにしたいなと思ってて(笑)。“唯一無二”って凄くカッチリした言葉じゃないですか。真剣にあなただけですみたいな言葉だけど、そこにもうひとつ“無二”をつけると、凄く力が抜けるでしょ、“唯一むにむに”って(笑)。

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