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METAFIVE、冬のツアー東京公演をレポート

グルーヴィーな新曲も完璧なパフォーマンス!
“攻め”の姿勢を崩さないMETAFIVE、東京公演は大盛況!

今年1月に発表したファースト・アルバム『META』が好評を博し、夏はフェスでのプレイも大喝采を浴びたMETAFIVE。11月30日より〈WINTER LIVE 2016〉と題したツアーを敢行しており、これまでに広島、大阪のライヴハウスで公演を行ってきた。その一環で彼らがこの日の夜にライヴを行ったのは、東京・お台場にあるZepp DiverCityである。

17時に開場されると、会場のフロアはあっという間に人で埋めつくされた。観客たちはみな、ステージに視線を向け、今や遅しと6人が登場するのを待っているようだ。そして18時を過ぎた頃、客電が落ちると同時に、オープニングSEが鳴り、中村勇吾がVJを始めた。スクリーンにメンバー一人ひとりの名前が映し出されるたびに、大きな歓声が上がる。それと並行して、メンバーが順にステージ上に登場。全員そろったところで、LEO今井が「グッド・イヴニング」と客席に向けて挨拶し、ついにライヴが始まった。

まず彼らが披露したのは「Submarine」。11月頭にリリースしたばかりのEP『METAHALF』に収録されている一曲で、ライヴで聴くのは初めてだったが、6人の息ががっちりと合った演奏で、すでに板についている印象だ。魚の群れが水中を漂うような中村のVJも、この楽曲にぴったりである。続いて、LEO今井が朗々と歌い上げる「Maisie’s Avenue」を挟み、プレイされたのは新曲の「Chemical」。エッジの効いたベース音と疾走感のあるビートに、グイグイと乗せられてしまう。やはり、このバンドの“攻め”の姿勢は健在だ。

ここで一度、「東京に帰ってきました」という高橋のMCが入った後、演奏されたのはまたしても新曲「Musical Chairs」。先日、朝の情報番組「スッキリ!!」(日本テレビ)で同曲の生ライヴが披露され、METAFIVEの存在をお茶の間に知らしめることになったが、この日、楽曲の艶っぽく洗練された雰囲気が、高速道路のジャンクション、武道館、東京ドーム、工場……といった東京の風景を俯瞰したVJの映像によって引き立っていた。それでいながら、終盤の高橋とLEOによる「Eyoi yoi yoi」というコーラスワークは、祭囃子を思わせ、オーディエンスのプリミティヴな快楽に訴求するように見えたのだ。

それから「Split Spirit」「Albore」「Whiteout」と『META』の収録曲が続いたが、同アルバム発売直後のライヴと比して、バンド・アンサンブルが強固で、明らかにレベルアップしている。とりわけ、「Split Spirit」に関しては、静かに始まる曲でありながら、各人が紡ぐ一音一音とビートが絡まり合い、やがて大きなうねりになっていくさまは圧巻だった。
その後、スケッチ・ショウのカバー曲である「Turn Turn」の演奏が終わると、新曲「Peach Pie」へ。小山田圭吾のソリッドなギター・リフと砂原良徳が弾く太いベースラインが攻撃的なグルーヴを生み出し、間奏ではゴンドウトモヒコがアヴァンギャルドにユーフォニウムを吹いたのだった。

ここでまた、MCタイムとなる。テイ・トウワがDJブースから拡声器で「ゴンちゃんを思い切り抱きしめたい人?」と客席に問うと、いくつか声が上がったが、高橋が「男の人が多いね……」と苦笑。続けてテイが「LEO君を抱きしめたい人?」と聞くと、黄色い声が客席から多く上がり、その反応を見てテイは「LEO君の勝ちだね」とつぶやいた。こうした“笑い”も、METAFIVEの特徴のひとつだろう。このMCがあったせいか、その後の新曲「Egochin」はどこかユーモラスに聴こえたのだった。

そして、そもそもはテイの曲だった「RADIO」を安定したクォリティでプレイし終えた後、再び高橋のMCヘ。ここまで観客を十分ロックしていたようにも思えたが、「次の曲でもっと盛り上がるかな」と高橋が言って始まった「Don’t Move」は、間違いなくこの日のハイライトだった。『META』のリリースに先行してYouTube上にアップされたアグレッシヴな同曲のMVを耳にして、METAFIVEがキャリアのある音楽家たちが寄り集まっただけの“企画モノ”ではないことを思い知った観客の多くは、やはりこの曲を待っていたのではないか。フロアではみなビートに合わせて身体を揺らしながら、ヒートアップしていく。それに対して、ステージ上の面々は以前よりも強度を増した演奏を展開し、さらにオーディエンスを鼓舞していった。

その勢いを保ったまま、疾走感のある「Gravetrippin」、ラスト・ソングの「Disaster Baby」を披露。彼らがすっかり固い信頼関係で結ばれたライヴ・バンドになっていることを証明した。
この後、6人は舞台から一度立ち去るが、観客のアンコールを受けて、再び登場。もともと高橋がシーナ&ロケッツのために書いた「Radio Junk」のカバーから始まり、それに続いてプレイされたのが「Luv U Tokio」だ。東京の風景を切り取ったMVが背後に流れるなか、同曲が演奏される様子を見ながら、METAFIVEは改めて東京のバンドであることを実感した。国内のほかの都市もめぐるツアー中だからこそ、東京公演でのこの曲が象徴的に感じたのかもしれないが、今、目の前で鳴っている音楽はやはり、世界中のどんな場所にも見当たらず、東京のハイセンスな音楽家たちにしか生み出せないものだろう。そして、高橋が「この曲で終わります」と言い、彼らは浮遊感のある「Threads」で締めくくろうとした──。

しかし、ここでライヴは終わらなかった。「Threads」の演奏後、メンバーの姿がステージから消えても、ほとんどの観客がフロアにとどまり、アンコールが鳴り止まない。すると、6人は再々登場し、「メンバーみんなが儀式だって言うんで、この曲をやります」と高橋。そして、奏でられたのが、METAFIVEが結成時よりプレイしてるYMOのカバー曲「CUE」である。オーディエンスはそのメロディを口ずさみながら、大いに満足している様子だった。

かくして東京でのライヴは大団円を迎えたわけだが、この夜のパフォーマンスを見る限り、METAFIVEは“守り”に入るどころか、まだまだ“攻め”の姿勢で突き進んでいくことを予感させる。12月5日、6日の札幌公演でも、彼らのライヴはきっとさらに“進化”しているはずだ。
文:中矢俊一郎
写真:三浦憲治

《リリース情報》


『METAHALF』
2016月11月9日発売
WPCL-12456 ¥1,800(+税)

[収録曲]
1. Musical Chairs
2. Chemical
3. Egochin
4. Peach Pie
5. Submarine

METAFIVE 特設サイト
http://sp.wmg.jp/metafive