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電子楽器クロニクル@カフェ系

テルミンからシンセサイザーへ至る電子楽器の歴史をカフェ系おしゃれラウンジ~テーマパークサウンドで

アンテナに手をかざすことで楽器に手を触れず演奏する電子楽器の祖「テルミン」に始まり、「モーグシンセイザー」へ経て「サンプリングマシン」など現代に至る電子楽器の歴史を辿りながら、同時におしゃれなカフェ系ラウンジやテーマパークのBGMとしても楽しめるナンバーを集めてみました。

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  1. Memory Band
    Rotary Connection

    ミニー・リパートンが在籍したサイケデリックなソウル+ソフトロック・ボーカル・グループによる1967年リリースの1stアルバムより。シタール、子供の声のスキャット、そしてミニーによるテルミンなどの妖艶な響きによって奏でられる素朴な旋律を、エモーショナルなストリングスとグルーヴィーなリズムが包む幻想的なナンバー。ミニー自身による同曲のセルフカヴァーは一転して甘いムードのバカラック調シンフォニック・ボッサ~ソフトロック・アレンジでこちらもおすすめ。

  2. Hindemith: "Langsames Stück und Rondo" für Trautonium(トラウトニウムのための7つの小品)
    Oskar Sala

    フリードリヒ・トラウトバインとオスカー・ザラによって1920年代に開発された電子楽器「トラウトニウム」のために、20世紀初頭ドイツの作曲家、ヒンデミットが作曲した小品集、鍵盤とは異なる独自のインターフェースによる演奏はオスカー・ザラ自身によるもの。肝心の音の方は、同時期のフランスの電子楽器オンド・マルトノ(こちらは普通の鍵盤で演奏できるので現在でも演奏されている)とも違い、レゾナントフィルターなどによってより多彩な音色表現を可能にしている。この多彩な音色を活かしたヒンデミットによるリリカルな楽曲は、後のシンセサイザーによるアンビエント・ミュージックに通じ、そうした音楽の祖とも言えるもの。

  3. T.F.W.Y. [Layout 1]
    Elektrostar

    独Bungalowレーベルからリリースされたジャーマン・ポップ・コンピレーションアルバムに収録。1998年リリースの彼らの1stアルバム「The FutureWas Yesterday」にも別ミックス・バージョンが収録されている。Elektrostarは女性ボーカルと男性2人の3人組。リズム・ボックスや電子オルガンなどのシンセサイザー登場以前の電子楽器によるチープなエレクトロニクス・サウンドと、サンプリングによってカットアップされたスキャットやパーカッションなどが絡みあうキュートなラウンジ・ポップ・チューン。

  4. Boys And Girls
    Jean-Jacques Perrey

    シンセサイザー登場前からテープ・コラージュやオンディオラインなどを駆伊し、電子音楽をポップ・ニュージックの分野で表現し続けていたジャン=ジャック・ペリーは、ディズニー・ランドのエレクトリカル・パレードでお馴染みの「バロック・ホーダウン」の作者。ここで紹介するのは放送用ジングルやCM音楽を集めたライブラリー音源からの楽曲で、それらは現代でもその用途に伊われ続けており、聞けば「誰もが一度は耳にしたことのある」曲の数々のうちのひとつであることがわかるはず。音の方は…とにかくキュート!!

  5. Black Hole Sun
    The Moog Cookbook

    Jellyfishのキーボード奏者Roger ManningがBrianKehewと結成したユニット。90年代初頭のグランジ・バンドのヒット曲などを、MoogやArpをはじめとする70年代のMIDI規格登場以前のヴィンテージ・シンセのみでカヴァーするという、「MOOGミュージック」(70年代にB級イージーリスニングとして粗製濫造された、シンセサイザーの音色の目新しさだけを頼りに当時のヒット曲をカヴァーしたアルバム)を現代の楽曲で蘇らさるという冗談のような企画なのだが、サウンド・プロダクション自体は当時の雰囲気を忠実に蘇らせていて真剣そのもの。インナースリーブに掲げられた「No MIDI」の文字も誇らしい。90年代グランジ・シーンの先駆けとなったSoundgardenによるシリアスな雰囲気の原曲とのあまりのイメージの違いに驚きつつも、ここは深く考えこまずにキュートなシンセサウンドに身をまかせましょう。

