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UNCHAIN 『20th Sessions』 Special Interview

UNCHAIN

『20th Sessions』 Special Interview

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オリジナル・アルバム『with time』からわずか7ヶ月でリリースされた『20th SESSIONS』。タイトル通りデビュー前からお互いを知るバンドから、初対面のアーティストまで全6組とのコラボ楽曲と新曲(2曲)で構成された20周年を飾るコラボレーション・アルバムが完成した。作品はもちろん、ジャケットアートワークからも見えてくるこれまでにないケミストリー感。今回はそんなバラエティに富んだ作品について1曲ずつメンバー全員に解説してもらった。

ーー 前作『with time』からわずか7ヶ月という非常にハイペースなリリースとなりましたが、無事アルバムが完成しましたね。

谷川:去年から20周年に向けてオリジナル・アルバムともう1枚何か作りたいという話はしていたんですね。当初は1組のアーティストとスプリット盤を考えていたんですが、やるならその後のスプリットツアーも含めて進めたいと思ったんですが、一緒にやりたかったバンドとのスケジュールがなかなか合わなくて、だったらスプリットじゃなくてアルバムを作っちゃった方がいいんじゃないかなって話が出てきて。

ーー なるほど。今回はその中でもコラボレーションがしたかった?

谷川:そうですね。ここ4年位、カバーアルバムとオリジナル・アルバムを交互に出したり、UNCHAINという枠の中でもの凄いスピードで様々な活動をしてきたんですけど、振り返ってみるとそのスピードの割に僕らの活動はまだまだ知って欲しい人たちに届けられていなくって。そこで、もっとたくさんの音楽好きの方たちにUNCHAINを知ってもらうために他のアーティストとコラボレーションをしてみるのはどうかというアイデアが出てきたんです。ただ、みんなに知ってもらいたいだけの理由で<ポップでキャッチーな>といった所にすり寄ったものはUNCHAINらしくないですし、やっぱり今やっている突き詰めたサウンドでコラボする事で今までにない化学反応を生みたくて、それで、この人たちとコラボしたらきっとそんな化学反応が生まれるだろうなっていうアーティストの皆さんに声を掛けさせてもらったんです。

ーー 選曲はどのように進めていったんですか?

谷川:まず、コラボしたいアーティストさんと一緒にやりたい候補曲を、過去の曲含めて1人につき10~20曲位送って、その反応をもらいながら進めていきました。

ーー 特にコラボする上で大切にしたところはどんなところでしょう?

佐藤:僕らの作品に誰かがサポートで入ってくれたという形じゃなくて、一体感というか、一緒に作っていくという部分は大切に進めましたね。

谷川:それと僕たちとコラボする事で相手のアーティストが今まで体験していなかった領域、ジャンルとかサウンドとか色んな面で、そういう部分を引き出せたら面白いなと思って<この人とこういうことやったらどう?>っていう話し合いはよくしましたね。

ーー つまりfeaturingじゃなくてwithをやりたかった?

谷川:そうですね。ただ、いざやるぞと決めてからが大変でしたね。アーティストさんに返事を頂いて制作してというスケジュールがタイトで。その中でも鬼束ちひろさんは一番早くお返事を頂いて。返事を頂いた2時間後にはもう歌詞が上がってきたんです。

ーー え?2時間語とは驚き! では早速その1曲目の「緊張」についてお願いします。

谷川:「緊張」はレゲエ調なのですが、僕らがやるとファンクっぽくなるんで、それを一緒に歌ったらきっと面白い曲になるんじゃないかなと思って。そしたらずばりこの曲を選んで頂いて、アレンジをする前から1番の歌詞が送られてきたんです。鬼束さんから<すぐにアレンジしましょう!>というリクエストを頂いて、あらためて鬼束さんの音楽に対する熱量を感じましたね。

