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NONA REEVES Radio&Web『BLACKBERRY JAM』Interview

NONA REEVES

Radio&Web『BLACKBERRY JAM』Interview

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《ラジオOA情報!!》
西寺郷太、奥田健介、小松シゲル3人揃ってラジオに登場!!
NONA REEVES『BLACKBERRY JAM』SPECIAL
放送日程:3月28日(月) 24:00~25:00(再)
《出演》NONA REEVES (西寺郷太/奥田健介/小松シゲル)
FMおだわら(78.7MHz):http://fm-odawara.com/

※この番組はインターネットでサイマルラジオ、スマートフォンでTuneIn Radioなどのアプリを通して全国で聴取可能です。サイマルラジオでお聴きになる場合は、以下URLにアクセスしてください。
http://www.simulradio.info/asx/fmodawara.asx
参照リンク:サイマルラジオを聴くには?




ノーナ・リーヴスのニュー・アルバム『BLACKBERRY JAM』が完成した。ここ数年、プロデュース業のほかにソロ・アルバムやミュージカル音楽の制作などでさらなる真価を発揮している西寺郷太のみならず、ギターの奥田健介、ドラムスの小松シゲルもライヴ/レコーディングのセッション・ミュージシャン、サポート・プレイヤーとして多忙を極めるなかで編まれたこのアルバム。最新型のノーナ・リーヴスは、さて、いったいどんな方向に転がっていったのか? フロントマン(not リーダー)、西寺郷太に訊く。

──前のアルバム『FOREVER FOREVER』から2年ぶり……まではないですね。

1年9か月ぶりですね。『FOREVER FOREVER』を作った2014年の前半という時期は、僕のソロ・アルバム『Temple St.』が出たり、前の年の暮れにSmall Boys(堂島孝平とのユニット、のちに藤井隆が正式加入)のセカンドを出したり、僕がプロデュースしたbump.yのアルバムも出てたり、とにかくバタバタしてたんですけど、今回もそんな感じで。

ノーナ・リーヴスの2014年作『FOREVER FOREVER』

──錦織一清さん演出のミュージカル「JAM TOWN」の音楽もやられてましたもんね。

そう、『BLACKBERRY JAM』は、その「JAM TOWN」の楽曲制作とめっちゃ重なってたんで。その前は「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い」「プリンス論」って二作、本も書いてたんで。なんかね、ノーナのスケジュールって、嫌がらせかっていうぐらいいちばん忙しいときにぶつけてくるんですよ、ホントに(笑)。プライヴェートでは夏のど真ん中に娘が産まれ、3日後に6歳の長男と暮らしながらアルバムの曲出し(笑)。いままでにないぐらいタイトなスケジュールでやりましたね。あ、V6の39曲のシングルをつなげた39分のメドレー、「39シンフォニー」も大きい仕事でした。それも夏の頭に集中してやりましたね。ともかく時間がなくて。

──そういうなかでノーナの制作モードにシフトしていくのはたいへんではなかったですか?

ノーナの場合、他の2人のスケジュールがライヴ・サポートとかで半年先、1年先まで押さえられてしまうし、ぶっちゃけ、それぞれ三人ともそこで必要とされて、ビジネスとして独り立ち出来ているところもあるから、こういうスケジュールになるのは仕方ないんですけどね。まあ、それは思い描いてたプラン通りだし、それでぜんぜんいいんです。ただここ2、3年は、“ノーナ・リーヴス”っていうのが僕の思い通りにならない場所になってるっていうのは感じますね。それは良い意味ですけどね。ミュージカル音楽を作ろうが、V6や、藤井隆さんや、吉田凜音ちゃんをプロデュースをしようが、なんというのかな、それは役割がそれぞれ決まっているからというか。あくまでもプロとして。例えば音楽的リーダーである僕の思い通りに、こういうふうに道を作っておけば“水”は高いところから低いところに、自然にこっちに流れるだろうって、イメージできるんですよ。全体的にプロジェクトが進むべき方向に、ある種のマインドコントロールのような形で進めさせる能力が自分にはすごくあると思ってるし、そうじゃないとプロデューサーや音楽監督なんて名乗れない。とくに何十人も関わるプロジェクトなんかだと。そういう意味で、すごくイイ仕事してきたと思うんですよね、ここ何年か。

