MUSICSHELFトップ > インタビュー・プレイリスト > 猪又孝のvoice and beats > SALU

猪又孝のvoice and beats

SALU 3rd Album『Good Morning』 Interview

SALU

3rd Album『Good Morning』 Interview

(ページ:1/4)

申年にSALUがサルー(乾杯!)なアルバムをつくりあげた。前作『Comedy』から約2年ぶりとなる新作『Good Morning』には、個性派女性シンガーや時のクリエイター、音の名匠たちを多く招聘。中島美嘉、Salyu、tofubeats、kenmochi hidefumi(水曜日のカンパネラ)、SHINCO(スチャダラパー)、MACKA-CHIN、mabanua、黒田卓也など、豪華な顔ぶれが揃う意欲作となった。しかも今回はSALUを世に送り出した盟友BACHLOGICの手を一旦離れ、自身でトータルプロデュースを敢行。元来のキャッチーなセンスが発揮され、歌詞も音も、従来のSALUのイメージを大きく覆すものへと変容。明度・彩度共にUPし、晴れ晴れしくて、透明感があって、温かみがある一枚になっている。「今回のアルバムはセルアウト」。胸を張ってそう語るSALUの真意と野心とは?

——前作からの2年間は、SALUくんにとってどんな期間でしたか?

長い夜でしたね。ずっと曲作りを続けてたんですけど、「これじゃない、あれじゃない」「じゃあ何がやりたい?」「いや、それじゃない」みたいな。2年の内の最初の1年はそんな感じでした。

——昨年、SALU & the dreambandgun-joという名義でEP『CALM』を出しましたが、あの作品つくりが本作にもたらしたものはあるんですか?

ひとつの区切りみたいなものにはなりました。ああいう方向性でやりたいことはひとまずやれて先が見えた。じゃあ、自分のアルバムで何をやりたいんだろうっていう。あの発売が去年2月で、そこから3ヶ月後くらいまでが夜の期間だったんです。

——夜が明けたキッカケは何だったんですか?

受動的だったんだと思います、それまでは。それが能動的に変わったというか。自分がやりたいこととか、自分がめざしたいものとか、『Comedy』を出したあと自分でもわからなくなっちゃっていたんですね。でも、僕はメジャーという、いろんな人に音楽を聴いてもらえる環境にいるんだと。そのチャンスがあるんだと。そこでラップで何をしたいのか。そんなことを考えているうちに「悩んでる場合じゃない」「というか、もう時間がないぞ」「じゃあ、今日、いや今、何をすべきなんだ?」というふうに気持ちが変わり始めて、とにかく動こう、とにかく録ろうって。そう思い始めたら、2015年の6月に「All I Want feat. Salyu」の原型ができて。そこからは早かったですね。

——実際、「All I Want feat. Salyu」は物静かで上品な曲調だけど、静かに燃える熱さや意志の強さを感じました。

この曲は自分の中で決意したあとの気持ちを歌っていて。言葉の裏側にいろいろ見え隠れすると思います。

——今回は初の全面セルフプロデュースですが、どんなアルバムにしたいと考えていましたか?

前々からいろんな方々と音楽をやるアルバムを作りたいなと思っていたんです。そうなるとアルバム一枚通してまとめるのは、僕かBACHLOGIC(BL)さんってことになると思うんですけど、お互いの役割に決まり事があったわけじゃないし、BLさんとの仲が悪くなったわけでもないし(笑)、タイミングもいいから自分でやりたいなと思って。

——そもそもなぜ、「いろんな人とやりたい」と思ったんですか?

アメリカのヒップホップって、たとえばテイラー・スウィフトとケンドリック(・ラマー)が共演曲を出すとか、そういうことが日常的に行われていて。ラップを始めた頃はそういうことに憧れてたんです。けど、ひた走ってるうちに、いつの間にか他のことに目がいって、その思いを忘れていて。だから今回は、できれば全曲違うプロデューサーとやって、フィーチャリングも他のシーンで活躍されてる方やラッパーじゃない方、トラックメイカーじゃない方にも参加してもらえるようなアルバムにしたいと思ってたんです。あと、とにかく明るいものを作ってみたかったんですよね。

——今まではどちらかというと暗かったもんね(笑)。

そう(笑)。明暗だと、暗さの濃度のほうが強かったと思うんです。

——葛藤を描くことが多かったから内向的な印象が強かったし。

受動的で内向的でネガティブな感じ。でも、今回は葛藤後のストーリーを描きたかったんです。まあ、葛藤がないとそれもできないわけなんですけどね(笑)。

前のページ (ページ:1/4) 次のページ

ナビゲーター

猪又 孝 / TAKASHI INOMATA

1970年生まれ。音楽ライター/エディター。小4のときにビートルズ「HELP」にヤラれ、19歳のときにロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズに心奪われるも、22歳でいきなりサザン・ソウルに開眼した、我ながら雑食家。現在は邦楽のソウル/R&B/ヒップホップを中心に執筆。でも、カワイイ& カッコイイ女の子もダイスキ。オフィシャル取材などで馴染みがあるアーティストは、加藤ミリヤ、Zeebra、SKY-HI、東方神起、三浦大知、RIP SLYME(五十音順)等々。

 
 
 
 
 
 
《書籍情報》
 
日本語ラッパー15名の作詞術に迫る
『ラップのことば』
SPACE SHOWER BOOKS刊
amazonで購入・試聴する HMVで購入・試聴する タワーレコードで購入・試聴する
https://spaceshowerstore.com/detail.php?goods_id=516

ベストセラー第2弾、日本語ラップを進化させるラッパー15人の作詞術
『ラップのことば2』
SPACE SHOWER BOOKS刊
amazonで購入・試聴する HMVで購入・試聴する タワーレコードで購入・試聴する

https://spaceshowerstore.com/detail.php?goods_id=517