ーー 鬼束さんもUNCHAINの楽曲に惹かれるものがあったんでしょうね。

谷川:前から僕らの音楽に興味を持って頂いてるという話も伺っていたのですが、鬼束ちひろさんは、クリエイティブな衝動を行動に移されるのがもの凄く早い方だなと改めて感じました。話によると床に紙を置いて曲を聴きながら、そのまま書き上げたとか。

吉田:歌詞が素晴らしいんです。本物に触れた実感というか、こういうやりとりは初体験でしたね。

谷川:想像以上の化学反応がもの凄いスピードで生まれて “UNCHAIN with 鬼束ちひろ”というアーティストが完成したという感じですかね。大成功でした。

:レコーディングの前に鬼束さんとスタジオでご挨拶させてもらい、そこですぐに「緊張」のリハーサルをしたんですね。この曲のニュアンスを知りたかったというのもあったんだと思います。

佐藤:初対面でいきなりのリハーサルだったんでまさに「緊張」しましたけど、終わったらすぐにリラックスした雰囲気になって。

ーー なるほど。鬼束ちひろさんとのコラボは20周年のお祝いだけじゃなくて、次のチャレンジも含めてこれは特別な事だったんですね。

谷川:そうですね。鬼束さんとコラボできたという自信もそうですし、鬼束ちひろというアーティスト性に触れられたという事が僕らにとってももの凄く大きな経験になりました。

ーー 2曲目「Bomb A Head」BRADIOとの“with”ですが、これはきっとこうなるだろうなと聴く前から想像してましたけど、まさかのメンバー全員でのコラボ。曲を聴いて思わずニヤっとしてしまいました(笑)。ほんと兄弟みたいですよね。

谷川:<きっと一緒だったらこういう事ができるよな>というのを一番イメージしやすかったのがBRADIOでしたね。「Bomb A Head」は完全にBRADIOをイメージして書き下ろした曲でこの曲ともう1曲、全部で2曲しか送ってなくて、すぐにこの曲でいきましょうって決まりました。僕の頭の中でのイメージがそのまんま形になったという曲ですね。今回はヴォーカル、ギターだけじゃなくてベースもドラムもツインでいきたくて、最初エンジニアさんが<大丈夫ですかね?>ってちょっと不安だったみたいですけど、思いっきり実験的に楽しませてもらいました。

ーー L(左側)がUNCHAIN、R(右側)がBRADIOって完全に分かれていますよね?

谷川:そうですね、完全に分かれて演ってます。僕が大好きなバンドがこういうことをやっていて、同じフレーズやリズムをツインドラム、ツインベースでやっている曲もあればセッションみたいにお互い全然違うことをやっていて、それが一つになるとカッコよくて、今回はそれをやってみようとなって。お互いほとんど同じフレーズなんですけど、ドラムは結構違う事をやっていたりして。

吉田:基本のビートは一緒なんですけど、たまにフィルの掛け合いがあったりして。

谷川:この曲は左右でバラバラで聴こえる瞬間があったりしますので、よーく聴いてもらいたいですね。

ーー BRADIOとのレコーディングどのように進めていったのでしょう?

佐藤:元々は僕らのアレンジで最初にドラム以外は録ったんですよ。

谷川:そう、最初は僕らが録ったテイクにBRADIOに重ねてもらおうと思ったんですけど、打合せをする前に一緒にスタジオに入ろうって事になり、ドラムセットを2つ置いて叩いてみたらどうなる?とか色々と試してみようって。そしたら<これ絶対一緒にやった方が面白いよ>って事になって、あらためてレコーディングしたんです。

ーー 確かラジオ(「ふんわりタイムズ」)用のコメントをもらいにスタジオに立ち寄ったら佐藤さんには近寄れない位の気合が入っていて、その時に聴こえてきたのがこのリフだったのを思い出しました。ちょっとストーンズっぽいロックンロールが聴こえてきたぞって。

