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小松政夫 芸能生活50周年記念で最初で最後のCDデビュー!! 昭和の喜劇人・小松政夫、スペシャル・インタビュー!

小松政夫

芸能生活50周年記念で最初で最後のCDデビュー!!
昭和の喜劇人・小松政夫、スペシャル・インタビュー!

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h.hirose

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今は胸に沁みるような歌が少ないように思いますね

──今回もう一曲はジャズですよね。とても楽しげに歌われている感じがします。

私はまるで譜面というものが読めないですから、ガイドをつけたカラオケを作ってもらったんです。そのお手本がすごく軽い感じで歌いこなしてたから、自分も自然とそういう歌い方になったんでしょうね。それこそジェントル・フォレスト・ジャズ・バンドの方の真似ですよ。どうしてこんなに上手く歌えるんですか?って訊いたら、「何言ってるんですか、私はただ譜面通りに歌っただけですけど、小松さんの歌は同じように歌っても雰囲気がまるで違う。ちゃんと小松さんの歌になってます」って言われまして。レコーディングの時、本番だと思わないでサッチモみたいに歌ってたんですよ。「イエーイ!」なんて言いながら。そうしたらそれがそのまま使われちゃいまして(笑)。サッチモを知ってる人ならいいんでけど、そうじゃないとどうなんだろうっていう。本当はその前にちょっとしくじって、それこそ開き直って歌ったんです。そうしたらそれが面白いって引き抜いて下さって。出来上がったものを聴いたらそのまま入ってたんでびっくりしちゃった。

──この「いつも心にシャボン玉」は今度の記念公演のタイトルでもあるんですね。

年明けから、東京〜福岡〜名古屋〜大阪とバンドの皆さんと一緒に全国を周るんですけど、その舞台のテーマソングにしようってことに決まりまして。これはもう今難題をいっぱい抱えてるんですよ。この歳になってこんな長台詞を覚えられるんだろうかっていう。長台詞といえば、倉本聰さんの台本が一番怖いんですよね。台詞が長いうえに、仕事をさせながらしゃべらされる。魚を捌きながらとか、芋を剥きながらとか、ながらの台詞が多い。ほかの人は台本見て覚えてたんでしょうけど、私なんかはなかなかそこまでたどり着けなくて。今やってる最中のNHKの2時間スペシャルにしても、私が4ページに亘って一人でしゃべるシーンがあるんですよ。相手はいるんだけど一切しゃべらないというシーンで、難儀してます。これはもう少しずつ覚えていくしかないんですけどね。今回は園まりさんとも一緒で、旅の公演をご一緒した記憶はあまりないんですよ。日劇ではよく共演がありましたけどね。ある時、クールファイブとか、ビリーバンバンとか、晴乃チックタックとかがいる中で、私がトリだったことがありましたよ。オレも結構活躍してたんだなって(笑)。クールファイブは初めて出てきた時に私が司会をやってるんですよ。九段会館でしたかね。私はコメディアンだから司会は嫌だって、渡辺プロにいつも抵抗してたんですが、当時の会社は歌手ばかりで私みたいなのがあまりいないものだから、いつもお役目が回ってきましてね。「さあ、今年最大のホープ! 渡辺プロがお送りするこのメンバー! 内山田洋とクールファイブ!……でいいんだっけ?」なんていう(笑)。まだ新人で誰も知らない頃でしたからね。そういう憶えがあるんですよ。それがあんなすごいグループになっちゃって。私とは道が違いましたけど、前川さんは欽ちゃんと一緒にやったりして、遊び心もある方ですよね。おかげ様で私はあの方の物真似でずいぶんと優勝させてもらいました。

