【薬学博士が解説】グルタミンサプリって本当に美白効果あるの？

2022年9月5日2023年6月15日

美肌効果や美肌効果があると言われ、注目を集めているグルタミン。
最近では、グルタミンのサプリメントが非常に人気になっています。

そこで今回は、グルタミンが本当に効果があるのかを論文を紐解きながらご紹介していきたいと思います。

グルタミンとは

グルタミンは体内で作られるアミノ酸と呼ばれる物質。
さらに細かく分けると非必須アミノ酸というカテゴリに分類されるアミノ酸です。

非必須アミノ酸は、体内で自分自身で作り出すことができるアミノ酸で、無理に外部から取り込む必要はありません。だからこそ「非必須」と呼ばれるアミノ酸なのです。

すなわち、グルタミンは非必須アミノ酸で、基本的にはサプリメントとして外部から無理やり摂取する必要性はありません。

グルタミン…非必須アミノ酸
体内で自分自身で作り出せるので、無理に外部から取り込む必要はない物質

グルタミンが体内で作り出せる非必須アミノ酸なら、サプリメントを飲む必要はあるのかな？

グルタミンの３つの働き

グルタミンの働きは大きく分けて３つあります。

筋肉の構成
アンモニアの解毒
美白効果

グルタミンは主に筋肉や髪・肌のタンパク質の重要な構成要素となっています。
特に、筋肉作りにおいてはグルタミンというアミノ酸は非常に重要な役割を果たします。

体を鍛えている方、筋肉作りをしている方には、サプリメントなどで外部からグルタミンを摂取するのは効果的な方法です。

今回はグルタミンの働きの中で、女性が気になる美白効果について深堀りしていきたいと思います！

グルタミンに美白効果はある？

グルタミンに美白効果があると言われる秘密は、グルタチオンという物質にあります。

グルタミンというアミノ酸は、このグルタチオンを維持するために重要な栄養素。

そしてこのグルタチオン自体が美白効果を持っています。
美容クリニックや美容外科で行われる、美白効果がとても高い「白玉注射」の主要成分もグルタチオンになります。

グルタチオン…美白効果を持つ栄養素
グルタミン…グルタチオンを維持するために重要な栄養素。

グルタミンに美白効果があると言われる理由は、グルタミンが美白効果を持つグルタチオンを維持しているから。

グルタミンそのものが美白効果を実現しているわけではありません。
グルタミンがグルタチオンの構成要素となるからこそ、美白効果が実現しているという形になります。

それなら、グルタミン自体の効果は実際どうなんだろう？

その効果を検証するために、今回はある論文を紐解いていきます！

グルタミンに関する研究論文を紐解く

今回は、グルタミンの美白効果を検証するために、「身体の状態や皮膚の状態に対するアミノ酸摂取の効果　無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験」という信頼性の高い研究論文を紐解いていきます。

こちらの論文で紹介されているのは、サプリメントとしてアミノ酸を外部から取り込んだ時に肌がどうなるのかという点です。

※この研究で使用されているアミノ酸はグルタミンだけではなく、アルギニンやその他ビタミンを諸々含んでの効果が記載されていますので、グルタミンだけの効果ではないことをご理解ください。

こちらの研究結果では以下のような内容がまとめられています。

《研究結果》
・運動習慣のない成人女性に対して、このアミノ酸を摂取していたところ筋肉量が有意に増強した。
・その結果、肌質・肌のきめの細かさ、肌の弾力が改善した。
・ただし、この効果は肌に直接アプローチしたものではなく、筋肉量の増強によって肌のきめ細かさや肌の弾力が改善したと考察される。

つまり、グルタミン酸サプリメントが直接肌に対してアプローチしているわけではなく、筋肉量の増強によって結果的に肌質の改善に効果があったということが分かっています。

さらに、この研究では、運動習慣のない成人女性を対象としているので、もともと筋肉をしっかり作っている方にとってグルタミン酸の摂取による肌質改善の効果はあまり期待できないと言えます。
ただし、普段からあまり運動をしないという方は、グルタミン酸サプリメントを摂取して筋肉量を増やし、その結果として美白効果・美肌効果を得るというアプローチもあります。

グルタミンは、筋肉量の増強に効果を発揮し、その間接的な結果として美白効果・美肌効果があると言われているんだね！