:ああ、あの時はなかなか納得できるテイクが録れなくて何度も弾いてたよね。

佐藤:こういう8ビートは今まで弾く機会がほとんどなかったので、結構、苦戦しました。

ーー 意外ですよね。

佐藤:でもやってみるとリズムのとり方とか今までとは少し変わってきましたよ。

谷川:谷も最初に僕らだけで録ったときはかなり良い感じのベースソロが録れたんですけど、いざセッションになったら一番美味しいところでコケちゃって、みんなで爆笑するみたいな、そんな事もありましたけど、レコーディングではドラム以外、全員一緒にほぼ一発録りだったので、聴いてもらえたらわかるかもしれませんが、そんな一体感がこの曲には生まれましたね。

ーー 谷川さんと(真行寺)貴秋さんとの掛け合いが絶妙で、たぶん僕と同じように聴いていて思わずニヤリとしてしまう人多いと思いますよ。

佐藤:それぞれ違うブースに入って見えない状態で歌入れしているにも関わらず、目視で確認し合ってるみたいなシンクロ感があって<気持ち悪っ!何こいつら?>って(笑)

メンバー:笑

ーー そして3曲目は「Wonder」。BAND-MAIDとのコラボレーションというのは意外でした。

谷川:全然タイプの違う2人がコラボするっていうのは面白かったですよ。

ーー この曲はUNCHAIN寄りでも、BAND-MAID寄りでもない、丁度真ん中にある曲というか、今までにありそうでなかったタイプのロックナンバーですよね。彩姫さんとのデュエットもキマってるし、ちょっと上の世代からするとバービーボーイズを彷彿とさせるような。

:90年代ぽい感じが漂ってきますよね。

谷川:確かにそういうデュエット感はありましたね。この曲はギター・ヴォーカルの小鳩ミクちゃんが歌詞を書いてくれたんですけど、これに合わせて男女で交互に歌ったら面白いデュエットができるだろうなと思ったんです。

ーー 聞くところによると歌詞を書いた小鳩ミクさんは谷川さんにこんな事を言われてみたいというイメージで歌詞を用意してくれたとか。

谷川:完全にSとMの世界感ですよね(笑)。

ーー アハハ。そこに谷川さんと彩姫さんの声質が似ていて、サビのコーラスはかなり気持ち良いですよ。

谷川:コーラスもパートによって高い部分と低い部分を交互に歌っていたりするんです。ちなみに僕と彩姫さんがユニゾンで声が重なった時に声優の高山みなみさんに似たような声になって、名探偵コナンくんが出てくるんですよ。って言わないと誰も気付かないところですが、そこもチェックしてみて下さいね(笑)。

ーー 4曲目 「Don’t Stop」LEGO BIG MORLのカナタタケヒロさんとの“with”ですが、これは最近のUNCHANの楽曲に近い部分でコラボしているなって感じました。

谷川:LEGO BIG MORLの最近の方向性と僕らの音楽の重なる部分があって、彼らにも10~20曲送ったんですけど、その中でもこの曲が合うだろうなって思っていたので、まさにずばりその曲を選んでくれて。

ーー キャリアを重ねてきた同世代のバンド同士、お互い経験してきた事を確かめながら、これからも前進して行こうぜというメッセージが伝わってくる歌です。

谷川:歌詞を書いてくれた(タナカ)ヒロキが言ってましたけど、同じ関西出身で東京に出てきて頑張っている同世代のバンドという事で付き合いも長いですし、そういう事を歌詞にしたかったらしく、それが「西」っていうね。そのひと言にこめられているんです。

ーー 「戻れない。懐かしさを食べても、満たされないさ」っていう歌詞はお互いの今を見事に表現していますよね。

:(歌詞に)グッと来ましたね。俺たちのことを歌ってくれているっていうのがすごく感じました。

谷川:LEGO BIG MORLも10周年という節目でお互いそういうタイミングでコラボ出来たのは大きかったですね。

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