MUSICSHELFトップ > インタビュー・プレイリスト > 特集 > 特集 30周年のニューエスト・モデル

特集 30周年のニューエスト・モデル 中川敬 スペシャル・インタビュー

特集 30周年のニューエスト・モデル

中川敬 スペシャル・インタビュー

(ページ:2/2)

06

ベスト・アルバムは若手ミュージシャンに聴いてほしい。
妄想抱いて、夢デカく持って、周りの意見なんかなぎ倒して、やりたい音を
突き詰めたらこういうことができるんやっていうことを知ってほしい

──89年にメジャー・デビューして以降は、一気に音楽性が広がっていきますね。
3作目の『ソウル・サバイバー』がメジャー初アルバムになるんやけど、この作品こそがまさに、歌謡曲、ビートルズから始まる、自分の記憶の奥底にへばりついてた、中川敬の音楽原風景が爆発してる一枚。俺が十代の時に聴き漁った音楽の集大成というか。で、そのあとの『クロスブリード・パーク』『ユニバーサル・インベーダー』あたりになると、前進するためにメンバーみんなで、例えばファンクを聴いたり、ラテン・ミュージックを聴いたり、トラッドを聴いたり……意識的に「このドラム・パターンで1曲作ろう」っていうようなことも始まる。もともとファンクが好きで、Pファンクやヒップホップやハウスも大好きやったから、『ソウル・サバイバー』で達成した音楽世界をもっとファンキーにしたいなと。それをメンバー個々人の解釈で昇華していったというか。ただ、リズム隊は大変。急激に難易度が上がっていくからね。


──『ユニバーサル・インベーダー』の楽曲はホントに膨大な事をやりきってますよね。1曲の中にさえ、詰まってる音楽要素がひとつではない。

若い頃は、毎作、これが人生最後のアルバムっていう感じで作ってるよね(笑)。自分を常にそこに総動員するというか。まあ、そういう8年間でしたね。全人生、全生活の重みを音楽にかける。

──今回のベスト盤を聴いていると、ひとつの大河の流れのようなものを感じるんですよね。原流があって、そこにいろんな支流が合わさって、広がって、やがて大海へと注がれていく。そんなニューエスト・モデルというひとつの大河の流れを見ているような気がしました。

そうだとしたら、きっと激流。しかも気が付いたらあっという間に南極に到達してて、みんな凍えてしまってるという(笑)。

──ハハハ(笑)。けっして悠然とした流れではなかったというわけですね。きっと、途中にはダウン・フォールもあったでしょうし……。

そうそう。ちょっと速過ぎたね(笑)。まぁ、ソウル・フラワー・ユニオンを聴いてる人たちは納得すると思うんですよ、これ聴いて。「あー、なるほど、こういう流れで来てるんやな、この人ら。以前から変や変やとは思ってたけど」(笑)。

──この流れが結局ソウル・フラワー・ユニオンという大海に至るわけで、そのための重要な数年間だったんだなという気がします。

まぁ、結局はパンク・バンドなんですよ。今でも、ずーと。ホントに繋がってるというかね。なんも変わってないなー、一緒やなと思いますよ。

──それはマインドの部分で?

そう。でも俺は音楽的にも核の部分は変わってないんじゃないかなと思ってる。

──その思いが、ここ最近のニューエスト・モデルっぽい感じに繋がってる?

レイドバック出来ない体質というか。まあ、俺と奥野にとってはホントに一番多感な時期、吸収しまくってた時期に8年間もやってたバンドやから。そういう意味ではニューエスト・モデルは“初期ソウル・フラワー・ユニオン”なんよね。その、“初期”の頃の感覚が、今またおもしろくなってるっていう。バンド名は変わってるけど、俺らにとってはニューエスト・モデルとソウル・フラワー・ユニオンは地続き。だから、赤盤、青盤っていうか。

──そういう意味では、ぜひ両方聴いておきたいですね。

両方聴いてほしい。通して。で、ちょっと大きいことを言っておくと、このベスト・アルバムは世界中のロック・ファンが聴くべきや(笑)。日本ロック史の誇るべき一枚。それと、やっぱり若手ミュージシャンに聴いてほしい。で、妄想抱いて、夢デカく持って、周りの意見なんかなぎ倒してやりたい音を突き詰めたらこういうことができるんやっていうことを知ってほしい。このインタビューを呼んで、「何を中川、またカマシてんねん」って思うかもしれないけど(笑)、これ、ホンマ。マジで。

自分の書いた曲をやってくれるっていうだけで嬉しいですよ

──『ソウル・フラワー・ユニオン&ニューエスト・モデル 2016 トリビュート』には、どんな感想をお持ちですか?

 ソウルフラワーユニオン&ニ自分の書いた曲をやってくれるっていうだけで嬉しいですよ。それがどんなアレンジであろうが、みんな我流で思いっきりやってくれてるし。

──人選はどのように?    

