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双葉双一を知るための10曲

この歌はまるで自分のことを歌っているよう…。そういう音楽に出会ったことが、多かれ少なかれ誰にでもあるとおもいます。そしてそういう音楽は、他人に傷つけられないように、自分だけの胸にそっとしまっておきたいと思いがちです。けれどもこんな時代、情報が溢れすぎて、逆に見つけにくくなっているのではないでしょうか?だからそういう音楽をみつけた幸運なあなたは、他人を思いやる気持ちで、勇気をもっておしえてあげよう。そう、双葉双一を隣人におしえてあげよう。ああ、いきすぎた!それでは僕も、おしえすぎてしまったとあとで後悔しない程度におしえてあげよう。そんなにマニアックではないから大丈夫。

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  1. Plainsong
    The Cure

    穏やかに澱んだ音の中に、きらきら光るものがたゆたっている。そんな音像が瞼の裏に浮かぶ曲です。それは強く弱く波打ちながら、たしかに輝いていて、闇の中に見る遠くの光のようだ、と思います。それは真実の美しさでも虚像でも構わなくて、ただその美しさをひたむきに信じる気持ちを思い出す曲です。

  2. Ashes to Ashes
    David Bowie

    ロック・ミュージックを伝える手段として、ビジュアルは欠かすことのできない大きな要素のひとつです。自分を自分以外の何者かに再生することでしか生きる(表現する)手段をみつけられなかった僕にとってもまた、デヴィッド・ボウイは多大なる影響を与えました。自分の心中を創造物に体現させる小説的手法とでもいいましょうか。そればかりではなく、メロディー、ヴォーカルともにこの世のものとは思えないほど美しく、見事なまでのポップ・ミュージックに昇華させています。

  3. 女の如く
    シャルロット・ゲンズブール

    ディランの歌は世界中の多くのアーティストがカバーしており、ディランの場合、よくいわれることですが、オリジナルよりも優れたケースが時として起こりうるようです。僕はもちろんすべてを聴いたわけではありませんが、シャルロット・ゲンズブールのこの唄には、本物のフィーリングが込められているようです。

  4. ローランドの悲しい目の乙女
    ボブ・ディラン

    邦題は「ローランドの悲しい目の乙女」などに訳されており、タイトルだけ耳にしても(または声に出していってみても)イメージが目の前に湧き出るようです。各節の韻を踏むときの、あの満足げな声の伸び伸びとした母音の引き伸ばしは実に味わい深く、単調なメロディでありながらも、11分の長さなど全く感じさせません。それどころか、20分でも30分でもずっと続けばいいのにと思ってしまうのは果たして僕だけでしょうか?

  5. ドント・キス・ミー・グッバイ
    ウルトラ・オレンジ&エマニュエル

    この曲は、映画「潜水服は蝶の夢を見る」の印象深い挿入歌としても使われており、フランスの女優、エマニュエル・セニエが同じくフランス出身のウルトラ・オレンジという男女ユニットにヴォーカルで参加したアルバムです。アンニュイで囁くようなヴォーカルはアナログのヴィンテージマイクで録音されており、それに退廃的なギターサウンドが絡まり合った音楽は、見事にエマニュエル・セニエという一人の人間のパーソナリティを表現しているといえます。誠実なアーティストたちの、お互いに幸運な出会いというものは、いつの時代にも起こりえるものですが、彼らは最高の例といえるでしょう。PVもかっこいい。

  6. 太陽の真下で
    アンナ・カリーナ

    映画「ANNA」の作品中、彼女がこの歌を浜辺で歌うシーンが、あまりに可憐で美しく、印象に強いです。野暮ったい眼鏡を外し、軽やかに自由に太陽を仰いでこの歌を歌うアンナは、太陽の真下にまだ見ぬものを夢見ています。映画の中捜し求められた完全な少女の姿が、幻のように太陽の下に現れる瞬間を、まさに象徴した曲であると思います。

  7. メタル・ハート
    キャット・パワー

    例えば歌に癒しを求めようとした場合、むやみに元気づけようとするものより、冷たく突き放されるほうが、不思議と心に響くものです。この歌は、歌い手が自分自身のために歌っています。わたしは金属でできたハートをもっているのだから何がおきても大丈夫だと。強がりのようにも聞こえますが、自分の殻に閉じこもることでしか乗り越えられない悲しみや苦しみもありますよね。

  8. 人生の大根役者
    美輪明宏

    自分は天才なんだと声高らかにうたいあげる美輪さんのこの歌には、とても勇気づけられます。

  9. おしまい町駅ホーム
    戸川純バンド

    戸川純のヴォーカルパフォーマンスの力は凄まじいものがあり、実はとても影響を受けています。「20th Jun Togawa」というカバーアルバムも、けばけばしく祝祭的な美しさがあり、とてもいいので、どちらにしようか迷いました。まるで美意識だけで世間に立ち向かっていくような超然とした姿勢がそのヴォーカルに遺憾なく表現されています。

  10. 悲しみの歌
    ルー・リード

    アルバム「ベルリン」のラストシーンを締めくくるふさわしい、悲しくも美しいラヴソングです。格調高いオーケストラに、ルー・リードのモノローグが実に淡々と綴られて行きます。「アルバムをめくると、彼女はまるでメリ-女王のよう。とっても堂々としていて、間違っているのは僕たちのほうだといわんばかり…」人間は醜い、しかし人生は美しい。あまりに純粋な魂をもって生まれたが故に破綻してしまう人たちへの鎮魂歌としての役目を、ロック・ミュージックが果たせるのだということを、このアルバムが証明していると思えるのです。