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LACCO TOWER ミニ・アルバム『薔薇色ノ怪人』インタビュー

LACCO TOWER

ミニ・アルバム『薔薇色ノ怪人』インタビュー

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聴いた人の中で育っていくのが、また嬉しいんですよね。

──4曲目の「楓」は、ピアノから始まってしっとりしたナンバーかと思いきや、疾走感もあるパワフルな曲ですね。

塩崎 今回のリード曲は「怪人一面相」だけど、この曲がリード曲になってもアリだなと思えるくらいパワーを持った曲ですね。すごく作り甲斐があって、単純にAメロ、Bメロ、サビで終わらないで、最後まで引っ張って引っ張って、展開が魅力的な曲だと思います。鍵盤から静かに始まってそこからビート感が出てくる曲は得意としているものなので、いかにドラマチックに広げていくか、作っていて楽しかったです。

──リズム隊のバランスも素敵でした。

塩崎 主張しすぎない、心地よい風のようなベースが弾けましたね。「聞け!」じゃなくて「聞こえてくる〜」みたいな(笑)。この曲は歌を聴かせたかったから、歌を邪魔しない、そよそよ吹く風みたいなベースがいいなと思ったんです。ドラムも同じ思いで、自分たちのグルーヴを聴かせるけど、いちばんは歌。そこは何よりも意識しましたね。

松川 僕はこの曲の「人は何かを食べ生きるもの」から4行の歌詞が今回の作品のなかでいちばん好きで、「俺、素敵!」って自画自賛したくなるくらい(笑)、気に入っています。本当にこの4行は激押しの歌詞です。でもこれをサビに持ってくるのは違うかなって。

──ああ、それこそ松川さん(笑)。

松川 ってことなんでしょうね(笑)。

──松川さんの、どこかひと筋縄ではいかない言葉のセンスを感じました。

松川 解釈は聴き手に委ねたいと思っているので、あまり言葉を明確に、単純にしたくないので、そう意味で日本語の持つ曖昧さって素敵だと思うんです。日本語の曖昧さが好きだから日本語でロックをやっているし、それぞれの解釈で自分の気分に合わせて聴きたいときに聴くことが健全な音楽の聴き方だと思うから、好きなように受け取ってもらいたいと思っているんです。洋服と一緒で着たいときに着てもらえたらいいなと思っているし、聴いた人の中で育っていくのが嬉しいんですよね。

──確かに日本語独特の含みとか、解釈の幅が広いというのは魅力がありますね。

松川 言葉の持つ意味合いだけじゃなくて文字そのものの雰囲気とか見た目の印象とか、そういうものを大事にしたいなと思うし、あとやっぱり固定概念で表現したくない。言葉のイメージってあるじゃないですか。例えば、黒だったらお葬式とか、世間で認知されているイメージが。でもそのイメージ通りにしなきゃいけないっていう決まりはないと思うんです。だからそこを超えていろいろな印象をいろいろな方向に枝分かれする可能性のある言葉が好きです。

──なるほど。そして5曲目の「折紙」。

塩崎 思いっきり振り切ろうっていうことで、この曲はドンシャリから思いっきり丸い音にして、僕らのパキッとしたイメージとは違う、肩肘張らずにゆったり聴ける曲を目指しました。スーツを着てカッチリ決めるところと、スーツを脱いでゆったりするところ、その両方が1枚の作品で見せられたと思います。

松川 この曲、実は歌詞のとおりに折っていくとハートができあがるんですよ。

──えっ!?

松川 言わないと気づかないですよね。きっかけはファンの子からもらった手紙がハート形に折られていたことだったんです。女の子はこういう手紙の折り方とかいろいろ知ってると思うけど、男の俺からすると、ハート形の手紙は本当にビックリしたんですよ。それでどうやって折っているのか気になって折り方を調べて。そのときにその折り方を歌詞にしたらおもしろい気がして。折ってみましょうか(と言って歌詞を辿って折り始める)。

塩崎 この歌詞はまさかの発想ですよね。

松川 最初、この話はメンバーにしてなかったんですよ。歌録りのときに初めて言ったのかな。

塩崎 言われた俺たちは、「どういうこと!?」って(笑)。

──まさしく今の私の気持ちですね(笑)。

松川 本当は1曲でこれができたらよかったんですけど、1曲かけてやると間延びしてしまう気がして1番だけにしました。

──もう少し折り方が複雑だったら1曲でも行けていたかもしれないですね。

松川 そうですね。もちろんこれを聴きながら折り紙を折って欲しいわけではないんですけど(笑)、僕の遊びのひとつだと思ってもらえれば。曲が良かったから、そこに合わせつつもひと捻り欲しくて、こんな遊びをしてしまいました。

