「マルチビタミンサプリは意味ない!」と言われることもありますが、果たして本当にそうなのでしょうか。
今回は、薬剤師である筆者が、マルチビタミンサプリは意味がないのか調べてみました。
また、私が個人的におすすめしたいマルチビタミンのサプリメントも紹介しています。
ぜひ最後までご覧ください。
結論!マルチビタミンサプリのグミはあまり意味ないかも??
「Consmer Lab」の調査報告によると、マルチビタミンサプリメントは50%の確率で期待ハズレとのこと。
つまり“サプリメントの商品によっては意味ない”ということがいえます。
Consmer Labは、健康・栄養機能食品に専門の独立の検査期間です。
35種類の有名なサプリを対象に「葉酸」「カルシウム」「ビタミンA」の栄養素に絞って調査。
上記の3成分が含まれないサプリは「鉄分」「亜鉛」など別の栄養素を調査しています。
調査の結果、栄養素の量の過小や過多が見受けられたり、成分表示が不正確だったりして約半分のサプリが不合格になったとのこと。
「飲んでも意味ない」「過剰摂取になって危険」と思いますよね。
ちなみに、このような結果となったサプリメントは、グミサプリに多かったようです。
ですので、もしサプリメントを選ぶなら、カプセルやタブレットタイプが無難かもしれません。
そもそもマルチビタミンサプリとは?
マルチビタミンサプリとは、健康や美容に必要なビタミンが複種類含まれているサプリメントをいいます。
錠剤・グミ・ゼリータイプがあるので、摂取しやすい方法を選択しましょう。
厚生労働省が記した「国民健康・栄養調査」によると、1日3食の食事をしていたとしても、偏食や食生活の乱れにより1日分の必要な栄養素はとれていないというデータがあります。
ですので、マルチビタミンサプリメントで不足しがちな栄養素を補うことは大切だといえます。
マルチだからといって全ての成分を含んでいるわけではない
”マルチ”といわれると、必要なすベてのビタミンが含まれていると思われがちですが、そうではありません。
ビタミンには、体の構成に必要な「必須ビタミン」が13種類あります。
商品によっては6種類や4種類しか配合されていない場合もあります。
購入する際は、配合されているビタミンの種類や数をチェックしましょう。
では、マルチビタミンサプリの含有成分とその特徴について解説していきます
マルチビタミンサプリの含有成分について
マルチビタミンサプリは主に
- ビタミンA
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンB3
- ビタミンC
- ビタミンE
のすべて、もしくは上記のどれかが含有されていることが多いです。
ただ、先ほどいったように必須ビタミンは13種類なので足りていません。
よって、使用の仕方には工夫が必要です。
必須ビタミンは、大きく分けて「水溶性」と「脂溶性」に分類できます。
では、必須ビタミン13種類とその特徴を紹介します。
ビタミンA
ビタミンAは、皮膚や粘膜を健やかに保つ作用、視覚に関する色素タンパク質の生成、からだの成長に関わっています。
豚レバー、鶏レバー、ウナギといった動物・魚由来の食材に多く含まれています。
とくに、ほうれん草やにんじんなどの緑黄色野菜には、ビタミンAの前駆体である「プロビタミンA」が豊富です。
プロビタミンAにはカロテンが含まれており、なかでもβカロテンはビタミンAに変換されやすいです。
変換されやすいとはいえ、必要分だけが変換されるので過剰摂取の心配はありません。
ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質代謝などの酵素のサポートやエネルギー産生に関わっている栄養素です。
摂取量不足だけでなく、糖質が中心の食事が続くとビタミンB1不足になりやすいです。
豚肉、うなぎ、紅鮭や、玄米や発芽玄米に多く含まれています。
ビタミンB2
ビタミンB2は、糖質・脂質・タンパク質のエネルギー代謝や脂質代謝の酵素をサポートする栄養素です。
ビタミンA同様、皮膚や粘膜の健康キープにも関わっています。
摂取するなら、含有量が多いレバー、うなぎ、ブリ、納豆、牛乳がおすすめです。
ビタミンB3(ナイアシン)
酸化還元反応(酸化した物質が元の状態に戻る化学反応)に関わっていたり、皮膚や粘膜の健康維持のサポートをするビタミンです。
