MUSICSHELFトップ > インタビュー・プレイリスト > 猪又孝のvoice and beats > EGO

猪又孝のvoice and beats

EGO 『LIVE LIFE』Interview

EGO

『LIVE LIFE』Interview

(ページ:1/4)

Zeebraが立ち上げたGRAND MASTER第1弾アーティストとしてアルバム『ISLAND』をリリースして以来、昨夏に「PINEAPPLE JUICE」をリリースしたきりでライブ以外は音沙汰がなかったEGOが、約2年ぶりとなる新作『LIVE LIFE』を完成させた。前作は海外志向の強いEGOが敢えて日本語ラップに正面から向き合い作りあげた転機作だったが、今回はその海外志向とドメスティック感覚のバランスに些細な変化が生じ、仕上がりに大きな違いが。Jay Izaak(ジェイ・アイザック)と名乗る全曲のトラックメイクを担当した新進プロデューサーの素性も気になるところだ。USヒップホップの今を追いかけ、日本語での体現に磨きを掛け続けるEGO。彼が追い求めた最先端とは? そしてUSマナーのフロウ×日本語のリリックという掛け算で彼が導き出した新しい解答とは? 今、EGOが本当にやりたいこと、求めていることをインタビューで紐解いた。

──前作から2年空きましたが、その間、あまり表立った活動をしてない印象があるんです。その点も含め、この2年間はEGOくんにとってどんな期間だったんですか?

曲をすげえいっぱい作ってたんです。アルバム2、3枚分は作っていて。この2年間はこれからの方向性を定める期間だったんですよね。だから、何回かレコーディングして、ある程度曲が溜まったらスタッフみんなでミーティングしたりとか。それで時間がかかっちゃったんです。

──その話と繋がってきますが、今回はどんなアルバムを作ろうと考えたんですか?

ひと言で言うのは難しいんですけど、ひとつ大きかったのは、アトランタ出身のジェイ・アイザックっていうプロデューサーに出会えたことです。さっき話した「いっぱい作った曲」は、ほとんどヤツとの曲なんです。今回のアルバムは全曲そうだし、実は次のアルバムも全部彼のプロデュース曲になる予定なんです。

──彼との出会いがもたらしたものは?

音楽的な面だと、今までよりももう一歩二歩進んだ、世界の最先端のビートでできること。アトランタって今、ヒップホップの世界では最先端だと思うんです。メッセージ面で言うと、今までは「俺ヤベエんだよ」みたいなエゴでやってたんですけど、もっと周りの人や聴いてくれる人をアゲられたり、幸せにできたり、救えたり、そういうことができるんだっていうエゴに変わってきたところがあるんです。

──それは、今年で30歳になったことも影響してるのでは?

そうですね。30歳になってやっとそんなことがわかるのか、みたいなことがいっぱいあって。聴く人に自分のヤバさを伝えるより、その人たちをハッピーにさせたいとか、そういうことを第一に思うようになった。そのほうが、自分もハッピーになれますし。そこはすごく変わったと思います。

──前作の『ISLAND』というタイトルには“島国”という意味も込められていて、ざっくり言うと“日本人による日本人のための日本語ヒップホップ”をめざしていましたよね。今回、その意識に変化はありますか?

その意識は今もあります。いくらアトランタのスタイルを研究して、いろいろやったとしても、自分は日本人だし、リリックも日本語なんで。だから、まずは日本人をアゲていくっていう感じ。ただ、『ISLAND』のときは、自分が日本に合わせていくっていう感覚があったかもしれないです。

──EGOくんはもともとアメリカに居住経験があり、バイリンガルでもラップできるけど、前作ではそんな自分の立ち位置を敢えて日本語ラップシーンに置きに行くようなところがあった?

それはちょっとあったと思います。一回そういうところを隠して、じゃないけど忘れてやったのが『ISLAND』だったと思うんです。でも、もう日本云々じゃなくて世界のヒップホップだと思うし、そういう部分をあまり気にせず、世界的にかっこいいもので日本人に伝えていくっていう。それが本当にやりたいことだと気づいた感じですね。それは黒人のプロデューサーと全曲作っていたっていうところが大きいと思いますけど。

前のページ (ページ:1/4) 次のページ

ナビゲーター

猪又 孝 / TAKASHI INOMATA

1970年生まれ。音楽ライター/エディター。小4のときにビートルズ「HELP」にヤラれ、19歳のときにロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズに心奪われるも、22歳でいきなりサザン・ソウルに開眼した、我ながら雑食家。現在は邦楽のソウル/R&B/ヒップホップを中心に執筆。でも、カワイイ& カッコイイ女の子もダイスキ。オフィシャル取材などで馴染みがあるアーティストは、加藤ミリヤ、Zeebra、SKY-HI、東方神起、三浦大知、RIP SLYME(五十音順)等々。

 
 
 
 
 
 
《書籍情報》
 
日本語ラッパー15名の作詞術に迫る
『ラップのことば』
SPACE SHOWER BOOKS刊
amazonで購入・試聴する HMVで購入・試聴する タワーレコードで購入・試聴する
https://spaceshowerstore.com/detail.php?goods_id=516

ベストセラー第2弾、日本語ラップを進化させるラッパー15人の作詞術
『ラップのことば2』
SPACE SHOWER BOOKS刊
amazonで購入・試聴する HMVで購入・試聴する タワーレコードで購入・試聴する

https://spaceshowerstore.com/detail.php?goods_id=517