【薬剤師が解説】ユベラで効果的に美肌を手に入れるのか

ユベラ
悩む人

ユベラで本当に美肌を手に入れられるの?

と思っているあなたに、薬剤師であるオオクボが、ビタミンEの美容効果と、効果的に美肌を手に入れる方法についてお話しします。

目次

ユベラとは?

ユベラとは?

ユベラは一般名で「トコフェロール」と呼ばれており、トコフェロール酢酸エステルが主成分の医薬品です。
難しい名前の成分ですが、要はビタミンEで体に強く作用することはなく、不足を補うためのビタミン剤です。

よく似た名前の薬で「ユベラックス」があり、こちらは天然ビタミンEであるd-α-トコフェロールを主成分としています。

ユベラとユベラックスは、ともにビタミンEに違いはないため、効果に大きな差はありませんが、化学合成で製造されたことが気になる方はユベラックスがおすすめです。

オオクボ

価格が気になる方はジェネリック医薬品もあるので、処方の際に希望を伝えて対応してもらうこともできます。

ユベラは何に使う薬なのか

ユベラは何に使う薬なのか

ユベラは、下記の症状が見られる場合に使用されています。

  • シミ・そばかす
  • 肝斑
  • 冷えによるしもやけ・肩こり
  • 高いコレステロール値・中性脂肪値
  • 着床障害

症状に対しユベラが効果を期待できるメカニズムを解説します。

シミ・そばかす・肝斑

ユベラには代謝を促進する作用があるため、シミやそばかす、肝斑といった色素沈着を改善できます。

皮膚の代謝を促すことで、古い角質がはがれ、新しい角質に生まれ変わる“ターンオーバー”がスムーズになります。その結果、シミのもととなるメラニン色素の集まりが肌表面に押し出され、排出されるのです。

また、ビタミンEの強力な抗酸化作用もありますので、光老化を抑制しシミのできにくい肌質にしてくれます。

血行不良によるしもやけ・肩こり・疲れ

血行促進作用によりからだが温められ、冷えによるしもやけや肩こりを改善する効果も期待できます。

ビタミンEには末梢血管を拡張する作用があり、血流が悪くなった手足の指先を含むからだ全体の血流を促してからだを温めます。その結果、しもやけや肩こり、疲れ、手足の冷えなどが改善されるのです。

冷え性の方や、毎年しもやけに悩まされている方は、ユベラを検討してみるのもひとつの方法です。

豆知識

しもやけのメカニズム

気温が下がると血管は収縮し、体温を保とうとします。からだを温めると動脈はすぐに拡張しますが、静脈は拡張しにくく、戻るのに時間を要します。

動脈と静脈血管が元に戻るまでの時間差によって血液循環が滞り、しもやけができると考えられています。

肩こりのメカニズム

筋肉の血流が滞ることで乳酸菌などの疲労物質が蓄積し、血管が圧迫することで肩こりが引き起こされます。

正常な筋肉であれば、乳酸などの疲労物質は血中酸素によって分解され溜まることはありません。

しかし、肩周りの筋肉は緊張しやすいこともあり、ストレスや同じ姿勢の長時間キープなどにより血流が滞り疲労物質が蓄積されやすいのです。

血行不良による疲れのメカニズム

血行不良になると、体内で生成される有害物質や疲労物質の排出が困難になり、溜まりやすくなります。

有害物質や疲労物質が蓄積した結果、脳以外の身体機能が低下して抹消性疲労を起こすのです。

抹消性疲労には、眼精疲労や筋肉疲労などが該当します。

高いコレステロール値・中性脂肪値

ユベラN(ビタミンEにニコチン酸を結合させた薬)は、コレステロールと中性脂肪値の増加を抑制する作用があります。

総コレステロールと中性脂肪の両方を減少させるのは、ニコチン酸の働きが関与しています。悪玉コレステロールの数は減りますが、善玉コレステロールは増加するため、悪玉コレステロール値が高い人に向いているといえるでしょう。

あまり強い作用はないため、急激に効果があらわれるというよりも、おだやかに効果があらわれるイメージです。

着床障害

ユベラは、着床障害による不妊治療の補助として用いられる医薬品です。

着床障害は子宮内膜の血流が滞り環境が悪くなることで起こるとされています。よって、子宮内膜の血流を改善するためにユベラを処方し、様子をみる治療方法がとられます。

また、ビタミンEには子宮内膜の壁を厚くする作用も報告されており、薄い子宮内膜(子宮内膜発育不全)による不妊治療にも効果があると、調査により認められました。

参考文献:日本産科婦人科学会雑誌第64巻第9号

ダイエット効果があるって本当?

