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愛娘LUCYを迎えて開催された「シーナの日」レポ

鮎川誠 Presents『シーナの日』#3 〜シーナに捧げるロックンロールの夜〜
愛娘LUCYをフィーチャーし、2デイズ開催となった初日の模様をレポート!
(写真:Hiroki NISHIOKA)

今年で3回目を迎えた「シーナの日」は、4月7日、4月8日の2デイズ開催となった。会場ロビーにはシーナのライブ写真やポスターの数々が飾られ、開演前にはステージのスクリーンにシーナ&ロケッツの貴重な映像が次々と流れる。プロモビデオやレアなライブ映像が流れているのを観ていると、シーナ&ロケッツというバンドが歩んで来た39年という歴史を感じさせられた。まだ日本でロックが市民権を得ていなかった時代。それからずっと彼らは一貫して”何も変わらない”ロックのスピリットを貫いている。映像に目を奪われていると、ロケットの発射音が鳴り、会場が歓声に包まれた。お馴染みのロケット発射音のカウントダウンが始まると観客達も「3、2、1、ゼロ!!」と声を上げる。そして轟音とともにメンバーが登場。

鮎川誠の抱えているのは、長年の相棒であるブラックビューティー、69年型のレスポールカスタムだ。鮎川のギターは、ただ年期が入っているだけじゃ済まされない特別なオーラを放っていた。ヴィンテージアンプからヴォリュームフルテンで奏でられる強烈なロックサウンドは「バットマンのテーマ」から始まる。一音目から目が醒めるような音だ。続けざまに鮎川誠の代表曲「I’M FLASH」「Virus Capsule」など、鮎川ボーカルの力強い曲がMCもなくたてづづけに演奏されていく。4曲が終わるとここで鮎川が初めてのMCを入れた。「シーナが天国に行ったけど、俺達までしょぼくれてギター弾かんようになったら、シーナががっかりする。俺達は最初からロックが好きで出会って、一日中、一年中ずっと最後の最後までロックのことばっかり話しよった。ロックが俺達にもたらしてくれる。ずっとぶっ飛ばして行こう!」

現在のシーナ&ロケッツ、39年目のラインナップは、1978年バンド結成時のメンバーだ。「スイートインスピレーション」ではメンバー紹介をしながら曲が始まっていく。「一番最初にエルヴィス・コステロのライブに対バンで出た時のメンバー!」と言って鮎川は誇らしくメンバー紹介をしていく。ベースの奈良敏博、ドラムの川嶋一秀。「リードボーカル、スーパースペシャルゲスト、Daughter of, QUEEN OF ROCK’N ROLL HEARTS LUCY MIRROR!」と言った途端、シーナの末娘LUCYがまるでシーナのように笑顔でステージに飛び込んで来た。ステージが一気に華やぐ。「シーナの日に来てくれてありがとう。今日はシーナの愛した曲をたくさん歌います。最後まで楽しんでいってね」とLUCYの声に観客が笑顔で答える。続けて「ハッピーハウス」。自然と体が縦ノリになる。

細野晴臣プロデュースで1982年に発売したシーナのソロアルバム『いつだってビューティフル』から「ボントンルーレ」。続けて『メインソングス』から「今夜はたっぷり」が演奏された。シナロケのライブでは滅多に演奏されていないレア曲である。高橋ユキヒロ作曲の「ベイビーメイビー」もポップで新鮮だった。

「お待ちかねのゲストを紹介したいと思います、細野晴臣さん!」という鮎川の紹介で、満面の笑みでベースを手にした細野がステージへと現れる。わあっと観客が沸いた。観客の盛り上がりに、開口一番「いやいやすごい」と細野。鮎川はステージに迎えながら「シーナと僕は博多におるときからものすごく尊敬しとる。出会ってからは、ハートの、人間のファンにもなった」と言った。細野はLUCYに向かって「シーナそっくりだな、かわいい」と笑顔を向ける。アットホームな空気が漂っているステージになっていた。しばし細野との出会いのエピソードを語る鮎川。「変わってないよね、その頃から。あんな感じだった」と鮎川を指さす細野。鮎川と細野がステージで会話するたび、場内は何度も笑いや歓声が起きる。「朝までレコーディングやって、朝方、細野さんのプジョーで適当な所まで送ってもらう。夜中まで喜んでレコーディングしていたね。今日は細野さんがゲストで来るので、ライブでもほとんどやったことない曲をやったら面白いと思って!」と、シーナのソロアルバム『いつだってビューティフル』から「浮かびのピーチガール」が初披露される。続いて「ワイワイワイ」。この2曲を歌うLUCYは初々しくてシーナのデビュー当時と被ってしまうほどキュートだったのだが、このシーナのソロアルバムのレコーディング中に、なんとLUCYがシーナのお腹にいたというエピソードも飛び出し、言葉にならない感動が押し寄せた。音楽は時空を軽く越えてゆく。

