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THE BASSONS 『WE ARE THE BASSONS』 Special Interview

THE BASSONS

『WE ARE THE BASSONS』 Special Interview

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遡ること7年前。DARTHREIDERがブログで発信した「バンドをやりたい」というメッセージに反応したNongTang(ベース)と、彼が連れてきた山崎剛史(ドラム/元メレンゲ)によって結成されたバンド、THE BASSONS。バンド名はベース音に由来し、読み方は「ベーソンズ」。このバンドでDARTHREIDERはRei Wordupという名前で歌を担当している。結成後はスタジオでのジャムセッションから始め、徐々にライブにも出るようになった矢先、DARTHREIDERが脳梗塞で倒れて活動がストップ。病床から復帰後はデモテープを作る段階にまで漕ぎ着けるも、今度はメレンゲのレコード会社移籍により山崎が抜け、活動停止を余儀なくされた。しかし、昨春の山崎メレンゲ脱退を機に「一度もリリースしてないのに再結成(笑)」。ついに完成したファーストアルバム『WE ARE THE BASSONS』では、個々の小宇宙を爆発させ、リズム隊と歌のみという編成からは考えられないような多彩かつエネルギッシュなガレージファンクを鳴らしている。ラッパーとして長く活動してきたDARTHREIDERが、なぜ今、バンドで動き出したのか。彼にバンドの姿勢や本作制作の思いを語ってもらった。

——今回訊きたかったいちばん大きなことは、なぜこのタイミングでバンドを本格的に始動させたのかっていうことだったんです。ダースくんはバトルMCの司会やレフェリーというイメージが強いし、バトルMCのシーンはここ1、2年ですごく盛り上がってきている。その時期にバンドで、しかもヒップホップではなくファンクをやるというのは、どういう意図からなんですか?

もともとバンドはやりたかったんです。それはマイクを持つ前、10代のときから。そもそもはビートルズを聴いていろんな音楽にハマっていって、でもギターを買ったが弾けず、ピアノも弾けず。学生時代、バンドのボーカルと言えばクラスでいちばんカッコイイ奴とかトンガった奴とかで、俺はそういうタイプじゃなかったから、俺がボーカルでバンドやろうなんておこがましくて、その気持ちは抑えてたんです。

——もともとはバンド少年だったんだ。

厳密には、バンド少年ア(↑)コガレですね。そんなときにラップしてる人を見て、「これだったら楽譜を読めなかったり、楽器が弾けなくても音楽できるじゃん」っていうことでラッパーをめざしたんです。そっちの道でリリースを続けてきて、楽しい思いもいっぱいさせてもらったんですけど、逆にここまで来ると、最初に気にしてたようなことって、実は気にする必要もないことなんだっていうのがわかってきて、「じゃあ、バンドできるじゃん」って。かつ、今回の音は「ヒップホップです」とは言えないと思っていて。今まで僕がやってきたところと違う畑の人に聴いて欲しいっていうのもあったから、もう完全に新人バンドとして行こうと思ったんです。

——このバンドで継続的に活動していこうと思ってるんですか?

しばらくはこっちでしか音楽はやらないと思います。こっちのアイデアがいっぱい出てくるんで。

——ただ、よくよく考えると、本作はDARTHREIDER名義の『SUPER DEAD』(2012年)以来となるオリジナルアルバムなんですよね。テレビやネットなど、メディアにはたくさん出てる印象があるけど、実は音源リリースは久しぶりで。

そこもジレンマになってたんです。ブラックスワンを運営するようになってやることがいっぱいあって。「KING OF KINGS」もプロデューサーとして参加してるし、「高校生ラップ選手権」もオーディションから関わらせてもらっていて。そっちはそっちでDARTHREIDERとしての人格でやっていくんだけど、音楽を作る作業から離れ過ぎちゃってるなぁって。かつ、今はトラックにラップを乗せるという以外のものをやりたいんですよね。

——その欲求に素直に従ったのが今回の動きだと。

そう。あと、今回のRei Wordupっていう名義はほぼ本名で。ここまで音楽をやって来たら人生の選択肢として音楽以外の道はないだろうと。そうなったときに本名でやったほうがいいかなっていう気持ちにもなって。バンド仲間の年上のギタリストのおっちゃんに、本当に自分の好きな音楽をやるときは本名でやるほうがいいよって、前から言われたりもしてたんですよ。なので、ヒップホップ的な動きのときはDARTHREIDERにして、自分本来の音楽性を発揮する場は、このRed Wordupでやろうと思ってるんです。

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猪又 孝 / TAKASHI INOMATA

1970年生まれ。音楽ライター/エディター。小4のときにビートルズ「HELP」にヤラれ、19歳のときにロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズに心奪われるも、22歳でいきなりサザン・ソウルに開眼した、我ながら雑食家。現在は邦楽のソウル/R&B/ヒップホップを中心に執筆。でも、カワイイ& カッコイイ女の子もダイスキ。オフィシャル取材などで馴染みがあるアーティストは、加藤ミリヤ、Zeebra、SKY-HI、東方神起、三浦大知、RIP SLYME(五十音順)等々。

 
 
 
 
 
 
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