MUSICSHELFトップ > インタビュー・プレイリスト > 猪又孝のvoice and beats > G.RINA

猪又孝のvoice and beats

G.RINA Album
『LIVE & LEARN』
Interview

G.RINA

Album
『LIVE & LEARN』
Interview

(ページ:1/4)

2015年10月に5年ぶりとなるアルバム『Lotta Love』をリリース。ブラコン、ブギー、ディスコ、エレクトロファンクといった自身のルーツにある80年代音楽を現代にアップデートさせた同作が感度の高い音楽ファンから大絶賛され、華麗なるカムバックを果たしたG.RINAが、待望の新作『LIVE & LEARN』を完成させた。本作は前作に引き続き80sモードがいっぱい。しかし、新しいトライも散見され、より洗練を極めた仕上がりとなった。持ち前のキャッチーさやポップセンスは相変わらずだし、土岐麻子、鎮座DOPENESS、田我流、yoshiro(underslowjams)、Kick A Showといった個性派ゲストをどんなふうに聴(効)かせるか、プロデューサーとしての腕前も遺憾なく発揮。大人のわりきれない感情やもどかしい関係をリリカルに描写した歌詞の素晴らしさも特筆すべき点だ。作詞、作曲、ビートメイク、プロデュース──あらゆる面で才気が爆発した一枚。果たしてG.RINAはどんな思いで本作を作ったのか。制作の裏側に迫った。

──ざっくり言えば前作『Lotta Love』も今作『LIVE & LEARN』も80年代テイストを下地にしたサウンドですが、今回はどんな方向をめざしたんですか?

前作の世界観がある程度受け入れてもらえたと思ったので、それを引き継ぎながら、もう少しシンセファンクやデジタルな要素……私がすごく好きな“あまり熱くなりすぎないファンク”という方向性でやろうと思ったんです。今回はそこにヒップホップの要素をどれくらい入れるか、その辺も考えながら作っていきました。

──前作に比べ、今回は全体的に洗練されているし、スムーズだし、音の厚みや重さも増したと感じました。ご自身では前作と今作の仕上がりにどんな違いを感じていますか?

前作は架空のファンクバンドがやってるアルバムっていうイメージで作ったんです。今回は同じことをしたくなかったので、自分の得意とする打ち込み感をもうちょっと強めました。それでちょっとヘヴィーな音像になったんじゃないかなと。あと、前回も今回もIllicit Tsuboiさんがミックスしてくださってるんですが、私の“ヒップホップが好き”っていう部分やハイブリッドな感覚をTsuboiさんに、より引きだしてもらえたと思います。

──歌詞は、女性の人生観や恋愛観をシネマティックに切り取ったものが多いですが、どんなことを念頭に置いていましたか?

自分の年齢相応というか、アダルトな感じの世界観をちゃんと表現したいと思っていました。わりきれない感情とか大人な人間模様を書いていこうと。でも、あまり湿っぽくならないように。トータルとしてはポジティブなメッセージになるよう意識して書きました。

──今回の歌詞は、どこかドライだったり、軽薄だったり、淡々とした感じがするなと思ったんです。それは歌の主人公たちの気持ちの伝え方がとても婉曲的だからだと思うんですけど。

本当に思ってることをそのまま言うと真意が伝わらないんじゃないかっていう考えがもともとあって。本当に言いたいことはほんのちょっとだけ言うっていう。そういう世界観を守りたかったんです。

──でも、そういうところも80sっぽいなと思ったんです。歌謡曲とかニューミュージックにこういう歌詞が多かった気がして。

職業作家さんによる歌謡曲には珠玉の作品がたくさんあるし、作家活動もされているシンガー・ソングライターの世界観や作品が好きなんです。私はシンガー・ソングライターではあるんですけど、“私がどう”っていうんじゃなく、よりストーリーテリングというか、情景が浮かぶような世界を表現したいんですよね。

前のページ (ページ:1/4) 次のページ

ナビゲーター

猪又 孝 / TAKASHI INOMATA

1970年生まれ。音楽ライター/エディター。小4のときにビートルズ「HELP」にヤラれ、19歳のときにロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズに心奪われるも、22歳でいきなりサザン・ソウルに開眼した、我ながら雑食家。現在は邦楽のソウル/R&B/ヒップホップを中心に執筆。でも、カワイイ& カッコイイ女の子もダイスキ。オフィシャル取材などで馴染みがあるアーティストは、加藤ミリヤ、Zeebra、SKY-HI、東方神起、三浦大知、RIP SLYME(五十音順)等々。

 
 
 
 
 
 
《書籍情報》
 
日本語ラッパー15名の作詞術に迫る
『ラップのことば』
SPACE SHOWER BOOKS刊
amazonで購入・試聴する HMVで購入・試聴する タワーレコードで購入・試聴する
https://spaceshowerstore.com/detail.php?goods_id=516

ベストセラー第2弾、日本語ラップを進化させるラッパー15人の作詞術
『ラップのことば2』
SPACE SHOWER BOOKS刊
amazonで購入・試聴する HMVで購入・試聴する タワーレコードで購入・試聴する

https://spaceshowerstore.com/detail.php?goods_id=517