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LACCO TOWER ミニ・アルバム『薔薇色ノ怪人』インタビュー

LACCO TOWER

ミニ・アルバム『薔薇色ノ怪人』インタビュー

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2002年の結成から15年。2015年からはメジャー・シーンに活動の場を移し、着実に歩みを進めてきたLACCO TOWERが、ニュー・ミニ・アルバム『薔薇色ノ怪人』をリリースした。今回の作品は、松川ケイスケ(ヴォーカル)曰く、「今この瞬間まで積み上げてきたLACCO TOWER」。結成から時を経たLACCO TOWERが持つさまざまな色を“薔薇”に見立てて表現した、色彩豊かで鮮やかな一枚だ。松川ケイスケ、塩崎啓示(ベース)の二人に話を訊いた。

流行りに乗っかるよりも自分たちに似合うものを着ていたい

──今回の『薔薇色ノ怪人』は、結成から15年積み上げてきた現在のLACCO TOWERを象徴する作品になったということですが。

松川 そうですね。LACCO TOWERはもともと、「パンクバンドやろうぜ」とか「歌モノやろうぜ」とか、そういった音楽性や方向性を決めて集まったわけではなく、何かおもしろいことをやろうって、誰がどういう音楽を作るとか何も決まっていない状態で始めたバンドなんです。だから、すごく雑食にいろいろなことを取り入れるバンドで、「これがLACCO TOWER」というのが固まったのも二代目のギターが入った頃くらいだと思うんです。

塩崎 僕らはそれぞれ全然違うテイストのバンドをやっていたんですよ。僕はハードコアをやっていたし、松川はギター&ヴォーカルで今とは違う方向性のバンドをやっていたし。

松川 だからレンジが広いんです。曲もそうだし、5人とも好きなものが全然違うんですよ。服装もバラバラだし。長く一緒にやっていると似てくることもあるかもしれないけど、本当にバラバラ。性格というか性質的な部分は似ているところもあるけど、ほら、今回のアー写も見た目バラバラでしょ(笑)。

──確かに(笑)。

松川 自分たちを見せるときに、いろいろな色が混ざったマーブル柄より、白、黒、赤、ってハッキリ見せたいなと思って、その時々でそれぞれの色にフォーカスを当ててインディーズの頃からやってきたんですけど、メジャー・デビューして2年が経った今、自分たちが培ってきたレンジの広さを活かして全方位に届けられるようになったと思うし、だからこそ今回の『薔薇色ノ怪人』という作品を作れたと思うんですよ。薔薇って、赤がメジャーな色ではあるけど、黄色、ピンク、白……たくさんの色があって、色によって花言葉も変わるんですね。そういう部分が自分たちと同じだなって感じたんです。LACCO TOWERとしてさまざまな色を表現してきて、どんな色でもしっかりと見せられるようになった。つまりは薔薇色の表現ができるようになった。そういう意味を込めて『薔薇色ノ怪人』というタイトルを付けて、曲幅の広い作品を作りました。

──違う色を持った5人が集まって、これまでに打ち出してきたさまざまな色味が花束になった、そんなイメージの作品でした。

塩崎 今回の「薔薇色ノ怪人」は全曲が違った方向に振り切っていて、行くとこまで行った結果の作品なんですよね。インディーズのときは、“できた曲を集めたらミニアルバムになりました”ということが多かったけど、今回は“ミニ・アルバムを作る”って決めて作りました。ミニ・アルバムの“6曲、約30分”っていう時間は対バンの持ち時間みたいな感じがあって、セットリストを組んでいる感覚があったんです。メジャー初のミニ・アルバムとしておもしろいものができたと思います。

──“セットリスト”ってすごくしっくり来ました。出だしの1曲目、2曲目で掴んで、3曲目からまた違った世界に引っ張っていく、まさにセットリストの組み方ですよね。

塩崎 そうですね。このままライヴやったらすごく良いライヴができる気がします。

──1曲目の「怪人一面相」は掴みとして最高ですね。

松川 最初に聴いたときに、この曲を主軸にしてミニ・アルバムを作ろうと即思ったんです。それくらい自分たちらしい曲で、インディーズの頃からの流れを踏襲しているゴージャスな曲だし、こういう曲ができるバンドは自分たちしかいないだろうなって思える曲。

塩崎 今回のアートワークやMVの世界観、そういったものがすぐに見える曲だったし、インディーズ時代の曲に近くてエッジの尖ったサウンドではあるけど、インディーズの頃とは違って、もう少し聴き手に寄った作りになっている気がします。昔は、「どうだ、俺たちかっこいいだろ!」ってやりたいことを提示して、背中を向けているような尖り方だったけど、今はそうじゃなく、尖ってはいるけど、真正面から「俺たちの音楽を見てください!」って言っているような、そういう尖り方に変わった気がしますね。

