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猪又孝のvoice and beats

TSUGUMI 1st Solo Album
『LUVPLATE』 Interview

TSUGUMI

1st Solo Album
『LUVPLATE』 Interview

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SOULHEADでデビューしてから14年。ここ数年はLUNAと組んだMaryJaneで勢力的に活動しているTSUGUMIが、キャリア初のソロアルバム『LUVPLATE』をリリースした。MaryJaneではストリート系のヒップホップを前面に押し出していたが、今回は全曲歌モノでラッパーの客演もナシ。ほぼ全編ラブソングで、いくつもの涙を乗り越えてきた女性だからこそ感じる恋愛観、心の機微が綴られている。トラックは全体的に風雅でさらりとした質感。それをSOULHEAD時代から定評があった流麗なメロディーラインと巧緻なコーラスワークが彩る。なんと言っても聴きものはTSUGUMIのソウルフルな歌声。ハスキーな声が実にエモーショナルで幾度も胸を締めつけられる。サウンドには余計な派手さや奇抜さがなく、むしろクラシカルな風合い。歌詞も普遍的だから、時代に左右されず長く聴けるはず。落ち着いてじっくり聴きたい、ファーストにしてクラシックな逸品だ。

——初のソロアルバムがようやくできましたね。

ホントもう何年かかったんだっていう感じで(笑)。

——SOULHEADが活動休止を発表したのは2011年の年末でしたよね。

そのあとMaryJaneを始める前から、いつかはソロアルバムを出したいと思ってて。でも、その頃は特に何かを出す予定もないまま、自宅でソロ用の曲を気の向くままに作っていたの。ラップ曲も作ってたし、歌モノも作ってて。そのうちにLUNAと出会って、ラップを出そうぜってことになり、MaryJaneをやっていくうちにラップ欲はある程度満たされたわけ。じゃあ、今度は歌で曲を作っていこうとなって。

——ソロモードに重心が移行したと。

そう。お姉ちゃん(YOSHIKA[SOULHEAD])もソロでやってるし、LUNAも元々ソロだったわけでしょ。でも、私はソロで闘ったことがないから。1回やらないと自分がよくわからないと思って。

——ソロアルバムを作ると決めて、どんなプランを描いたの?

自分で言うのもナンだけど、私はポップなものからダークなものまで結構いろんなタイプの曲を作れるから。まずはいろいろ作ってLUNAとかに聴かせ始めたの。それが一昨年くらいで、本気でソロをやりたいんだ、LUNAのレーベル (LIL BOOTY RECORDINGS)から出したいんだと伝えて。で、LUNAとマネジャーのDJ MDKに、どういう曲が1枚目に相応しいんだろうって相談しながら3人で考えて選んだ曲たちがこれなんだよね。

——そのときの選曲基準をもう少し具体的に言うと?

無理してない感じ。35歳の私が素直に歌ってる歌声がそのまま伝わりやすい曲調を選んだの。そしたらバラードが多くなったっていう。あと、メッセージにしても歌い方にしても曲調にしても、自分らしさって何だろう?って考えて。TUSUGUMIのパーソナリティを考えたときに、実は自分ってはっちゃけてないのかな?とか思ったのね。自分で言うのもナンだけど、思ってる以上に落ち着いてるのかな、みたいな(笑)。そう考えるとバラードの方が素直に歌えるのかなと思ったんだよね。

——今回は、「MY VISION」をUTA、「So Special 〜You are my love〜」をDUB2(元タカチャ)が手掛けてるけど、他はすべて自分でトラックメイクをしたの?

私がベースを作って、アレンジをHISHIKAWAさん(AKI HISHIKAWA/SOULHEADの楽曲を多数制作)にやってもらいました。トラックは私より長けてる人が作った方が良いものになるだろうと思って。

——全体的に今回のトラックは正攻法というか、きれいできちんとしてるなと思ったんだよね。

それはHISHIKAWAさんに因るところが大きいと思う。HISHIKAWAさんがアレンジする前の段階では、たとえば「LOVE」ももっとデコボコしてたんだけど、HISHIKAWAさんのトラックが多くなるにつれ、きれいになってくるというか。なんか「マジメ」って感じでしょ?

——そう、マジメ。アクがないというか、さらっとしてて。良識派っていうか。

でも、1枚目なんだからマジメにしようと思ったの。あと、私は声や歌い方にクセがあるからトラックであまりクセを出さなくても大丈夫かなって。それをやっちゃうとゴテゴテになっちゃうかな、みたいな。

——だからこそ、今回は長く聴けそうなアルバムだとも思ったし。

ありがとう。流行りやジャンルで歌を聴いていない人たちに聴いてもらえるようなものにしたかったんだよね。「声」っていうものを聴いて欲しいと思ってたの。

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ナビゲーター

猪又 孝 / TAKASHI INOMATA

1970年生まれ。音楽ライター/エディター。小4のときにビートルズ「HELP」にヤラれ、19歳のときにロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズに心奪われるも、22歳でいきなりサザン・ソウルに開眼した、我ながら雑食家。現在は邦楽のソウル/R&B/ヒップホップを中心に執筆。でも、カワイイ& カッコイイ女の子もダイスキ。オフィシャル取材などで馴染みがあるアーティストは、加藤ミリヤ、Zeebra、SKY-HI、東方神起、三浦大知、RIP SLYME(五十音順)等々。

 
 
 
 
 
 
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