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猪又孝のvoice and beats

STUTS Debut Album『Pushin’』 Interview & Playlist

STUTS

Debut Album『Pushin’』 Interview & Playlist

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ヒップホップ、ソウル、ポップスを自由に往来する新進トラックメイカー/MPCプレイヤーのSTUTS(スタッツ)が、デビューアルバム『Pushin’』をリリースした。JJJ、RAU DEF、KMCといったラッパー勢から、Cero、ザ・なつやすみバンド、ミツメといった今話題のバンド勢とも繋がりを持つ彼が、本作で聴かせるのは90年代ニュースクール系ヒップホップに根ざした温故知新サウンド。ソウルフルで、チャーミングで、アナログな質感の音がほんわかノスタルジーをくすぐるナンバーが中心に並ぶ。ダウンタウンやフリッパーズ・ギターなど、それまでの価値観をひっくり返す才能が次々と現れ、時代の変わり目だった1989年に生を受けたSTUTS。彼もこれからのシーンに新しい価値観をもたらすに違いない。

——2013年にニューヨークのハーレムでMPC演奏による路上ライブを行ったそうですね。そのときの模様はYouTubeにも何本か投稿されてますが、向こうでやってみた感想は?

すごく楽しかったです。ハーレムに昔から住んでるおばあちゃんが「これが本当のヒップホップだ」って言ってくれたり、黒人のおじさんがすごい踊ってくれたり。僕のやってることを大道芸的な感じでマジマジと見るというより、ビートに本当に乗ってくれてる感じだったんで、それがすごく嬉しかったです。自信にもちょっとなりましたね。

——STUTSくんがヒップホップに出会ったのは、いつ、どんなキッカケで?

小6のときに買ったCHEMISTRYのファーストアルバム(『The Way We Are』)が生まれて初めて買ったCDで。その中でフィーチャリングされていたDABOさんのラップを聴いて「なんだこの音楽は?」と思って、ずっとその曲ばっか聴いてたんです。

——川畑要のソロ曲「BROTHERHOOD feat. DABO」のことですね。

そのあとはRIP SLYMEを聴いたりしました。「One」とか「FUNKASTIC」とか「楽園ベイベー」とかの辺りですね。同時にエミネムが流行って、サード(『The Marshall Mothers LP』)を買ったんです。そこにスヌープ(・ドッグ)が入っていて、「この人のラップ、かっこいい」と思って、そこからウェッサイ系を聴いたりとか。そういう感じで中1からはヒップホップばっか聴くようになったんです。

——トラックを作ろうと思ったキッカケは?

中3くらいからラップの歌詞を書くようになって、最初はラップをやろうと思ってたんですけど、ラップをやるんだったらトラックが必要だなと思って自分で作るようになったんです。初めて作ったのは高1ですね。

——機材の調達はどのように?

最初は数千円のドラムマシーンを買ってリズムを作ってたんですけど、サンプリングとかできないんで、SP-303を買って。それでも凝ったことはできなかったんで、その1年後くらいに貯めてたお年玉でMPC1000を買って。それはいまでも使ってます。

——それでパッドを叩き始めたら「こりゃ楽しいぞ」と。

そう。中学高校と寮生活だったんで、情報源が雑誌くらいしかなくて。もう「blast」が頼みの綱だったというか(笑)。

——だとしたら余計にのめり込むよね。トラックメイクが唯一の娯楽みたいな。

そうなんですよ。中学の頃は相部屋だったんですけど、高校から1人部屋になったんで機材を持ち込んで自由にやれるようになって。ただ消灯時間があって、23時になると寮の主電源ごと落とされるんです。だから、学校から帰ってきて夕方くらいにつくったり、23時までが勝負でした(笑)。

——影響を受けたトラックメイカー/プロデューサーを3人挙げると?

3人ですか……。本当にルーツ的なところだと、トライブ(・コールド・クエスト)が根っこにあるんでQティップ。あとはDJプレミアとピート・ロックですかね。

——今日もギャング・スターのロゴTシャツ着てるしね(笑)。

はい(笑)。

——だけど、トライブだとしたらJディラは?

そっか! そう考えるとJディラかも。

——彼らをウマーと一括りにしちゃう手もありだけど(笑)。

だとしたら、Qティップ、Jディラ、ピート・ロックかもしれないです。次点がプレミア。プレミアは大好きなんですけど、自分のトラックを自己分析すると、そっちの3人の影響が大きいかなって思います。

STUTSプレイリスト
「夕方〜夜、仕事帰りに聞きたい10曲」

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ナビゲーター

猪又 孝 / TAKASHI INOMATA

1970年生まれ。音楽ライター/エディター。小4のときにビートルズ「HELP」にヤラれ、19歳のときにロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズに心奪われるも、22歳でいきなりサザン・ソウルに開眼した、我ながら雑食家。現在は邦楽のソウル/R&B/ヒップホップを中心に執筆。でも、カワイイ& カッコイイ女の子もダイスキ。オフィシャル取材などで馴染みがあるアーティストは、加藤ミリヤ、Zeebra、SKY-HI、東方神起、三浦大知、RIP SLYME(五十音順)等々。

 
 
 
 
 
 
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