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PLAYLIST - プレイリスト

柳原陽一郎 「そうだ、ビートルズ聞こう」 Special Playlist

柳原陽一郎 「そうだ、ビートルズ聞こう」

Special Playlist

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柳原陽一郎 ’s Playlist
そうだ、ビートルズ聞こう
~ビートルズ・ぼくの10曲~


やや遅れてやってきたビートルズ少年の私的ビートルズ体験記という体で。わたしが音楽を聞き始めた頃、ジョン・レノンは大金持ちの主夫だった。ポールは成田でうっかり捕まり、活動を再開したレノンはすぐに暗殺された。ヘビーなロックが廃れて、パンクロックが流行りだし、やがてMTVの時代。ビートルズなんて一昔前のポップバンドだなんて時代、確かにあった。堂々とビートルズをスキだと言えるようになったのは、自分がバンドをはじめた80年代も中盤。取材なんかではジョン派、ポール派どっちですかと問われれば、ラトルズ派ですってはぐらかしていた、そんなぼくのビートルズ10曲です。

「SHE LOVES YOU」

by The Beatles

from 『Past Masters Volume 1』

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はじめてこの曲を聞いたのはジーンズ「EDWIN」のテレビCMだった。当時(70年代中盤)はジーンズブーム。「BIG JOHN」というメーカーではジョン・デンバーののどかな曲をCMに使っていたが、「EDWIN」はビートルズだった。ビートルズの曲ってまずCMには使わせてもらえないらしいけれど、当時はだいじょうぶだったのかしら。オリジナル音源はモノラルだけれど、今さらレコードで聞くとものすごくいい音でびっくりします。「なんじゃ、このやんちゃな音の固まりは!」という意味で衝撃を受けたのはこの曲とピストルズの「Anarchy in the U.K.」が双璧。

「MICHELLE」

by The Beatles

from 『Rubber Soul』

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歌詞がフランス語ということにまずぶっ飛んだ。フランス語の歌でわたしが始めて憶えた歌はソフトエロ映画「エマニエル夫人のテーマ」。エマニエル夫人というかシルビア・クリステルの人気は70年代当時凄かった。フランス語の歌詞をカタカナに直した「エマニエル夫人のテーマ」を教室で歌っては、クラスメイトを笑わせていた。で、同じ頃ビートルズを聞き始めると「MICHELLE」という歌をポールがフランス語で歌っている。ポールもぼくと同様、フランス語にエロの雰囲気を感じ取ったのだろうと勝手に思った。

「HELP!」

by The Beatles

from 『Help!』

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中学1年の時にオーディオ部に入った。顧問の先生(技術家庭科担当)が変わり者で、授業のない時は準備室でいつも昼寝していた。その先生は音にうるさくて、オーディオ部の試聴会の時にはポール・モーリアのレコードの音質をけなしまくり、カーペンターズ(というかA&Mレーベルのレコード)の音質を褒めちぎっていた。音楽ではなく音質を鑑賞するという世界があることを知って驚いた。先輩たちはそんな先生に恐れおののいて、ビートルズやクラシックの名盤をかけてお茶を濁そうとしていたのだが、その時聞いたのがこの曲である。イントロ無しでのHELP!の叫びに感動。やっぱり音楽は音質じゃないってば。

「LET IT BE」

by The Beatles

from 『Let It Be』

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小学校の頃、東芝のコンポステレオ「ボストン」のCMのバックで歌っていたのがビートルズで、曲はこの「LET IT BE」だった。たしか、カラーテレビと鉄道模型のあった西村くんの家でこのCMを見たのだ(お目当てはウルトラセブンの再放送だった)。魔法使いのおばあさんのような後期ジョン・レノンを始めて見たのもこのCM。中学生になるまでジョンのことをずっとジョン・レモンだと思っていた。リンゴさんという人がいるからレコード会社がアップルレコードなのかなとも。俳優にジャック・レモンという人もいて、外人の名前はフルーツばっかりだと思った。

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「BAD BOY」

by The Beatles

from 『A Collection Of Beatles Oldies』

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中一の時、生涯2枚目に買ったアルバムがビートルズの初期ベスト盤「オールディーズ」。初めて買ったエルトン・ジョンのアルバムが高級すぎてよくわからなかったので、2枚目は超有名なビートルズを買ったのだった。この「オールディーズ」、ビートルズの初めてのベスト盤だが、早くも「オールディーズ」=懐メロ、と名付けているところ、素敵ですねえ。このアルバムに初収録の「BAD BOY」が一番スキでした。カバー曲だけれど、ノリノリなヤンキー感がハンパないっす。基本、ヤンキー系は人間も音楽も苦手なのですが、この曲は例外。カバーだからこそ、ジョンの歌の巧さもよくわかる1曲。

