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猪又孝のvoice and beats

Creepy Nuts Mini Album『助演男優賞』インタビュー

Creepy Nuts

Mini Album『助演男優賞』インタビュー

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メンバーのR-指定が「高校生RAP選手権」「フリースタイルダンジョン」「ナカイの窓」といったTV番組で脚光を浴び、昨年1月にリリースしたファースト・ミニアルバム『たりないふたり』がスマッシュヒット。日増しに風圧を増すラップ・ブームを追い風に昨年一気にブレイクを果たしたCreepy Nutsが待望のセカンド・ミニアルバム『助演男優賞』を完成させた。劣等感をポジティブにさらけ出し、ルサンチマンをエンタメに変換させた自虐系ひねくれラップで人気を集めた彼らだが、今回はさらに鬱屈した感情や人間性がずるむけに。それでいて前作以上に音はキャッチーで、同時代性があり、尚且つ、一枚通してコンセプトアルバムのような流れのある一枚に仕上がった。ラストに収められた「未来予想図」には、過熱するラップ・ブームに対する真摯なメッセージも。果たして彼らはどんな思いでこの作品をつくりあげたのか、たっぷり語ってもらった。

──今回はどんなアルバムをめざしたんですか?

R-指定 コンセプトとしては、俺らの素の部分にもっと入ってきてもらいたいなと。前作はイケてない奴らがラップをしたらどうなるか、音楽を使ったらどういうふうにエンタテインメントできるかっていうことだったんです。魚キャラのジャケットにも表れてたんですけど、2人のキャラクターを意識的に打ち出した自己紹介だった。今回はジャケにもちゃんと人間として登場したんで(笑)、前作より人間的な部分に踏み込んだ内容になったと思います。

──制作はいつ頃から?

R-指定 本格的に始めたのは去年の夏くらいです。でも「教組誕生」のテーマは、俺がソロのときから持ってたアイデアだし、「未来予想図」は、「フリースタイルダンジョン」(以下:ダンジョン)が始まって前作を出した頃に、「ちょっとこれはブームみたいになってるくさいな」って思って、最初の1フレーズが浮かんでた。なので、断片的には前からあって、それを夏くらいからカタチにしていく作業でした。

──じゃあ、その2曲を基本にして作っていった?

R-指定 それがこのアルバムの核になるかな?って二人で話していて。ただ、それだとバリ暗いのができるやろうなって(笑)。

──根暗だし、シリアスだし、決して晴れ晴れとしてる曲じゃないからね。

R-指定 そう。だから、俺のソロやったり、松永さんのソロやったり、お互いが元々持ってる素の部分が出てるなぁと。でも、Creepy Nutsとして、こういうドス黒いものとか真摯なものとか素直なものは表現していきたいと思ってて。これはこれで今出しときたいなと思いながら、いろいろ肉付けしていって、実は「助演男優賞」は最後に出てきた曲なんですよ。

──あ、そうだったんだ。

R-指定 1曲目にわかりやすい導入曲があったら、この濃い内容をよりお客さんに届けられるなって話をして。でも、その段階で俺の中ではアルバムタイトルを「未来予想図」にしようと考えてたんです。そしたら松永さんが「いや、助演男優賞のほうが絶対キャッチーだ」って。

DJ松永 「助演男優賞」は、みんな知ってる言葉だけど、音楽のタイトルとかに使われたことがないすごい絶妙なラインだなと思ったんです。且つ、自分たちを表している言葉だから。「未来予想図」だと、アルバムタイトルにはちょっとシリアス過ぎるかなと思ったんですよね。

R-指定 ……ってことで、そっちをアルバムタイトルにして。結果、出揃った5曲を並べてみたら全部ストーリーのようになってるなと思ったんですよね。

──「助演男優賞」はガレージロックやロカビリーを下地にしたビートだけど、すごく軽快でキャッチーな曲に仕上がってますね。

DJ松永 BPMは145くらいありますからね。

R-指定 こないだライブで初披露したんですけど「はやっ!」って(笑)。

──それにロックフェスでも通用するような曲になってる。

R-指定 特にサビはフェスとか対外試合で使えるように意識したところはありますね。あと、対外試合に持って行く曲やからこそ、ラッパーにしかできない遊び、みたいなのをいちばん詰め込んでるんです。ダブルミーニングとかいろいろ入ってるし、ものすごいラップオタクなリリックやなと自分でも思う。

DJ松永 すごい噛みしめ甲斐がありまくるヴァースなんですよ(笑)。注釈入れたら歌詞カードが真っ赤になるくらい仕込まれてて。

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ナビゲーター

猪又 孝 / TAKASHI INOMATA

1970年生まれ。音楽ライター/エディター。小4のときにビートルズ「HELP」にヤラれ、19歳のときにロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズに心奪われるも、22歳でいきなりサザン・ソウルに開眼した、我ながら雑食家。現在は邦楽のソウル/R&B/ヒップホップを中心に執筆。でも、カワイイ& カッコイイ女の子もダイスキ。オフィシャル取材などで馴染みがあるアーティストは、加藤ミリヤ、Zeebra、SKY-HI、東方神起、三浦大知、RIP SLYME(五十音順)等々。

 
 
 
 
 
 
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