最近、健康食品や美容商品の成分として、「αリポ酸(アルファリポ酸)」という名前を頻繁に目にするようになりました。
このアルファリポ酸とは一体どのようなものなのか、その効果にはどのような科学的根拠があるのかを解説します。
αリポ酸について知りたいよって方は最後までみてね
アルファリポ酸とは
αリポ酸は、私たちの体をつくる約60兆個もの細胞ひとつひとつに存在し、生きていく上で必要なエネルギーをつくり出すために欠かせない成分です。
わかさ生活
また、αリポ酸には、疲労感や肌の衰えといった老化現象の一因となる活性酸素から細胞を守り、健康な体と若々しい肌を保つ働きがあります。
アルファリポ酸は、私たちの体内でも生成される強力な抗酸化物質で、エネルギー生成のサイクルに関与しています。
特に、肝臓や心臓、腎臓といった臓器での役割が大きいことが分かっています。
細胞がエネルギーを作り出す経路にはクエン酸回路というものがあります。
このクエン酸回路にはたらきかけて、エネルギー(ATP)の生成を促進するのがαリポ酸です。
エネルギー代謝に関するアルファリポ酸の研究
アルファリポ酸は、ミトコンドリアのエネルギー生産において重要な役割を果たす抗酸化物質であり、アルファリポ酸の欠損は、ミトコンドリアの機能の低下と、それに関連する神経学的障害を引き起こす可能性があることも示唆されています。
アルファリポ酸の美容に対する効果
αリポ酸の美容に関する効果から見ていきましょう。
- 抗酸化作用
- タバコによる肌ダメージを緩和
抗酸化作用
アルファリポ酸といえば抗酸化作用。
たくさんの研究が発表されています。
αリポ酸は、活性酸素と戦う抗酸化力が高い成分で、同じように抗酸化力を持つ成分であるビタミンCやビタミンEの約400倍の抗酸化力があるといわれています。
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αリポ酸は強力な抗酸化物質としてしられています。
また、抗酸化作用を持つビタミンCやビタミンEの作用を補助する効果なども確認されているため、ビタミンCをとりながら、αリポ酸を同時に取り入れていくのもおすすめといえます。
アルファリポ酸は、ビタミンCやEといった他の抗酸化物質と違い、水溶性と脂溶性の両方の環境で効果を発揮します。
これにより、体内の様々な部位でフリーラジカルを中和し、細胞の酸化を防ぎます。
アルファリポ酸の肌ダメージへの効果
タバコの煙や喫煙によって肌細胞はダメージを受けることが知られています。
そんな喫煙による肌細胞へのダメージに対するα-リポ酸の効果が研究されています。
Effect of alpha lipoic acid on smoking-induced skin damage
目的: タバコの摂取は活性酸素を生成し、皮膚細胞にダメージを与える生物活性分子を生成する。この研究は、アルファリポ酸(ALA)が喫煙によるラットの皮膚損傷に及ぼす影響を調査するために実施された。
材料と方法: 28匹のSprague-Dawley雌ラットを3つのグループに分けた: コントロールグループ(n=8)、喫煙グループ(n=10; 1日12本のタバコ、8週間)、喫煙+ALAグループ(n=10; 1日12本のタバコ+100mg/kgのALA、8週間)。
結果: 喫煙グループでは、コラーゲン束と毛包の劣化/減少、汗腺の変性、皮膚の単核細胞浸潤が観察された。しかし、ALAを投与したグループではこれらの変化が改善された。
結論: 生化学的および組織病理学的検査に基づき、タバコの煙はラットの皮膚組織に変性効果を引き起こす可能性があることが示された。しかし、ALAは抗酸化作用と抗炎症作用により、タバコによる皮膚組織の損傷に対して治癒効果を有する可能性が示唆された。
αリポ酸は喫煙による肌ダメージを緩和できる可能性があります。
喫煙以外の活性酸素によるダメージの抑制も期待できるかも?
それなら肌にも良い影響があるかも??
ってかんじですかね。
アルファリポ酸の2型糖尿病に対する効果
アルファリポ酸には2型糖尿病に対する効果が確認されています。
実際に、1960年代からは医薬品として使用されています。
医薬品:チオクト酸25mg
効能効果:チオクト酸の需要が増大した際の補給(はげしい肉体労働時)、Leigh症候群(亜急性壊死性脳脊髄炎)、中毒性(ストレプトマイシン、カナマイシンによる)及び騒音性(職業性)の内耳性難聴上記の効能又は効果に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。
Effect of alpha-lipoic acid on blood glucose, insulin resistance and glutathione peroxidase of type 2 diabetic patients
目的: 2型糖尿病(T2DM)患者において、2か月間のα-リポ酸(ALA)治療が空腹時血糖値(FBG)、インスリン抵抗性(IR)、およびグルタチオンペルオキシダーゼ(GH-Px)活性にどのような影響を及ぼすかを調査。
方法: 2型DM患者(n=57)をALA(1日300 mg)またはプラセボの2つのグループに分け、8週間の追跡調査。
結果: ALAグループでは空腹時血糖および食後血糖のレベル、インスリン抵抗性が有意に改善。
結論: α-リポ酸には2型糖尿病治療への貢献が期待できる。
アルファリポ酸には2型糖尿病へのポジティブな影響が確認されています。しかし、糖尿病を予防するということではないので、アルファリポ酸を摂取すれば糖尿病にならないということではありません。
アルファリポ酸の摂取方法
食品からの摂取も可能ですが、サプリメントを使用して摂取するのが簡単です。
一部クリニックで点滴治療などが行われることがありますが、サプリメントの方が簡単です。
【コスパ良】DHCαリポ酸
1カプセル12.3円
→24円でαリポ酸210mg
ネイチャーメイドαリポ酸
1カプセル26円
→52円でαリポ酸100mg
アルファリポ酸を多く含む食品
- 赤身の肉(特にレバー)
- ほうれん草
- ブロッコリー
- トマト
- グリーンピース
- じゃがいも
- カボチャの種
- りんご
- カラスムギ(ブラン)
アルファリポ酸の注意点と副作用
一般的に安全とされるアルファリポ酸ですが、過剰摂取による腹痛や吐き気の報告もあります。
また、一部遺伝子を持った方がアルファリポ酸を摂取することで、低血糖症状という危険な症状を発現してしまう可能性もあります。
α-リポ酸を特定の遺伝的素因を持った方が摂取した場合、インスリン自己免疫症候群を引き起こし、低血糖状態になるといわれています。
具体的な症状としては、冷や汗、手足の震え等の症状が報告されています。
ただし、この特定の遺伝的素因を持った方全てにインスリン自己免疫症候群が発症するかどうかは現在のところわかっていません。
厚生労働省