アミノ酸の一種であるトリプトファンから生成される栄養素でもあります。
玄米、落花生、鶏むね肉、かつお、まぐろから摂取できます。
ビタミンB6
ビタミンB6は、タンパク質・アミノ酸の代謝や、ヘモグロビンの合成、皮膚や粘膜の健康キープする作用があります。
豚ヒレ肉、びんながまぐろ、バナナ、玄米、サツマイモなどに多く含まれています。
ビタミンB12
ビタミンB12は、アミノ酸や脂肪酸の代謝酵素のサポート、赤血球の生成に関わっているビタミンです。
「赤いビタミン」「神経のビタミン」「抗貧血ビタミン」といった呼称もあります。
摂取するなら、魚貝類やレバーなどの動物性の食材がおすすめです。
ビタミンC
ビタミンCは、健やかな皮膚や粘膜のキープに欠かせない栄養素です。
他にも、植物由来の食材から摂取できる鉄分の吸収を促したり、酸化還元反応に関わっていたりします。
加熱すると失われやすいため、調理法に工夫が必要です。
ベストな食べ方は「加熱せずそのまま食べる」です。
ビタミンD
カルシウムの吸収促進や血中カルシウム濃度のコントロール、骨の成長促進に関わるビタミンです。
適度な日光浴により体内で生成可能です。
他にも、サケ、サンマ、ブリなどの魚類、きのこ類、卵から摂取することもできます。
ビタミンE
ビタミンEは、抗酸化作用や抗炎症作用、酸化ストレス抑制作用、抗アレルギー作用などさまざまな角度から健康キープに働きかける栄養素です。
極端な偏食をしない限り、不足することはほとんどないといわれています。
西洋かぼちゃ、アボカド、うなぎの蒲焼き、めかじき、アーモンドなどに多く含まれています。
ビタミンK
ビタミンKは、血液を固まらせる働きや健やかな骨の維持に関わるビタミンです。
一般的な食生活であれば、基本的に不足することはないといわれています。
腸内細菌からの生成以外に、納豆、鶏肉、ほうれん草、ブロッコリーなどから摂取可能です。
パントテン酸
パントテン酸は、補酵素の材料としてさまざまなエネルギー代謝にかかわっている水溶性のビタミンです。
豆知識なのですが、パントテン酸の由来はギリシャ語の「パントテン」が由来。
”広くどこにでもある”という意味があります。
極端に食事の量を減らさない限りは不足することはほとんどありません。
レバー、鶏むね肉、アボカド、納豆、玄米などに多く含まれています。
葉酸
葉酸は、DNAやRNAの合成やアミノ酸の代謝、ビタミンB12と一緒に血液を作る、胎児の発育をサポートする働きのある栄養素です。
妊娠前からの摂取が推奨されており、妊活サプリの主成分にもなっています。
ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、アスパラガス、レバーに多く含まれています。
ビオチン
ビオチンは、脂肪酸合成・アミノ酸代謝・糖新生に関わっている栄養素です。
よほどの食生活の乱れがなければ不足することはないといわれています。
不足すると食欲不振、吐き気、悪心、うつ症状などが起こるので要注意です。
レバー、鶏卵、ブロッコリー、アーモンド、落花生、納豆などに多く含まれています。
マルチビタミンサプリを飲むメリット
マルチビタミンサプリに含まれている成分を紹介してきました。
以降では、成分の作用を踏まえて摂取するメリットを5つ解説していきます。
メリット1.美肌・健康の基礎を作れる
ビタミンの多くは、皮膚や粘膜を健やかに保つために欠かせないものです。
マルチビタミンサプリでビタミンが不足を予防することで、肌荒れが起きにくい健やかな肌を目指せます。
また、美しく健やかな髪は、健やかな頭皮から生まれます。
ビタミンA・Eは血行促進作用があり、健やかな髪の育毛をサポートをしてくれます。
また、抗酸化作用もあるビタミンもあるので、いつまでも若々しく元気でいたい方にもおすすめです。
メリット3.疲労回復を助けてくれる
ビタミンB群は、エネルギー代謝を高めて疲労を軽減してくれる働きが期待できます。
疲労感は、エネルギー代謝が低下しているから感じるもの。
ビタミンB群を補給するとエネルギー代謝をあげて疲労感を解消できます。
とくに、ビタミンB1・B2・B6は、疲労回復に効果的です。
メリット4.糖のエネルギー変換を促しダイエットをサポート
ビタミンB1が含まれているマルチビタミンサプリは、ダイエットのサポート効果が期待できます。