シーナ&ロケッツとして、鮎川とシーナが細野と作ったアルバムは3タイトル──『真空パック』(79年)、『Channel Good』(80年)、そして『@HEART』(97年)。言わずと知れた名盤である。これらを“細野トリートメント”だと語り出す鮎川。「また作らせてよ!」と細野の嬉しい言葉も。そこから細野が「ベースを弾きながら歌うのは初めて」と言って、細野の楽曲「カウカウブギ」「ハウス・オブ・ブルーライト」。「このバンドでブギやるの好き」と細野も演奏にのっている。続けて「細野さんはスウィンギンな感じやけど、今日はシーナ&ロケッツ・スタイル、ちゅうか、チャックベリー・スタイルで」と鮎川のカウントで細野の「ポンポン蒸気」。LUCYもコーラスで登場し、極上のロックンロールを聴かせた。
後半は怒濤のシナロケのキラーチューンが続く。「クライ・クライ・クライ」「レイジー・クレイジー・ブルース」「レモンティー」「ユー・メイ・ドリーム」──もう自分がどこにいるのかわからなくなっているという具合に汗だくで脳天を揺さぶられる。まるでシーナのような堂々とした歌いっぷりのLUCYは、「もっとシーナ&ロケッツの歌をみんなに聴いてもらいたいから歌う」と言う。シーナ&ロケッツというひとつのロックバンドが40年もロックし続け、そして今もロールし続ける奇跡を目の当たりにし、最新型のシーナ&ロケッツの圧巻なステージを体感した特別な夜となった。

鮎川誠率いるシーナ&ロケッツはシーナがいなくなってもますますロックを体現していく。昨年にはサンハウスのボーカル、菊とのコラボ・アルバムを発表するなど精力的に活動しているが、今年は鮎川の”ロック69歳”の記念すべき年でもある。鮎川の音楽生活50周年を記念して69歳の誕生日である5月2日に地元・久留米で初開催となる「鮎川誠 生誕69年プレミアムライブ」、そして「47 Rokket Ride Tour」という全国47都道府県を廻るツアーも佳境に突入、6月には初の東北ツアーも控えている。鮎川誠のロックの年はまもなく始まろうとしている。

文:柳原翔一

《ライブ情報》

鮎川誠 生誕69年×音楽生活50周年 プレミアムライブ
5月2日(火)福岡・久留米座
18:00開場/19:00開演
チケット:前売 ¥5,400/当日 ¥6,100(いずれも税込)※全席自由
(問)くすミュージック  092-753-6375

47 Rokket Ride Tour
6月16日(金)宮城・仙台 LIVE HOUSE enn 2nd
18:00開場/19:00開演
チケット:前売 ¥4,500/当日 ¥5,000(いずれも税込+1ドリンク)
(問)LIVE HOUSE enn 2nd  022-212-2678
6月17日(土)岩手・盛岡 The Five Morioka
18:00開場/19:00開演
チケット:前売 ¥4,500/当日 ¥5,000(いずれも税込+1ドリンク)
(問)The Five morioka  019-601-6932
6月18日(日)青森・Quarter
18:00開場/19:00開演
チケット:前売 ¥4,500/当日 ¥5,000(いずれも税込+1ドリンク)
(問)Quarter  017-777-3337


《プロフィール》

鮎川誠(あゆかわまこと)
ロックミュージシャン。1948年5月2日生まれ。福岡県久留米市出身。九州大学農学部卒業。1970年からサンハウスのリード・ギター/コンポーザーとして活動。1978年、シーナ&ロケッツを結成。初ステージ以来、今日まで一切のブランクがなく活動し続け、今年39周年を迎える。2015年2月、ヴォーカルのシーナが病により急逝するも、シーナのロックンロールハートを胸に抱き、鮎川がヴォーカルとギターを担ってライヴ活動を展開中。

オフィシャルサイト
http://www.rokkets.com/
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SPEEDSTAR RECORDS
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