ユベラには、ダイエット効果はありません。

実際にユベラを飲みはじめて痩せた人もいるかもしれませんが、脂肪を減らす作用は認められていません。

憶測ではありますが、もし痩せた方が実際にいるとすれば、ユベラによる血流改善で代謝が上がり、痩せやすい体質になったのではないかと考えられます。

しかし、ユベラにはダイエットへの直接な作用はなく、あくまで血流改善による肩こりやしもやけ、着床障害などの改善のために使用される医薬品です。

ダイエット目的で飲まないようにしましょう。

副作用の症状と注意点について

ユベラ副作用の症状と注意点について

ユベラの副作用と服用に関する注意点を紹介します。

健康にも影響を及ぼす事柄ですので、しっかりと目を通しておきましょう。

副作用

ユベラは副作用が少なく安全性が高い医薬品です。

しかし、まれに次の副作用を起こすことがあるため、様子を見ながら飲む必要はあります。

副作用の症状
  • 便秘
  • 下痢
  • 胃の不快感
  • 過敏症
  • 発疹

もし、上記の症状が見られる場合は服用を中止し、医師に相談しましょう。

注意点

ビタミンEは脂溶性ビタミンですので、水溶性ビタミンのように過剰摂しても尿と一緒に排出されません。さらに、排出されるまでに数日かかります。

よって、ユベラを飲むときはビタミンEを含んだマルチビタミンは飲まないなど、1日の摂取量が超えないようにしましょう。

ユベラの用法用量を守り、医師の指示にしたがって飲んでください。

ユベラは市販されている?違いは?

ユベラは市販されている?違いは?

ユベラは市販されているのか、市販薬と処方薬の違いについて解説します。

これからユベラを処方してもらおうか悩んでいる方は、参考にしてください。

ユベラの市販薬はある

処方薬のユベラやユベラNと同じ成分を配合した市販薬は、ドラッグストアでも販売されています。

市販されているユベラは、下記の名前で表記されています。

  • ユベラックスα2
  • ユベラ-C ソフト
  • ビトン-ハイECB2

それぞれの特徴は以下のとおりです。

ユベラックスα2

d-α-トコフェロールが主成分のビタミンE市販薬です。

300mg配合されており、肩こりなどの症状や老年期のビタミンE補給に適しています。

ユベラ-C ソフト

ビタミンEとビタミンCが配合されているシュガーフリーのビタミンE市販薬です。

ビタミンEは300mg、ビタミンCは600mg含まれており、肩・首すじのこり、手足のしびれなどの症状や、肉体疲労・体力低下時の栄養補給に適しています。

ビトン-ハイECB2

主成分の酢酸d-α-トコフェロール(300mg)に加え、ビタミンC(1000mg)とビタミンB2(12mg)が配合されているビタミンE市販薬です。

肩こり・手足の冷え、色素沈着などの症状に適しています。

市販薬と処方薬の違い

市販薬と処方薬の違いは、ビタミンEの配合量と配合成分です。

市販薬は医薬品ほどの強い効果を得てはならないため、配合量を少なめにしています。

また、処方薬にはビタミンE以外の成分を配合させませんが、市販薬ではサポート成分としてビタミンCやビタミンB2が配合されているものも存在しています。

ビタミンEの摂取方法と注意点

ビタミンEの摂取方法と注意点

ビタミンEの摂取方法と注意点を解説します。

知らないうちに過剰摂取してしまう可能性があるので、摂取方法や注意点を知っておきましょう。

食材からの摂取方法

ビタミンEは様々な食材から摂取できますが、特にビタミンEが豊富に含まれている食材は以下の通りです。

ビタミンEが豊富なおすすめ食材
  • 植物油
  • アーモンドやピーナッツなどのナッツ類
  • アボカドやブロッコリーなどの野菜
  • ツナ缶

上記の食材を積極的に摂取することで、ビタミンEを効果的に摂ることができます。

サプリメントでの摂取方法

様々な食材からビタミンEが摂取できるとはいえ、毎日の食事に気を使うことってなかなか難しいでしょう。

そのような時には、サプリメントで足りない分を補うのがおすすめです。

おすすめのサプリメントは、以下の2つです。

  • DHC 天然ビタミンE[大豆] タブレット 90日分
  • ディアナチュラ ビタミンE 60粒 (60日分)