  6. Staccato
    The Eliminators

    ベンチャーズやシャドウズといったバンドと同様に60年代のギターインストバンド全盛期に活躍したTheEliminatorsの演奏。主旋律、コードなど、主要なパートを全てスタッカートで演奏するという、タイトルそのままな陽気な曲(笑)。後年イタリアのラウンジレーベルIRMAからリリースされたDJ RodriguezによるPersonalityではこの曲を丸ごとサンプリングし、ドラムンベース調にカヴァー(?)。こちらのバージョンは前出のThe Moog Cookbook/Black Hole Sunととも浦安の可愛いネズミさんたちの夢の国のSFゾーン・トゥモローランドで場内BGMとして一日中流れている。正確に言えばエレキギターは「電子楽器」、ではなく「電気楽器」ではあるが、そこは曲の可愛らしさに免じて。

  7. Barefoot In Baltimore
    Space Ponch

    早すぎたエレクトロ・ラウンジの先駆け「コンスタンス・タワーズ」を前身とし、ライターや映画学校主宰としても活躍するスタディスト・岸野雄一、「おしりかじり虫」の共同作曲者としてお茶の間においてもついにブレイクしたアナログシンセのオーソリティ・松前公高、独自の感性で活躍する女性キーボーディスト・ミントリー、写真家としても有吊なDJ・常磐響の4人からなるスペースポンチの遅すぎたデビューアルバムより。サイケバンドとして有吊なStrawberry Alarm Clockの楽曲をMOOGミュージック風に料理したカヴァー・チューン。日本の音楽シーンにおいて常に最先鋭の位置に立ち続ける彼らのコンセプトは後の欧米のそうしたバンドより二周りは早かった。リスペクト。

  8. MOOG POWER
    立花ハジメ

    80年代にプラスチックス、YENレーベルなどで活躍した後、90年代に入ってテイ・トウワなどのサポートによって久々にリリースされた立花ハジメのアルバム「バンビ-BAMBI-」に収録されたHugoMontenegroのカヴァー。元アーバンダンスの成田忍によるギター・カッティングにしびれるFUNKY MOOGYTUNE!原曲にかなり忠実にアレンジされているが、カヴァー版の方がよりドライでソリッドな雰囲気でカッコいい!

  9. ソフィスティケイテッド・キャッチー
    PIZZICATO FIVE

    元フリッパーズギターのコーネリアスこと小山田圭吾がプロデュースし、渋谷系の両巨頭の激突(?)によりピチカートファイブのブレイクへの契機ともなったアルバム「BOSSA NOVA 2001」に収録。アルバムの中ではインタールード的な位置づけの曲だが、MOOGYなアレンジが炸裂したかなーりホットなモンド・シンセインスト・チューン。

  10. Kung-fu (instrumental)
    Mikado

    ピチカート・ファイブのメンバーだった鴨宮諒さんも当時影響を受けたと認めるフレンチ・ウィスパー・テクノポップの金字塔、MIKADO。前回のプレイリストでもクレプスキュール時代の1stマキシ・シングル収録の「Parhasard」を紹介したが、今回はiTunes Storeのみで購入できる、おそらくその時代の音源(デモ音源?)と思しき曲。こんな貴重な音源が手軽に手に入るのも、ネット時代におけるファイル・ダウンロードによる楽曲配信の恩恵。電子オルガンと内蔵リズム・ボックス、シンセベースの素朴なフレンチ・テクノポップのモノクロームな質感と味わいは、モノクロームであるが故にいつまでも色あせることがない。