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猪又孝のvoice and beats

ANARCHY 『BLKFLG』 Interview

ANARCHY

『BLKFLG』 Interview

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ANARCHYが約2年ぶりとなるアルバム『BLKFLG』を完成させた。今回の大きなテーマは、闘争心や反発心、束縛からの解放。けれど、ここでのANARCHYは尖った言葉で武装し、敵対心剥き出しで戦っているわけではない。むしろ、自身の苦悩や孤独を自嘲の色を浮かべながら歌い、人生を謳歌しようとメッセージ。小学生にもわかるようなやさしい言葉で物事の本質や核心をシンプルに突くワードセンスや、時折ロマンティックでセンチメンタルな顔が覗くポエティックな表現は、誤解を恐れずに言えば、忌野清志郎やザ・ブルーハーツに近いものがあるように思う。本作ではそのブルーハーツの「チェインギャング」をリメイクしているが、なぜ歌おうと思ったのか。またEXILE TRIBE総出演の映像作品「HiGH&LOW」に参加した真意とは? CD付属のDVDに収録された「BLKFLG the Movie」ではイメージと違う普段の立ち居振る舞いをオープンにしたANARCHY。今の彼は一体どんなモードなのか。本作に隠されたメッセージを探る。

——前作から本作までの2年間はどんな年月でしたか?

結構充実してたっすね。前作のあとの一年間はライブ活動をして、もう一年でアルバムを作った感じなんですけど、アルバムを作りながらドラマ(「HiGH&LOW」)にもチャレンジさせてもらったりして。もともと時間をかけて作りたいなと思ってたんです。今まで長い期間を取ってアルバムを作ることがあまりなかったんで。二年は空けたいと思っていたんで計算通りです(笑)。

——渋谷にアドトラックを走らせるなど、華々しいメジャーデビューでしたよね。だから畳みかけるようにリリースしてくるのかな?と思ってたんですけど、実際はそうじゃなく。

そう思われてるのもわかってたし、出したい気持ちもあったんですけど、そこは我慢して。待ちに待って欲しいな、楽しみにして欲しいなって。

——欲しがらせるために敢えて焦らそうと(笑)。

そう。あと、『DGKA』と『NEW YANKEE』は結構延長線上にあったアルバムやったんで、その流れを切りたかったんです。原点回帰というか、もう一回新たな気持ちで作ろうと。『NEW YANKEE』もそういう気持ちで作ったつもりなんですけど、メジャーデビューということもあって、やっぱりチャレンジの方が多くて。

——確かに今回は改めて自己紹介するような曲が多いですよね。「俺はこういう男です、こういう考えを持ってます」っていうことを伝えようとしてる。

そうですね。この2年はいろんな人が自分にいろんなことを言ってくれて、自分を見直す期間でもあったんです。それでちょっと原点に戻った部分もありますね。

——アルバムを作るにあたり、最初はどんなプランを練ったんですか?

最初は、『NEW YANKEE』のときのように、「こんなこともできる、あんなこともできる」じゃなくて、自分がかっこいいと思うものと、より音楽性を高めたものを作りたいっていう気持ちで曲を録り溜めていったんです。今回の新しいロゴができるまでは、全体像はまだ見えてなかったです。

——旗をモチーフにしたこの新しいロゴは、どれくらいのタイミングでできたの?

アルバムを半分以上作ってからですね。

——そのときに『BLKFLG』というタイトルを決めた?

そうです。これを見たときにピンときて。最初は、ただ単に「ANARCHYのロゴを新しく作ってください」ってお願いしたんですよ。

——そしたらデザイナーさんが勝手に旗を書き込んできたと。

アナーキーっていう言葉のルーツを探っていったら、ブラックフラグに辿り着いたらしくて。黒旗は闘うときに持つらしいんです。あと何色にも染まらないっていうことでアナキズムのシンボルだと。旗の模様が逆さまになってるのも意味があって、昔、マフィアとかは反体制っていう意味も込めて、名刺とかのロゴを逆さまにしていたらしいんです。

——へー。ひとつ利口になりました。

俺もそれを聞いたときにカッケーと思ったし、そのときに「アナーキーは闘ってるんだよ。そういう姿を応援してるんだよ」って言われて、「あ、そっか」みたいな。そういう自分に戻るというか、そういう部分を忘れたらあかんなっていう気持ちが今回のアルバムはだいぶ入ってるんです。あと、デビューして10年経つんで、そういう原点の部分を知らない子もたくさんいるんだろうなと。実際、『NEW YANKEE』から聴きましたとか、『DGKA』からファンですって言われることも増えたんで。「小学生の頃から聴いてます」とか(笑)。

——小6で『DGKA』を聴いたら、今14、15歳で思春期真っ只中だもんね。

そう考えると、もう一回そういう子らが熱くなるようなものを作りたいなって。前作は「俺がメジャーで出す」っていうことに重点を置いてたんですけど、今回はちゃんとメッセージに重点を置いて、その上でメジャーに風穴を開けるような作品を作りたいっていう意識が高かったんですよね。

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ナビゲーター

猪又 孝 / TAKASHI INOMATA

1970年生まれ。音楽ライター/エディター。小4のときにビートルズ「HELP」にヤラれ、19歳のときにロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズに心奪われるも、22歳でいきなりサザン・ソウルに開眼した、我ながら雑食家。現在は邦楽のソウル/R&B/ヒップホップを中心に執筆。でも、カワイイ& カッコイイ女の子もダイスキ。オフィシャル取材などで馴染みがあるアーティストは、加藤ミリヤ、Zeebra、SKY-HI、東方神起、三浦大知、RIP SLYME(五十音順)等々。

 
 
 
 
 
 
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