──改めて今回のレコーディングを振り返られていかがでしょうか。

私はこれは朝までかかるんじゃないかと思ってたんですよね。一所懸命聴いて聴いて聴きまくって臨みましたら、耳がいい人だねとは言われましたけれども。レコーディングの技術も進歩してるからいいとこどりで大丈夫って言われながら稽古に入りまして。もういいよって言われながらも、もう一回歌わせてくれって言って、結局11回通しでテストしてから本番に臨んだんです。だから全部で15回くらいは歌ったんじゃないですか。歌いすぎると声が潰れるからと言われたんですけど、それは大丈夫でした。昔、芝居で声を潰して怒られたことがあって、それ以来気をつけてましたからね。現場の様子は「電線音頭」の頃とはまるで変わりましたですね。スタジオの設備にしても昔は無かったような機械がズラーッと並んでますよね。うわーすごい、なんて。どんなことが出来るんですかって訊いたら、一行ずつ歌って良かった部分だけを繋ぐって言うから、そういうのは僕ダメなんです、やめてくださいって言って。ここのところはどうしてもダメだから差し替えるっていうのならいいですが、いいところだけを繋ぐというやり方は、私が今度歌う時に困るので、張り合わせは勘弁してください、ってことを言いました。「しらけ鳥音頭」なんかは本当にそのまんまでしたよ。

──「しらけ鳥音頭」は『みごろ!たべごろ!笑いごろ!!』の名物コーナーでしたね

あの曲では〈ヒット賞〉というのをいただいたんです。歌手の方々に混じりましてね。そうしたら番組で一緒だったキャンディーズがお祝いしてくれて、いただいたプロンズ像を持って一緒に撮った写真がどこかにあるはずなんですが。しばらくは洒落でそのブロンズ像を背中に背負ってコントをやってた憶えがありますよ。「いいかげんにそれ外しなさい」とか言われて(笑)。まあ今回の曲はあの頃のものとは質が違うかもしれませんが、古いやつだとお思いでしょうが、古いやつほど新しいものを欲しがるものでございます(物真似入る)、なんていう時代が来ちゃったのかなあという気がしないでもないですけどね。そういった意味でも今は胸に沁みるような歌が少ないように思いますね。最近はやはり高齢者が集まるような会に呼んでいただく機会も多くなりまして、実際そういうところからお声がかかるのは嬉しいんですよ。自分のことを知ってくれている方々ですし。そうした場で今度の歌を聴いてもらえたらいいですけどね。

──これを機会に、小松さんが過去に出されたアルバムも復刻していただきたいです。『冠婚葬祭入門』は傑作だと思います。

宮川泰さんが作って下さった「小松の親分さん」という曲もあのアルバムに入ってたんですよね。裏話をすると、いざレコーディングという時にスタジオのスタッフが組合のストライキに入っちゃって、大変だった憶えがあるんです。だから正直なところあまりいい環境で臨んだ録音じゃなかったんですが、その分愛着もありますよ。

──小松の親分さんにはモデルがいらっしゃったとか?

そう、本当にあった話で。昔、飲み屋さんで会ったヤクザの親分が、奥さんがファンだからとにかく家に来てくれって言うので連れて行かれちゃって。「おい、小松ちゃん来てくれたぞ!」なんて、その親分の仕草とか言葉がすごく特徴的で忘れられませんでね。なんとなく真似しているうちに持ちネタになっちゃった。私の流行り言葉ってのはだいたい実在する人がいて、その人たちが言ってることを横から聞いて盗んだり、ちょっとデフォルメしたものが多いんですね。例えば、「どうして! どうしてなの! おせーて!」というのは、セールスマン時代の私の上司。フレーズを繰り返すパターンが多いですよ。「もーイヤ、もーイヤこんな生活!」「どーして! どーしてなの!」なんていうね。皆さんが思う小松といえばやっぱりこの辺なんでしょうが、今回はちょっと真面目にやってます。CD聴いてくださいね、サヨナラ、サヨナラ(淀川長治の物真似入る)。

※画像をクリックすると小松政夫さんのスライドショーをご覧頂けます。





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[収録曲]
1. 親父の名字で生きてます/小松政夫
1. 作詞/相田 毅 作曲/合田道人 編曲/川村英二
2. あんたなんか/小松政夫 with 園まり
2. 作詞/安井かずみ 作曲/宮川 泰 編曲/岩崎元是
3. いつも心にシャボン玉/Gentle Forest Jazz Band with Masao Komatsu
(小松政夫芸能生活50周年記念公演 〜いつも心にシャボン玉〜 テーマ曲)
3. 作詞/相田 毅 作曲/ジェントル久保田 編曲/多田尋潔
4〜6.同上各カラオケ



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