──イントロからガツンと掴まれて、そこからさらに畳みかけていく後半がまたイイんですよね。ガツガツ感が心地よいというか。

塩崎 実はこのイントロは、3年前に一度だけライヴで披露したことがあったものなんです。〈MURO FESTIVAL〉という僕らにとって縁の深いフェスがあって、今年はお台場でやるみたいですけど、ずっと晴海埠頭で開催していて。その晴海で開催された最後の年に出演したとき、何か新しいことをやりたいと思って、1曲目を始めるまえに掴みとしてSE的にやっていたアンサンブルが今回のイントロなんです。3年振りに蘇りましたね。

──こういう曲を1曲目に持ってくるのは自信の表れのように感じました。

松川 流行っているものとか、こういうふうにしておけば大丈夫、みたいなものってあるじゃないですか。僕らもそれはわかっているし、やろうと思えばできると思うけど、ファッションと同じで、流行っているものが自分に似合うとは限らないと思うんです。流行りに乗っかるよりも自分たちに似合うものを着ていたい。そのほうがおしゃれだと思うし。15年活動してきて自分たちに似合うものがわかって、それが周りにも浸透してきて、ブランド・イメージというか、そういうものを自分たちが理解できているからこういう曲を1曲目に持ってこられたんだと思います。

──「怪人一面相」は赤のイメージが強くて、そこから一転、2曲目の「悪人」は黒が象徴的な1曲になりました。

松川 そうですね。いきなり《黒の中の黒から降る真っ黒な雨》ですからね。

塩崎 黒すぎますね(笑)。

松川 真一が書いてくる曲は、メロディーを聴かせたい曲、アンサンブルとして聴かせたい曲、ガツンと派手にやりたい曲、大きく分けるとこの3つに分けられるんですね。「悪人」はそのなかでいうと、アンサンブルとして聴かせたい曲。最初、真一が上げてきたデモは音が詰まっていて、ブレスのポイントがまったくない曲だったんですよ。

──歌えないよ、と。

松川 そう。真一に「俺は人間だからこれは無理だよ」って(笑)。音を減らしてブレスのポイントを作ってこの形になりました。最初のブレスなしの曲がラップバトルみたいなイメージだったからか、この曲は言葉で遊びたいなと思って、こういう歌詞になりました。個人的にすごく好きな曲ですね。

塩崎 この歌詞はおもしろいんですよ。「ついに歌詞に数式もってきやがったな!」みたいな(笑)。足し算、引き算だけじゃなく割り算まで入ってますからね。〈世間体÷真実〉の答えは俺には出せない(笑)。

松川 小学校では教えてくれない。むしろ先生も解けない(笑)。

塩崎 数式っていう発想もおもしろいし、言葉のリズムもすごくいいんですよね。耳で聴いても目で見てもおもしろい歌詞になったと思うし、曲とのマッチングもすごく良くて。メンバー内でも「早くライヴでやりたいね」って話していて、紗幕に歌詞を映してもおもしろいし、ムービングライトでいろいろな色を動かしてもおもしろいし、僕自身もライヴのアイディアがあれこれと浮かぶ、イメージの広がる曲ですね。遊び甲斐のある曲だからこれからライヴで育つと思います。

──そして、3曲目「桜桃」でガラッと印象が変わりますね。

松川 これまでにも果物の名前がタイトルになっている曲があって、果物の名前のタイトルは人気があって、タイトルを見ただけでファンの人たちが「おっ!」ってなることも多くて。最近出していなかったんですけど、久しぶりに果物にしてみました。でもやっぱり僕が書くと明るい曲にはならなくて(苦笑)。

塩崎 「桜桃」っていうタイトルはすごくポップでかわいいんだけどね。

──そうですね。ポップだし、曲も温かいけど、歌詞が切なくて。冒頭で塩崎さんのお話にもありましたけど、曲自体の振り切り方もそうだし、「怪人一面相」「悪人」から「桜桃」への流れという曲順も展開としてとても派手ですよね。

塩崎 そうですね。この曲は単純なようで、実は複雑で、いろいろな捉え方のできる曲だし、ライヴのセットリストを組むっていう思考だとこの流れもアリだなって。

松川 やっぱり「行くところまで行ってみよう」という思いが強かったので、歌モノが得意なバンドがやるようなテンポで、雰囲気で僕らもやってみよう、と。それが自分らしくないとは思わないし、やるならとことんやりたかったので、やっぱり中途半端にはしたくなかったから、この曲は結構苦労したけど、ここまで思いっきり行けて満足していますね。

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