人選はほぼスタッフに任せてたんやけど、途中段階で三者だけ俺がリクエストしてる。ある程度決まった段階で、上の世代がチャボさん(仲井戸麗市)だけやったから、もう1組、上の世代のミュージシャンを入れたいなと思って原爆オナニーズにお願いした。初期のニューエスト・モデルに影響を与えてくれた、素晴らしいパンク・バンド。

──彼らがカヴァーしている「オモチャの兵隊」も中川さんからのリクエストですか?

いや、選曲はお任せです。俺は、参加してもらえるだけで嬉しかったから。それと、「満月の夕」だけは誰にやってもらうか決めてほしいってスタッフにいわれて。即答、ニカちゃん(二階堂和美)。数年前に一緒にツアーをやった時に、彼女のアコギの弾き語りの「満月の夕」を聴いて、“いいな〜”って思ってた。彼女は原曲のメロディーを大切に歌ってくれる。あと、最後の最後に(七尾)旅人くんに参加してほしいと。彼がやってくれた「寝顔を見せて」は、俺のアナザーサイドというか、実はこういう、半径1mの曲ってたくさん書いてて。あんまり脚光浴びないけど(笑)。だから、そういう曲の中でも代表的なやつを彼に歌ってほしいなと思ったんです。

──他の方々は最初から自分で選曲されたんですか?

いや、いろんなパターンがあった。数曲音源を見繕ってほしいって言われて、用意した中から選んでもらった人もいた。くるりの岸田(繁)あたりは、ハナから「潮の路」って決めてたみたいで、彼は90年代後半の当時から、「潮の路」が大好きですって言ってくれてて。

──特に気に入ってるヴァージョンはありますか?

いや、ホントにどのヴァージョンもそれぞれの持ち味でやってくれてるから全部おもしろかった。ありがたいなというか……楽しませてもらいました。旅人くんはホンマに頼んで良かったな。俺よりイイんちゃうかな(笑)。俺のは、ちょっと赤ちゃん起こしてしまうような感じやけど、彼のはホントに子守唄っぽい感じでね(笑)。マジで全部良かったですよ。全部そのミュージシャンの持ち味に溢れてて。

──30周年を過ぎて、今後のバンドの展開は?

正直、あんまり考えてないんですよね。今どっちかっていうと自分の弾き語りのことばっかりで、新人フォーク歌手(笑)。今はソロで全国回りまくって、いろんな人や文化に出会う時期というか、新しいことをやってる高揚感がいい感じで続いてるんです。まぁ50歳になってまったく新しいことをやれてるっていうのは幸せな話やし、だからどこに行っても“大型新人フォーク歌手”って言ってるんやけど(笑)。

──それだけ充実してるわけですね

そう。だから、弾き語りのライヴにもぜひ来て下さい。大型新人、どんどん成長してきてるよ(笑)。

03


 

《リリース情報》

<ベスト盤>

『ザ・ベスト・オブ・ニューエスト・モデル 1986〜1993』
2枚組36曲収録 / XBCD-1048〜1049 ¥3,241+税
NOW ON SALE!
amazonで購入・試聴する HMVで購入・試聴する タワーレコードで購入・試聴する


<トリビュート盤>

『ソウル・フラワー・ユニオン&ニューエスト・モデル 2016 トリビュート』
ダブル紙ジャケット仕様 / CRCP-40473 ¥3,000+税
2016.8.3 ON SALE!
amazonで購入・試聴する HMVで購入・試聴する タワーレコードで購入・試聴する



《ライブ情報》
続・ニューエスト・モデル結成30周年ツアー
9月18日(日) 福岡 voodoo Lounge OPEN 18:00 / START 19:00
ゲスト:中田裕二  (問)voodoo Lounge 092-732-4662

9月19日(月祝) 大阪Music Club JANUS OPEN 18:00 / START 19:00
ゲスト:チャラン・ポ・ランタン (問)GREENS 06-6882-1224

9月24日(土)下北沢 GARDEN OPEN 18:00 / START 19:00
ゲスト:仲井戸麗市 (問)SOGO TOKYO 03-3405-9999

全公演 チケット共通
前売:一般 ¥4.500 / 学割 ¥2.250 ドリンク代別
当日:一般 ¥4.900 / 学割 ¥2.450 ドリンク代別
詳細はこちら
http://www.breast.co.jp/soulflower/schedule/live.html

ニューエスト・モデル30周年記念ソロツアー ~中川敬の弾き語りワンマン・ライヴ!
8月14日(日) 旭川 アーリータイムズ
8月18日(木) 島根 出雲リベレイト
8月20日(土) 広島 廿日市 Gallery Space 5.15
8月21日(日) 広島 尾道ハライソ珈琲
8月27日(土) 奈良 ビバリーヒルズ

中川敬ワンマン・ライヴ詳細はこちら
http://www.breast.co.jp/soulflower/schedule/live4.html

ソウル・フラワー・ユニオン オフィシャルサイト
http://www.breast.co.jp/soulflower/

前のページ (ページ:2/2) 次のページ