「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」

by The Beatles

from 『Magical Mystery Tour』

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いわゆるハイな感じというか、イッチャッテル感じというか、そんな状態で仕事(レコーディング)ができるのかなとも思うのだが、何をやっても許される天才にはできるんだろうなあ・・・。「ぼくをイチゴ畑につれてって、真実なんてなんもない、目を閉じれば楽になる、どうせこの世はまぼろしさ」なんて歌詞、この曲以前のポップスにあったのかどうか。そんな歌を世界規模で売れている若造たちが奏でるのは、すごいことだっただろう。ちょうど人生の無常に目ざめる頃の自分にも至極フィットした曲だった。Anthologyに収められたデモバージョンも美しい。

「I AM THE WALRUS」

by The Beatles

from 『Magical Mystery Tour』

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「おサイケ感」満載な1曲で、はじめて聞いたのは、ああ、高校1年の時だったか。中学でビートルズの初期と後期を聞いて、だんだん中期を聞き始めたのが高校の頃。その頃にはもう、ヘビメタやツェッペリンやクイーンやパンクロックさえ世の中にはあったけれど、この曲がやはり一番スキで、そして今でも多分世の中でいちばんスキなのはこの曲だろうなあ。この曲を聞いてた頃はドイツのノイズ系なんかも聞いていたのだが、「I AM THE WALRUS」はそんな曲と一緒に聞いてもまったく違和感がなかった。レノンの歌詞はジョージによればリバプールで古くからある下衆なフレーズの寄せ集めみたいなもんらしいけれど、ルイス・キャロルのナンセンス詩にも通じるレノンのシュールな歌詩はいつもぼくをトリップさせてくれた。

「I’LL FOLLOW THE SUN」

by The Beatles

from 『Beatles For Sale』

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70年代から80年代に東京12チャンネルで「アニメ・ザ・ビートルズ」というアメリカのアニメがよく再放送されていた。どうってことはないアニメだったような気がしたけれど、「I’LL FOLLOW THE SUN」の回のアニメがかっこよかった。ゴッホのひまわりのような太陽の絵だったかな?この曲は自分でもカバーしたことがあるのだけれど、歌の頭の2小節のGからF7にいくメロディがなんともエキゾチックで、一瞬にしてピースフルな世界に連れていってくれる。ポールのメロディのマジックだ。

「DON’T BOTHER ME」

by The Beatles

from 『Meet The Beatles』

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今ではあまり考えられないけれど、当時ビートルズのアルバムは本国イギリス盤、アメリカ盤、日本盤で収録曲が違うのだった。ぼくがよく通っていた調布の「トキワレコード」のビートルズコーナーでも3カ国の編集盤が入り乱れていて、ぼくが買ったビートルズのデビューアルバムは日本での編集盤「ビートルズ!」というものだった。その中でもっともよく聞いたのはなぜかジョージのこの曲。「じゃましないでくれよ」というちょっと気弱なチンピラ感がたまらない。ジョージが曲をたくさん書き始めるのはこれからずっと後の話だけれど、この曲は名曲だと思う。ギターのリフも洒落てるし、ビートルズで一番とっぽいバンドマンの雰囲気を持ってるのはジョージだと思うのだが。

「TICKET TO RIDE」

by The Beatles

from 『Help!』

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ここまで10曲選んできて、ぼくが一番スキなホワイトアルバムからは一曲も選ばれていないのが不思議だ。曲単位で選ぶとなると他の名曲の存在が大きすぎるのだろうか。さて、この曲を最初に聞いたのはカーペンターズのバージョン。で、作曲はレノン・マッカートニーということを知って、ビートルズのオリジナルを聞いたのだった。リズムが結構重たいし、コードも頭からずっと一つのコードで、後のブリティッシュロックの元祖のよう。彼らのキャリアの中でも一番忙しい時期だったはずなのに、素晴らしい曲を素晴らしいテイクでよく残してくれたとジョージ・マーチンに感謝しても、し足りない。初期のスタジオライブのような作品も、後期の録音に凝った作品も素敵だけれど、実験精神とバンドマンとしての瞬発力が見事にかみ合った中期の作品群がやはりぼくはスキだと今回再確認した次第。

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