──最後の曲、「時計仕掛」は2010年にリリースされたミニ・アルバム『解体心書』に収録されていた曲ですね。

塩崎 この曲は、アルバムのリード曲ではなかったけどすごく人気のある曲で、ライヴでも盛り上がる曲なんです。

松川 ライヴの2曲目によくやるよね。

塩崎 そうそう。1曲聴かせたあとにこの曲がドンッと来るとオーディエンスも一気にテンションが高まってすごくいい雰囲気を作ってくれる曲で。だからずっとライヴに来てくれる人たちが、この曲を再録したら喜んでくれるだろうなと思ったのと、昔からある大事な曲を今の自分たちがやったらどうなるか、進化した部分を見せたかったので、今回改めてレコーディングしました。この曲を最後にしたのは、幅広く振り切った自分たちを見せたあとに、自分たちらしさの塊というか、長い時間をかけて育ったこの曲を入れることが現在のLACCO TOWERを見せることになると思ったからで。

松川 自分たちが伝えたいことは昔も今も変わっていないけど、アプローチのしかたが変わって、いい意味で大人になった気がします。大人になった自分がこうやって昔書いた歌詞を歌えているのは幸せだなと思うし、今歌っても恥ずかしくないものを作っていたっていうのもすごく幸せに思いますね。

──昔から人気のある曲をこうして改めてレコーディングすると、また新しい発見もあったりして聴き手としても嬉しいです。

松川 そうですね。昔からついてきてくれているファンの子たちはこの曲を一緒に育てていってくれたわけだから、きっと嬉しく思ってくれるんじゃないかな。

塩崎 俺らが伝えたい想いは今も何ひとつ変わっていないから、当時のことを思い出すというか、当時と変わらない気持ちで聴けると思うし、でもそれだけじゃなくて今の音としても聴いてもらえると思いますね。昔からある曲だけど、新曲と同じように今のLACCO TOWERだって自信を持って言える仕上がりになったと思います。


 

 《リリース情報》


Mini Album
『薔薇色ノ怪人』
COCP-39899 / ¥2,000(+税)
NOW ON SALE
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[収録曲]
1. 怪人一面相
2. 悪人
3. 桜桃
4. 楓
5. 折紙
6. 時計仕掛(Re-Recording)

《イベント情報》

I ROCKS 2017 stand by LACCO TOWER
4月22日(土)・23日(日)群馬音楽センター
11:00開場/12:00開演(両日共通)
【22日】LACCO TOWER/ircle/Ivy to Fraudulent Game/KAKASHI/片平里菜×cinema staff/cinema staff/SUPER BEAVER/NUBO/秀吉/Moshu/ラックライフ/忘れらんねえよ
【23日】LACCO TOWER/a flood of circle/The Winking Owl/Age Factory/SECRET SERVICE/四星球/DJ岩瀬ガッツ with スベリー・マーキュリー/Halo at 四畳半/THE BACK HORN/BRADIO/Rhythmic Toy World/LILY
前売チケット:各日¥5,500(税込)/通し券 ¥9,000(税込)
イープラス、ローソンチケット、チケットぴあにて発売中
I ROCKS 2017 オフィシャルサイト
http://irocks.jp/2017/

《ライブ情報》

LACCO TOWER ワンマンライブ
10月28日(土)東京・Zepp DiverCity Tokyo
17:00開場/18:00開演
前売チケット:1Fスタンディング ¥3,800/2F指定 ¥3,800(共に別途ドリンク代)
(問)HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

《プロフィール》

LACCO TOWER(ラッコタワー)
松川ケイスケ(ヴォーカル)
塩崎啓示(ベース)
重田雅俊(ドラムス)
真一ジェット(キーボード)
細川大介(ギター)
2002年、バンド結成。2013年に塩崎が代表となり、メンバーで株式会社アイロックスを設立。2014年から自身主催のロックフェス〈I ROCKS 2014 stand by LACCO TOWER〉を毎年開催。現在までにインディーズにて4枚、メジャーにて2枚のアルバムをリリースしている。

オフィシャルサイト
http://laccotower.com
日本コロムビア オフィシャルサイト
http://columbia.jp/artist-info/laccotower/
Twitter
松川ケイスケ @laccomatsukawa
塩崎啓示 @keijishiozaki
重田雅俊 @shigemasa56
真一ジェット @shin1_jet
細川大介 @laccodaisuke

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