──概ね任せてもらえる仕事だからっていうことで引き受ける作業も多いでしょうしね。

そうなんです。でも、ノーナだけがまったくコントロールできない(笑)。奥田や小松の2人にしたって、佐野元春さんや、堂島孝平くん、レキシ、オリジナル・ラブ、中田裕二くん、まぁ書ききれないですが、いろんなミュージシャンと単なるサポート・メンバーを超えた濃い関係の中で素晴らしいプレイをしてるんですけど、でも極めればそれは佐野さんのプロジェクトであり、池ちゃん(池田貴史)のプロジェクトであり、堂島のプロジェクトであり、最終的な大将はハッキリしてるわけじゃないですか。何か仮に意見が分かれてモメたとしても、そりゃあ大将の言うことが正しいって結果になる。だから、うまく進むところもあると思うんですよね。まあ、僕が他でやってる仕事もそうだと思うんですよ。一応、この件では西寺郷太をリーダーとして進めますね、と。

──なるほど、たしかに。

ノーナの場合はそれが一切ない……(笑)。たまに“西寺郷太が率いる”とか書かれて、そのたびに否定してるんですけどね。僕はノーナの言い出しっぺであり、彼らを誘ったし、曲もたくさん作ってきたとはいえ、リーダーではないんですよ。三者三様、三権分立というか。かといって音楽的にモメることはあんまりないんですけど、ここ数年僕の立場からすると、一番思ってもみない方向にギュンギュン進んでいくのがノーナで。思い返せば、まだ『POP STATION』の頃、2013年の頭くらいまでは僕主導というか、まず自分がやりたいことをぶつけていって、その後で奥田が変化球を出してきて、小松がジャッジするみたいな、いままで歩んできたノーナ・リーヴスの歴史のなかにあった気もするんですけどね。やっぱり僕がソロを作っちゃったっていうのも心境変化として大きかったんだろうな、と。僕が『Temple St.』を作っちゃったがゆえに、よりノーナが3人の色を、ホント平等に帯びてきたっていうか。

──ノーナ・リーヴス“だけ”をやってるメンバーが本当にいなくなったという。

ですね。ノーナは、曜日で言うところの土曜日、日曜日みたいな存在になってて、月〜金は違うことしてるみたいな(笑)。まあ、今回は曲順も小松が決めたし、タイトルも僕がいくつか出したなかから小松が決めたし。何かその、僕も昔だったら“オレはこう思う!”みたいなのがあったんだけど、ワーナー時代『アニメーション』とか『ディスティニー』の頃とかは。コンセプトありきみたいな。でも、14枚目にしてそういう作り方も飽きてきたというか(笑)。僕の考えてる方向にただ進んで行くのはつまんないなって……それは『FOREVER FOREVER』あたりから思ってたっていうのは正直ありますね。あのアルバムもタイトルを3人でスタジオでやいのやいの笑いながら考えたり。「『FOREVER』って解散するみたいだな、じゃ二回続けよう」「いいね」とか。今回の『BLACKBERRY JAM』は、それの行き着いたさらに先。良い意味で自分を超えていった作品になってると思いますね。

──それも、思いがけないぐらい?

西寺郷太の2014年作『Temple St.』

そうそう。それで今年も終わり頃にまたソロをやるつもりなんですけど、それというのもやっぱ僕自身ソロに味をしめちゃったところがあって(笑)。『Temple St.』は、今も本当に作って良かったと思ってるし、すごくおもしろかった。ジャケから何から。ロスに旅して、ティト・ジャクソンの家でレコーディングしてみたり。やっぱりジャクソンズへの思いとかって、いくら小松や奥田でも俺と同じではないから。宮川弾さんや、冨田謙さんとの関わりも今までのノーナありきの場所とは違って。自分でもこういうことができるんだなっていう発見があって、大事な作品になったんですけど、その3か月後に思いっきりジタバタしながらノーナの『FOREVER FOREVER』が出たとき、あたりまえなんだけど、ノーナにはノーナにしかない何か、パワーがあるなって感じたんですよ。それまで十数年は、自分が作詞作曲して、歌うっていう場所はノーナしかなかったので、当たり前だったんですが。ノーナが三人互角に共存してる奇跡を大切に守るべきだって。プロになって20年近くで、もうそこまで対等な関係ってなかなか築けないはずだから。そういう意味でも、だからこそ今回は、ノーナがなんだかんだ続いてきた運命というか運の良さを享受したいという気持ちが強かったですね。奥田、小松もそれぞれ同じような心境だと思いますよ。

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