ビタミンB1には糖のエネルギー変換を促す作用があり、脂肪への変換を抑制できる可能性があります。
メリット5.筋肉の成長をサポートしてくれる
筋トレしている方がマルチビタミンを飲むと、筋肉の成長が促す効果が期待できます。
筋肉の成長には、タンパク質だけでなくビタミンや脂質も重要。
筋トレ後、プロテインとマルチビタミンを飲んで、筋肉の成長を促してあげましょう。
マルチビタミンサプリ「7つの選び方」
マルチビタミンサプリの選び方は、非常に重要です。
成分重視、コスト重視、欲しい作用・効果重視など、さまざまな希望があるでしょう。
よって今回は、選ぶ際の7つのポイントをお伝えします。
ご自身の選ぶ基準を整理してみてください。
粒の大きさや形状で決める
サプリの粒の大きさや形状は商品によってさまざま。
粒が大きいものもあれば小さいものがあり、ソフトカプセル状のものや錠剤タイプのものがあります。
毎日飲むものなので、飲み続けやすい大きさや形状を選びましょう。
摂取量で決める
毎日何粒の飲むのが大変だという方は、1日の摂取量が少ないサプリを選びましょう。
商品によっては1粒だけで済むものもあるので、探してみてください。
含有されているビタミンで決める
含有成分の解説でもお伝えしたとおり、マルチビタミンといっても必須ビタミン13種類がすべて含まれているわけではありません。
ご自身がマルチビタミンを飲む目的を明確にし、それに合った成分を選ぶのがベストです。
例えば、疲労感を軽減したいならビタミンB1・B2・B6が含有されているサプリ。筋肉の成長サポートならビタミンB1・2・6、ビタミンDが配合されているサプリ。といったような感じです。
プラスアルファで含まれている成分で決める
アミノ酸や亜鉛などのミネラル、乳酸菌など別の栄養素が加わっている商品もあります。
「ビタミンに加えて腸内環境が気になる」「筋肉の質を高めたい」など、目的やプラスで欲しい効果にあったサプリを選ぶのもおすすめですよ。
GMP認証かどうかで決める
「とにかく品質がいいサプリがいい」という方は、GMP認証のサプリを選びましょう。
GMPとは「適正製造規範」の略。
「GMP認証」は、医薬品レベルにまで徹底された品質の工場で製造されている証です。
コストのよさで決める
サプリの料金はピンからキリまであり、数百円〜1万円弱の効果な商品まであります。
長期に渡って継続するなら、やはりコスパが高い商品を選ぶべきでしょう。
購入時の金額はある程度しますが、1日あたりのコストが安く済む大容量タイプもおすすめです。
おすすめサプリはこれ!ディアナチュラのマルチビタミン
個人的におすすめなのは「ディアナチュラ 49アミノ マルチビタミン&ミネラル」です。
こちらは、18種類のアミノ酸、12種類のビタミン、9種類のミネラル、10種類の乳酸菌が配合されていて、コストはなんと1錠7円です。
1日4錠服用なので、1日あたりのコスト28円で幅広い栄養素を摂取できます。
さらに、錠剤も小さく飲みやすいというのもポイントです。
飲むタイミングと摂取時の注意
マルチビタミンはサプリなので医薬品ほど取扱いの注意はありません。
ただし、おすすめの摂取タイミングや気をつけるべき飲み合わせがあるのでご紹介しておきます。
飲むタイミング
マルチビタミンサプリは、朝・夕方の食事中または食後の摂取を推奨します。
胃腸の働きが活発なときに飲むと効率よく吸収されるので、ぜひ意識してみてください。
注意すべき飲み合わせ
サプリメントは健康食品なので基本的に医薬品との飲み合わせは大丈夫です。
しかし、中には危険な組み合わせもあります。
例えば、ビタミンAと「ワルファリンカリウム」という血液凝固防止薬を一緒に摂取は危険です。
抗血液凝固作用が増大するため、さらに血が止まらなくなる危険性があります。
このような危険な副作用は、別の医薬品とビタミンの種類によってまだ他にあります。
普段薬を飲まれている方は、一度医師に相談してから飲むようにしてください。
まとめ
今回は、マルチビタミンサプリは意味ないのか、飲むメリットや期待できる効果などを紹介しました。
マルチビタミンサプリは、Consmer Labによるとグミタイプは品質がまちまちなようです。
ですので、摂取するならタブレットやカプセルタイプをおすすめします。
また、摂取することで体調や健康、美容の面においてメリットもたくさんあります。
興味ある方は試してみてはいかがでしょうか。