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特別企画 History of Char 1955~2015  デビュー前から還暦イヤーとなった2015年までの全てを語る

特別企画 History of Char 1955~2015 

デビュー前から還暦イヤーとなった2015年までの全てを語る

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【特集 History of Char 1955~2015 Part.1】
Live Report
「The 六十th Anniv. “ROCK+”CHAR LIVE IN 日本武道館」

豪華ゲストが一堂に会した還暦前夜のROCK+(六十)祭。
(2015年6月15日、日本武道館)

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 『ROCK+』のレビューにも書いたことだが、Charは唯一無二のギタリストであると同時に、非常に魅力的なヴォーカリストである。そして10年ぶりのオリジナル・ニュー・アルバム『ROCK+』は、これまでで最も“歌を聴かせること”に重きを置いた作品であった。
そのアルバムの、Char曰く「発表会」がこの「The 六十th Anniv. “ROCK+”CHAR LIVE IN 日本武道館」。それはまさしくCharの“ギター”と、そして“歌”の魅力を存分に味わえるものとなったのだった。

 ライブは『ROCK+』の楽曲提供者及び参加ミュージシャンが次々に登場し、1曲ずつCharと共演するというもの。だが、そうした構成であることも、楽曲提供者たちがゲストとして出演するということも、事前発表はされていなかった。勘のいいひとなら、『ROCK+』の発表直後に行なわれる還暦前夜ライブなのだから、アルバムに参加した何人かはもしかしたら来るんじゃないかと予想していたかもしれない。が、まさかほぼ全員が出演するとは思っていなかっただろう。また、観客全員が事前に新作『ROCK+』を聴いて来ていたわけでもない。だから、思わぬ大物ゲストがステージに登場する度に、どよめいたり、キャーっという黄色い声がとんだりもして、そうした多くのひとたちの驚きや興奮が会場の温度を上げることに繋がってもいた。

 開演時間ピッタリ……いや、確か3分くらい前にはもう、ステージにバンドメンバーとCharが登場した。バンドはこの日だけのスペシャルな編成だ。ベースが澤田浩史で、ドラムが古田たかし。リズム隊のそのふたりは長年Charと一緒にやってきたミュージシャンだが、Charともうひとりのギターには『ROCK+』の楽曲提供者のひとりでもある佐橋佳幸が迎えられた。それからキーボードにDr.kyOn。そしてコーラスに紅一点、福原美穂。つまり、ゴリゴリのロックではなく、洗練されたポップやソウルのニュアンスも出せる華やかさを有したバンドということだ。
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 主役のCharがステージ中央に立ち、「イエー!」と一言。それを合図とし、いきなり初めのゲストが袖から出てきた。泉谷しげるだ。曲は「カタルシスの凱旋」。バンドの大らかな演奏に泉谷の乱暴なアコギが合わさったその上で、Charは熱くそれを歌う。声は実に伸びやかで、強い。「お前の力がいま必要なのさ」という歌詞の一節を歌う際には、泉谷のことを指さした。そんなふたりを観ながら僕が思い出していたのは、あれは1979年か1980年くらいのことだったか。ふたりの共演ライブというのがその頃にあったのだ。泉谷には男性ファンばかりがついていて、Charには女性ファンが多くついていたが、泉谷はその当時からCharの内面にある男っぽさ、激しさを高く買っていた。だからこそ今回も「カタルシスの凱旋」という大陸的な曲を提供して、「うぉーうぉー」と吠えるようにCharに歌わせたのだろう。曲の後半、「いまの時代を越えてやる」という決定的なフレーズのあとには、「うぉー・うぉー、いまを」と繰り返し、それを観客にも歌わせるChar。まだ1曲目なのに胸が熱くなる。演奏が終わると珍しく泉谷は何も言葉を発することなく、おとなしくステージを去った。「今日はどうもありがとう! これで終わりです」と、“らしい”冗談を言うChar。
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 続いてはこの日のバンドメンバーでもある佐橋佳幸をフィーチャーしての曲「Still Standing」。ここではレコーディングにも参加したスカパラホーンズ(NARGO、北原雅彦、GAMO、谷中敦)も後ろに並ぶ。シティ・ポップ的な洗練された味わいを持つこの曲、ライブとなるとグルーヴが際立って実にかっこいい。ホーンの高らかな鳴りがまたダイナミックだったし、佐橋とCharのソロの掛け合いも熱を持っていた。
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 次に登場したのは布袋寅泰。インスト曲「Stomy Heart」でCharと布袋の白熱したソロの応酬が見られた。火をふくギターとギター。そのスリル。その熱量。因みにCharによれば、布袋はこのためにはるばるロンドンから来たそうだが、尊敬するCharと同じステージに立てるのだから、布袋にとってそれは喜び以外の何物でもなかっただろう。
(「こう見えてCharさんと会うときはいつも緊張してるんです」と映像コメントでも言ってたっけ)
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 白熱した場面から一転して、次はゆるやかに。Dr.kyOnがアコーディオンを弾き、ムッシュかまやつが登場して、ふわっと「Gでいくぜ」が始まった。その力の抜き加減はさすが大ベテラン。笑顔での演奏のあと、ムッシュは「Char、コングラッチュレーション!」と言い、Charはパリ風の曲調を受けて「メルシーボークー!」と返した。
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 続いては石やんこと石田長生の提供曲「ニッポン Char,Char,Char」。石やんはこの日、病気療養中のため会場には来られなかったが(*2015年7月8日、永眠)、Charは「今日は来れるひとと来れないひとがいるんですけど、次のひとは別の場所でいま頑張ってます。石やんにみんなでエールを送ってください」と話し、「石やんのいる神戸に届くくらいの声で! いくぜ!」とも言って力強くその曲を演奏。曲を終えると「石やん、おおきに!」と叫んだ。

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 そのあと「今日はドラマーとして参加のひともいます」とChar。するとドラムセットが乗った台車が袖から登場。座っていたのは奥田民生であり、一緒に乗っていたのはハマ・オカモト(OKAMOTO’S)だった。曲は民生が提供したシンプルなロケンロー「トキオドライブ」で、Charは手でフリをつけたりもしながら歌っている。全員が楽しそう。曲途中のブレイクのあと、民生はドラムの台から降りてギターを抱え、続きを弾きだした。また終盤ではハマのベースもフィーチャー。クリーム「サンシャイン・オブ・ユア・ラブ」のフレーズなんかも織り交ぜながらこの日の最年少であるハマはしかとアピールした。
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 ここでCharとバンドメンバーたちは一旦ステージを去り、スクリーンには『ROCK+』に曲を提供した12人のアーティストのコメント映像が流れる。どのひとの言葉もCharに対する敬愛の念がこもったもので、このライブの意味と意義が改めて伝わるものだった。

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