上記の2つは国内製造されたサプリメントです。

また、GMP認証工場による製造なので、医薬品レベルの厳しい環境下で検査・製造されており、品質・安全面において安心感があります。

適切な摂取量と過剰摂取のリスク

ビタミンEの推奨摂取量は、ざっくりと成人15mgです。

サプリメントを使えば簡単に推奨量を摂取することができます。

過剰摂取によるリスクについては、通常の食事から摂取するビタミンEではほとんど心配ありません。

ただし、サプリメントで過剰に摂取すると出血傾向が増すことが報告されています。適切な摂取量を守ることで、健康的で美容効果のあるビタミンE摂取が可能です。

参考文献:https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/18.html

ビタミンEの基本情報

ビタミンEの基本情報

ビタミンEは、脂溶性ビタミンの一つで、抗酸化作用が強いという特徴を持っています。

美容効果も高いビタミンであるため、サプリメントとしても人気です。

さらに、ビタミンEは脂質代謝を改善するという作用を持っているため「ユベラ」という名称で医療用の医薬品としても活用されています。

ビタミンEの美容効果 

ビタミンEの美容効果 

ビタミンEの美容効果は、下記の通りです。

  • アンチエイジング効果
  • ニキビや乾燥肌の改善効果
  • 顔色の改善や肌のハリ向上効果
  • 肌トラブルの予防効果

では、一つずつ解説していきます。

アンチエイジング効果

一つ目のビタミンEの美容効果は、抗酸化作用によるアンチエイジング効果です。

ビタミンEは強力な抗酸化作用を持っており、細胞膜を酸化ストレスから保護することで、肌の老化防止やアンチエイジング効果が期待できます。

PackerとWeber(2001)の研究では、ビタミンEの抗酸化作用が細胞膜の安定性に寄与することが示されています。

参考文献:Packer, L., & Weber, S. U. (2001). The role of vitamin E in biological systems. The FASEB Journal, 15(2), 291-302.

ニキビや乾燥肌の改善効果

二つ目のビタミンEの美容効果は、ニキビや乾燥肌の改善効果です。

ビタミンEは皮膚の健康維持に役立ち、抗酸化作用によるニキビや乾燥肌の改善が期待できます。

KeenとHassan(2016)の研究では、ビタミンEが皮膚科学においてどのような効果を持つか検討されており、とくに、皮膚のバリア機能維持や炎症抑制に役立つことが報告されています。

参考文献:Keen, M. A., & Hassan, I. (2016). Vitamin E in dermatology. Indian Dermatology Online Journal, 7(4), 311-314.

顔色の改善や肌のハリ向上効果

三つ目のビタミンE美容効果は、顔色の改善や肌のハリ向上です。

ビタミンEは血流改善に役立ち、顔色の改善や肌のハリ向上が期待できます。

Schmolzら(2016)の研究では、ビタミンEの代謝の複雑さについて解説されており、ビタミンEが血管内皮機能の改善に関与し、血流を良くすることが示唆されています。

参考文献:Schmolz, L., Birringer, M., Lorkowski, S., & Wallert, M. (2016). Complexity of vitamin E metabolism. World Journal of Biological Chemistry, 7(1), 14-43.

肌トラブルの予防効果

四つ目のビタミンE美容効果は、肌トラブルの予防効果です。

ビタミンEは免疫機能の向上にも寄与しており、肌トラブルの予防が期待できます。

LeeとHan(2018)の研究では、ビタミンEが免疫系にどのように作用するかについて検討されており、とくにT細胞の機能や抗体産生に寄与し、感染症や炎症性疾患のリスクを低減することが報告されています。

参考文献:Lee, G. Y., & Han, S. N. (2018). The role of vitamin E in immunity. Nutrients, 10(11), 1614.

ユベラは正しく使用すれば美肌や健康の維持に役立つ

今回は、ユベラで効果的に美肌を手に入れるのかを解説しました。

今回のまとめです。

ユベラが効果を発揮する症状
  • シミ・そばかす
  • 肝斑
  • 冷えによるしもやけ・肩こり
  • 高いコレステロール値・中性脂肪値
  • 着床障害
副作用の症状
  • 便秘
  • 下痢
  • 胃の不快感
  • 過敏症
  • 発疹

ユベラはビタミン剤とはいえ、過剰摂取すると出血のリスクを高めます。用法用量を守って正しく使用し、美肌や健康の維持に役立てましょう。

動画でも解説しています!

筆者であるオオクボは、ユーチューブでも美容に関する内容を発信しています。

本記事の内容も動画で解説していますので、ぜひ視聴してみてください。

オオクボ

編集長のオオクボです。知って得するアッと驚くような美容情報をたくさんお届けします。お仕事のご依頼は各SNSにご連絡下さい!

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この記事を書いた人

編集長のオオクボです。知って得するアッと驚くような美容情報をたくさんお届けします。お仕事のご依頼は各SNSにご連絡下さい!

この記事の監修者

オオクボタカユキ
びよう研究所所長
薬剤師・博士(薬学)
メーカーにて医薬品の適正使用に関する業務に従事した後、総合病院にて臨床薬物治療に携わる。大学院博士課程にて多数の研究論文を執筆し博士号を取得。現在は人の幸福感を上げるための美容医療の研究を行っている。
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