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猪又孝のvoice and beats

DOTAMA キャリア初のベスト・アルバム『DOTAMA BEST』インタビュー

DOTAMA

キャリア初のベスト・アルバム『DOTAMA BEST』インタビュー

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2016年1月に人気TV番組「フリースタイルダンジョン」に出演以降、TV、ラジオ、ウェブ、CM、雑誌など、あらゆるメディアに引っ張りダコのDOTAMAがベストアルバム『DOTAMA BEST』をリリースした。DOTAMAの特長は、テーマ選びの幅広さと、それを切り取るときのひと癖あるアングル、そしてバンド・サウンドから四つ打ちまで乗りこなす曲調の振り幅。本作には過去発表してきたコラボ盤を含む7枚のアルバムから代表曲がバランス良く収録され、彼の旨味と軌跡が端的にわかる内容になっている。さらに般若を迎えた「本音 feat. 般若」など、“新しいDOTAMA”が垣間見える新曲も3曲収録。今回のインタビューでは、新曲の制作背景にフォーカスすると同時に、「フリースタイルダンジョン」以降の心境の変化をいろいろな角度で総括。〈ディスの極みメガネ〉の異名を持つ彼に、“ディスとは何か”も訊いてみた。

──今回のベスト盤には新曲が3曲収録されています。それらを総括して、どんな曲になったと思っていますか?

それぞれがそれぞれの方向性を表現できたと思っています。大雑把に言うと、明るい曲と、暗い曲と、激しい曲。明確にテンションを分けて作ろうと思ったので、アルバムの幕開けと中盤とラストに意識して配置しました。

──幕開けの「楽曲のテーマは『テーマ』」は、どんな思いで作ったんですか?

ベストを作ろうと決めて、自分の過去曲を聴き直したら、ひとつひとつの曲にテーマを持たせているのに改めて気付きました。だから「自分の曲には一曲一曲、明確なテーマがある」ということをそのまま歌うのが、過去曲を集めたベスト盤の幕開けにいいかなと思ったんです。それに今はサブカル畑のミュージシャンの方やバンドマンさん、アイドルさんもすごくかっこよくラップされる時代じゃないですか。さらにラップが表現ツールとしてミュージシャンだけでなく、一般の方にも浸透してきた。そうやってラップという表現の多様性が認められている今だからこそ、この曲を作ってみたかったんです。

──テーマそのものを斬るところにDOTAMAさんらしいひと癖を感じました。「音楽ワルキューレ」も近い感覚ですが、DOTAMAさんは音楽のメソッドにフォーカスすることを手法の1つにしていますよね。

これも“方法”そのものを歌ってます。理屈っぽいのですが“論理そのものを論じる”みたいな。抽象論にも聞こえますが、なんとなくそれは僕の世代だと思っています。僕はラッパ我リヤさん、THA BLUE HERBさんから日本語ラップを聴き出して、8th Wonderさん、降神さん、俗に“アブストラクト”と呼ばれるラッパーの先輩のみなさんが出て来られた2003年〜2004年にヒップホップに入った世代なんです。THA BLUE HERBに「ペンと知恵の輪」という曲がありますが、あれは自分のひらめきを“知恵の輪”に例えて、リリックを書く作業そのものをリリックにしてる。この曲はそれに近いアプローチだと考えています。この手のトピックは、どうしても聴き手の方が難解な印象を受けやすいですし、自分も昔は表現が下手だったのですが、今回、改めて2016年現在のスキルで取り組んでみようと思い、制作しました。

──この曲のサウンドは、『ニューアルバム』の延長にある印象を受けました。

確かに『ニューアルバム』の「HEAD」と同じテンションです。アルバムの1曲目ですし、こういうヒップホップ・ビートを作ってもらったら右に出る者はないQUVIOKALにプロデュースをお願いしました。

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ナビゲーター

猪又 孝 / TAKASHI INOMATA

1970年生まれ。音楽ライター/エディター。小4のときにビートルズ「HELP」にヤラれ、19歳のときにロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズに心奪われるも、22歳でいきなりサザン・ソウルに開眼した、我ながら雑食家。現在は邦楽のソウル/R&B/ヒップホップを中心に執筆。でも、カワイイ& カッコイイ女の子もダイスキ。オフィシャル取材などで馴染みがあるアーティストは、加藤ミリヤ、Zeebra、SKY-HI、東方神起、三浦大知、RIP SLYME(五十音順)等々。

 
 
 
 
 
 
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