MUSICSHELFトップ > インタビュー・プレイリスト > 特集 > KIRINJI

KIRINJI Special Interview & Playlist

KIRINJI

Special Interview & Playlist

(ページ:1/3)

“新たな船出”から早くも3年。着実に作品、ステージの数を重ねながらチームワークと音楽性を育んでいったKIRINJIが、2年ぶりとなるアルバム『ネオ』を届けてくれた。そのタイトルからも伺えるように、RHYMESTERとの意表を突いたコラボレーション「The Great Journey」で幕を開ける今作は、時を経てきた今のバンドだからこそ作り上げることのできる“ネオ”なサムシングがあちこちから漂ってくるアルバムだ。そんな充実の作品をこしらえ、インタビューに応えていただいたのは、堀込高樹(ヴォーカル/ギター)、千ヶ崎学(ベース/ヴォーカル)、楠均(ドラムス/パーカッション)の3人。ではさっそく!

──今回のアルバムのスタート時期はいつごろでした?

堀込 「真夏のサーガ」(2015年7月リリースのシングル)が入ってるので、そのあたりですね……とはいえ、その時はまだアルバムのプランまでは描けていませんでした。そのあと、フェスに何本か出て、東京と大阪でワンマンがあったんですけど、そこで何曲か発表しようと思って新曲を書いたんですね。なので、そこから始まってると言えば始まってるんですけど、本格的にやり出したのは年明けぐらいからですかね。そのあたりで、自分以外のメンバーも曲を書いたほうが良いんじゃないかと思って、打診しました。

──“自分以外のメンバーも”というのは、大きな変化ですね。

堀込 劇的になにか変わったっていうことはないんですけど……。

千ヶ崎 気がついたら、徐々にいろんなバランスが取れてきたなあって。常に更新はしてたと思うんですけど、振り返るとそう思えますね。ライヴをやるととくに思います。

堀込 11月に『EXTRA 11』を出して、あれはまあ、イレギュラーな作品だったから、直接今回のアルバムに繋がってるっていうわけではないんだけど、基本は僕が中心になって、リハを通じてみんなでアイデアを出し合って作っていったから、そういうのがなにかしら考え方に影響してるのかも知れません。



──今回はアルバムのリリースがアナウンスされた時点で、RHYMESTERとコラボレーションしてるという、ものすごく目を惹くトピックがありました。これはいつの段階でアイデアが出てきたんですか?

堀込 レコーディングが始まる前、年頭に、いついつアルバムを出しますよ、このへんでツアーやりますよ、っていう打ち合わせがあったんですけど、そのときに、ちょっとやろうかっていう話になったんですよね。

──ちょっとやろうか……ですか?(笑)。

堀込 ちょっとやろうかにしては相当なレベルですけど(笑)、まあ、なんていうのかな、もともとこの曲は「マナベース」という仮タイトルで半分インストのような曲(昨年秋のワンマン公演で披露済み)だったんですよ。でまあ、かっこいいなあとは思ってたんだけども、それをもっと押し出しの強いものにするにはどうしたらいいかなと思って。

──単純に考えれば、歌メロを乗せて“歌”にする方法もあります。

堀込 そこはちょっと思い切ってラップでも、っていう感じですかね。まあ、6人でやって目新しくはなったけど、やっぱり“歌モノ”という範疇から脱してはいないですからね、KIRINJIは。だから、もうひとつ新しいものというか、おやっ?と思わせるものが欲しいなと思って。まあ、RHYMESTERは宇多丸さんとは面識があったし、KIRINJIの作品もすごく聴いてくれているので、頼んでみようかと。あとはやはり、もともとが半分インストみたいな曲だったっていうのは大きいですよ。そもそもが歌モノっぽいトラックで、ヴァースでラップ、サビで歌みたいな、そういうのだったらイヤだから。たまたまインストとしても成立してるこういう曲があって、演奏も全部KIRINJIでまかなえるっていう、条件が揃ったところはありますね。

選択肢としてはどう考えてもラップ

──兄弟時代にもやっていなかったコラボレーションを、ここに来て。それもずいぶん派手なメンツとですよね。

堀込 今のバンド編成になったからやりやすくなったっていうのはありますね。このメンバーでしっかり演奏を固めて、そこに誰かが乗るっていうのがやりやすいというか。あとはまあ、これ以上歌う人をフィーチャーしてもしょうがないというかね。弓木(英梨乃)さんも歌うし、コトリンゴさんも歌うし、そこに新たに歌う人を連れてきても、あんまりピンと来ない。やっぱり、前に出る人をフィーチャーするんだったら、選択肢としてはどう考えてもラップになりますよね。

──KIRINJIの演奏とRHYMESTERのラップという、単にパートの面だけじゃなく、歌詞の面でも期待通りおもしろい絡みになりましたよね。“人類創世”とホテル街を彷徨うカップルを対比するという(笑)。

堀込 バカみたいにね(笑)。もともとはその、RHYMESTERに歌詞のコンセプトから投げたかったんですよ。でも、できれば提案してほしいとの返りがあって、その時に“butterfly effect”の話になったりして。
※butterfly effect:蝶の羽ばたきが遥か遠くの場所の天気を左右する可能性が考えられる──70年代に気象学者のエドワード・ローレンツが講演した内容に端を発する概念。バタフライ効果。

──“butterfly effect”……ですか。

堀込 そんな流れで考えた末、アフリカで人類が初めて立ったっていうのと、ホテル街で人がウロウロしてるっていう、そこをどうにか結びつけられたら面白いですねっていう話をして、そのコンセプトで彼らに歌詞をお願いしたんですね。その後、何度かやりとりがあって、歌詞が出てきたところで、楠さんのナレーションを加えたりしました。“Journey to the past Journey to the future”ってフレーズは、彼らのラップを録音する時にMummy-Dさんがその場で思いついたものなんですけど、それを受けて、いちばん最後に僕が歌うパートを作りました。そうやって、やりとりしてるあいだに風呂敷がどんどん広がっていった感じなんですよね。

──楠さんのナレーション、イイ感じですね。

 ありがとうございます。さらっとやりましたけどね、時間もなかったから(笑)。

──時間がなくても良い結果を……。

 生んでるよね、KIRINJIは。

堀込 時間があればいいってもんじゃないですからね。迷いが増えるだけで。

KIRINJIからのプレイリストは近日公開!

前のページ (ページ:1/3) 次のページ