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猪又孝のvoice and beats

青山テルマ 『PINK TEARS』 Interview

青山テルマ

『PINK TEARS』 Interview

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青山テルマが2作連続で出したミニアルバム『GRAY SMOKE』と『PINK TEARS』が実に面白い。昨年9月発売の前者は、彼女がイメージする男性像を歌い、客演陣や楽曲制作陣、ヴィジュアル周りのスタッフまでオール男性キャストを揃えて制作。対して4月27日発売の『PINK TEARS』は魅力的な女性キャストにこだわり、女性の涙を多角的に表現。敢えて2枚に共通するテーマの曲も収めるなど、非常にコンセプチュアルな連作となっている。サウンドはミステリアスで沈んだトーンの、アトモスフェリック/アンビエント/チル系のR&Bが多く、J-POPとは一線を画す独自のカラーを展開。前々作『Lonely Angel』から行うようになった彼女のセルフプロデュース能力がより逞しくなって開花した印象を受ける。気づけば来年でデビューから10年。今回は2枚に込めた思いと共に、今後めざす方向も隠すことなく語ってもらった。

——今回の2枚はタイトルもコンセプトもすべて自身の発信だそうですが、ミニアルバムを2枚続けて出すという構想は最初からあったんですか?

ありました。構想は去年の夏前くらい。これまでミニアルバムを出したことがなかったので、出すんだったらコンセプチュアルなもので、しかも内容がリンクしてるものを2枚出したほうが面白いだろうと思ったんです。で、わかりやすい括りではあるんですけど、男性/女性というテーマでやろうと。

——それで『GRAY SMOKE』から取りかかったと?

男性の方がフィーチャリングしたい人が明確に見えていたので、男性編から作ったんです。『GRAY SMOKE』というタイトルを最初に決めて、男性のあいまいな部分だったり、グレーな部分をテーマにして作ったら面白いかなって。

——日頃から「男って白黒つけないなぁ」って思ってたんですか? そこに関して、ちょっと言いたい事があるんですけど!みたいな(笑)。

そういうのはないけど、男性にはあいまいな人が多いっていう印象があって。色に例えたときに私の中で男性=グレーっていうイメージが浮かんだんですよね。

——男性の気持ちを作品に落とし込むときに難しさを感じましたか?

今回は全部が全部、男性目線の曲にしていないので、そんなに感じませんでした。あと私は男友達のほうが多いんです。しかも仲良くなると、男友達の10人中10人が私のことを「男だね」って言うんです。「本当おっさんだよね」みたいな(笑)。この前もモテたくてかわいいスタンプを初めて買って、男友達のLINEグループで使ったら「え、キモ」「お前らしくないじゃん」みたいに言われて(笑)。周りからは女の子と見られてないし、普段、男性と話すことも多いから、気持ちがまったくわかんないっていうことはなかったですね。

——『GRAY SMOKE』はサウンド的にどんなものをめざしたんですか?

結構ドープな感じに落とし込みたくて。いい意味でも悪い意味でも、地味な楽曲を並べたものにしたかったんです。

——「stay feat. 清水翔太」は、まさにドープなオルタナティブR&Bですね。作詞作曲プロデュースは翔太が担当していますが、こだわった部分は?

ウチらの声はきっと特徴的だから、声を聴かせるっていうところにポイントを置こうと。そういうウチらが歌ったらどういう曲が思いつくか。売れる・売れないとか、コマーシャル的な考えは1回捨てて、本当に書きたい曲を書いてって伝えたんです。

——この曲は、特に翔太に女性目線の歌詞を書かせたのが面白いと思ったんです。

「女性目線で書いてくれ」っていうオーダーはしてないんです。翔太の曲って、特に恋愛ソングはある種ガーリーな部分があると思っていて。すごくピュアで、あまり男の子が使わないような言葉を普段から選んでるから、自然とそうなったのかなって思ってます。

——kjの楽曲提供&プロデュースによる「on & on」は、レイドバックしたロック調が新味でした。このコラボは意外な顔合わせだと思うんですが、そもそもどんなところから交流が?

もともと私はMEGUMIさんと仲良くて。MEGUMIさんとご飯に行く中で知り合って、建志さんとはちょっと前から「曲をやりたいね」って言う話をしていたんです。で、改めてオファーをしてご飯を食べに行ったときに、彼にR&Bを求めるのはそもそも間違っているし、彼のルーツ……ファンクやソウルも好きって言っていたんで、私はそういう建志さんの色に染まりたいですと伝えたら、建志さんからこのトラックが送られて来たんです。

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ナビゲーター

猪又 孝 / TAKASHI INOMATA

1970年生まれ。音楽ライター/エディター。小4のときにビートルズ「HELP」にヤラれ、19歳のときにロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズに心奪われるも、22歳でいきなりサザン・ソウルに開眼した、我ながら雑食家。現在は邦楽のソウル/R&B/ヒップホップを中心に執筆。でも、カワイイ& カッコイイ女の子もダイスキ。オフィシャル取材などで馴染みがあるアーティストは、加藤ミリヤ、Zeebra、SKY-HI、東方神起、三浦大知、RIP SLYME(五十音順)等々。

 
 
 
 
 
 
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